分野の紹介

生体構造学分野 Structural Biology

 生物は不変ではなく時間とともに変化します.その変化には,ひとつの個体内で見られるプロセスすなわち形態形成と,もっと長い時間をかけておこるプロセスすなわち系統進化があります.しかし,生物学の視点はプロセスの記述だけではありません.なぜ変化するのか,その仕組みについて探究するのも生物学の大きなテーマです.

 生体構造学分野ではこれらの面について総合的に研究し,生物の多様性の理解を目指しています.当分野に在籍する教員は植物・動物の形態学,発生学,分類学,系統進化学,生態学,保全学の専門家ですので,分野の第一の看板は細胞以上のマクロなレベルの系統進化的研究だといえるでしょう.しかし,研究の分野はこれだけに留まりません.その他の研究テーマを見てみると,植物の染色体を扱ったり,昆虫が示す複雑な社会性の成因や,野生動物の繁殖様式の実態,また遺伝子情報を用いて動物の系統関係や進化を研究している人もいます.

 人間活動による生物の大量絶滅が危惧される中,21世紀を迎えた今,生物多様性の正しい認識が我々には益々必要となっています.当分野では生物多様性を広くそして深く学ぶべく,教員と学生がともに日夜努力しています.

 

生体制御学分野 Regulatory Biology

 私たち人間や多くの動植物は,1個の受精卵から出発して,ある一定の姿・形を持った,多細胞から成る個体へと発生・成長します.動植物の個体を構成している細胞は,種々様々に分化して,それぞれ特定の役割を担っています.生体制御学分野では多種多様な細胞がどのようにまとまって個体として成り立っているのか,どのように協調しあっているのかについて多方面から研究し,理解しようと努めています.

 植物学を専攻する教員はそれぞれ,細胞レベルと遺伝子レベルで成長のメカニズムや光合成や脂肪酸合成に関係する遺伝子の発現機構,葉・根などの器官分化を制御している遺伝子を解明しようとしています.

 動物学を専攻する教員は形態学,生理学,生化学,分子生物学的手法を駆使しながら,光などの環境条件との関係,体内時計や睡眠制御機構,ホルモン作用を手がかりにして水・電解質代謝,脳ペプチドの役割などに関係する様々な調節機構について研究しています.

 生命科学の世紀になるといわれる21世紀には,今まで以上に多様な生理現象についての理解が求められるでしょう.当分野の教員一同は,次代を担う生物学を志す学生諸君とともに積極的な教育・研究活動を展開しています.