土壌ガス分析、物理探査(重力・電磁探査)、画像解析の結果から、宇奈月温泉地域では宇奈月温泉スキー場付近に一般的な地熱地帯と比較すると劣るものの、地熱貯留層が地下に存在することが示唆された。

図14 画像解析による宇奈月温泉付近の熱異常域
 採取した土壌ガスサンプルはガスクロマトグラフにより分析を行い、各種ガス成分(CO₂やN₂など)の濃度を測定した。
 これらのガス成分濃度から
地温との関係火山性流体の寄与を検討する。
図12 土壌ガス採取方法
土壌ガス分析結果と物理探査や温泉調査の結果から地下に存在する地熱資源の分布状況を検討し、平成26年度に予定されている孔井掘削場所の選定を行うための資料を提案する。
 富山大学からは岩城が代表として土壌ガスを中心に
作業を行った。土壌ガスの採取方法については、図12のように孔を掘りパッカーで密閉した後、翌日シリンジで土壌ガスを回収し、ガラス製ガスサンプラーに保存した。

 
 
 
 富山県東部地域に豊富な地熱資源が存在することが
分かったが、地熱開発を行うための地下情報(地質情報・
流体組成情報など)が十分ではなく、本地域での地熱発電
事業化の壁となっている。そこで富山県東部の温泉調査で
得られた結果から熱資源量が比較的大きいと考えられる
宇奈月温泉地域(図10の③)を中心に50km²程度に絞り込んだ範囲で温泉バイナリー発電による事業性評価を行う。
 なおこの研究は国の補助を得て、富山大学と企業(ジオ
エナジー株式会社・大高建設株式会社など)が連携して
①実施可能性の検討②環境事前調査を目的として取り組みが行われている。
 そこから衛星画像解析による地温分布評価を行う。衛星画像より発見した温度異常域から容積法による地熱有望地域の熱資源量を検討したところ(図8)、地熱発電のための熱エネルギー回収率は立山地域一帯で約300MW、焼岳周辺で約200MWであると考えられる。
 そこでこの研究では、富山県東部周辺地域の地熱有望地域
における地熱資源量を
温泉水の地化学分析衛星画像を
元にした画像解析手法
によって評価することを目的としている
。図6より富山県東部の立山連峰周辺を笹木(①)、岐阜県北部
の焼岳周辺(高山市奥飛騨温泉郷)を小路(②)が調査を行った
。この研究では、現地から採取した温泉水の化学分析を行い、
その結果から
温泉水の起源地下推定温度の算出、地熱
発電を行う際に問題になる
スケール有無の評価を行う。
 日本は火山国であり、豊富な地熱資源を有している。特に
富山県は日本で2番目に地熱資源量が豊富な地域と言われ、
産業技術総合研究所(AIST)が発行した貯留層分布図(図5)に
よると、富山県東部の立山連邦周辺では地下推定温度が150℃
以上の高温地帯であり、地熱発電の有望地帯として注目されて
いる。もし富山県で地熱発電を行うことができれば県全体の
消費電力量(1500MW)を全て賄うことのできる試算である。
しかし現在では、富山県及びその近郊内には地熱発電所が
なく、またほとんどの地熱有望地域が国立公園内にあるため、
地熱資源は未利用のままである。
 富山県においては、小矢部川沿いや南砺市といった
県西部を中心に100℃以上の中温域が存在していた。
また地熱有望地域が国立公園内にあり、地熱発電の
開発が厳しい県東部でも、市街地から比較的近い立山
山麓周辺の温度が高く、これらの地域においては温泉
バイナリー発電が適用できる可能性がある。石川県では
能登半島の和倉温泉や南部の加賀温泉郷、白山地域で
温泉バイナリー発電が可能である。さらに白山地域は
地熱発電を行える可能性もある。
 広域温泉水調査は図1より富山県を森田(①)、石川県を
加戸(②)が調査している。この研究では、まず県が過去に
調べた温泉分析書をもとに、
泉温地化学温度計から
熱源が高いと思われる箇所を選定し(図2)、熱資源量評価を
目的として選定地を詳細に調査した。現地から採取した
温泉水の化学分析を行い、その結果から
温泉水の起源
熱量の推定
スケール生成の評価を行う。最終的には推定
した熱資源量をどういった形(発電、もしくは暖房などの熱利
用)で利用することが好ましいか判断する。
 富山県東部の立山連邦や石川県の白山地域は、150℃以上
の高温地帯であり、地熱発電の有望地帯として注目されて
いる。富山県・石川県およびその周辺には温泉が数多く存在
しており、その数は500ヶ所以上にものぼる。これらの温泉は
高温のものもあり、温泉発電や熱利用を行える。そこでこれら
の地熱資源の分布状況や地下の温度を地球化学的手法を
用いて解析した。
  
図13 土壌ガス採取の様子(左は企業との会議、中央と右は土壌ガス採取現場の様子)
図11 土壌ガス採取地点

図10 地表踏査の研究区域(図中の黄枠)
* 地表踏査による地熱構造解析 *

図9 地熱発電の概念図

図8 画像解析により
抽出された高温地域

   
図7 温泉水採水風景(左から1,2枚目が富山県東部、3,4枚目が焼岳地域)

図4 温泉バイナリー発電の概念図
(松之山温泉の例)


図3 温泉水採水の様子(左と中央が石川県、右が富山県立山温泉の調査風景)
図6 温泉(局地)の研究区域
図5 貯留層分布図(AISTより)
* 地熱有望地域における温泉の
     地化学調査と熱資源量評価 *
図2 泉温のコンタマップ
(○は採水箇所を示す)
図1 温泉(広域)の研究区域
* 広域における温泉水の地球化学的研究 *
熱資源量評価 (温泉・ガス)

   


 








 





















































                                                                  


 


















 



















 









































      


 


























































































   


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