両立応援!とみだい育児ハンドブック
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幸 亮太 先生より (教員)  娘との生活の中で「生きていることは当たり前ではない」という当たり前のことに気づきました。目が覚めて、お乳を飲み、うんちとおしっこをして、また眠る、ということは奇跡であり、そんな奇跡が積み重なって人は成長していくのだと感じるようになりました。目まぐるしく過ぎていく毎日ですが、娘や周りの人と過ごす一瞬を大事にしたいと思うようになりました。 私の場合は、育児休業の期間がちょうど春休みだったこともあり、授業の調整が必要なかったことはありがたかったです。それ以外の業務に関しても周りの先生方や職員の方々からご理解をいただき、たくさん助けていただきました。実は、当初私は育児休業の取得を考えていませんでした。それは業務や職場のことからではなく、お恥ずかしい話ですが、どれだけ育児が大変であるか、育児休業の意味や必要性を考えてもみなかったからです。要するに甘く考えていた私に、父親としても先輩である同僚の先生が取得することを勧めてくださいました。今となっては、その先生には感謝しかありません。大西 健太 先生より (附属病院診療助手)  私が出生時育児休業を取得したのは、次女と妻の退院後から4週間です。長女のときは母子が里帰りをしていたのですが、今回は退院後から一緒に生活する予定でした。生を受けて1日1日を一生懸命に生きる赤ちゃんを、そばで見守りながら過ごせたことは本当に幸せでした。また心身共に不安定になりやすい出産直後から、妻に寄り添えたことも大切な時間になったと思います。次女が新たに家族として加わったことで長女にとっても大きく生活が変化しましたが、そういった家族全体のバランスをとりながら、新たな生活スタイルを模索する時間として貴重な育児休業となりました。 取得の際は、「育休とらないの?」といったように上司から勧められたり聞いてくれたりする環境に救われました。同じ男性職員からも「今度育休の取り方とか教えてよ」と肯定的な意見も励ましになりました。 お産を行えない男性には、赤ちゃんの生まれてくる自覚があまり持てない方もいると思います。また何をどうしたらよいかも分からない場合もあると思います。しかしそれは母も同じで、生まれた子供が何人目であろうとも、さまざまな不安があるはずです。出生時育児休業はそんな夫婦の不安に寄り添い、新しい家族の誕生の幸せを感じながら育児を行うための制度だと思います。時間や心身の余裕を持って育児にあたるためにも育児休業は男性の権利であり、選択肢のひとつになるはずです。男性育児休業取得者インタビュー記事は、ダイバーシティ推進センターHPで全文お読みいただけます。

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