A2101)ピリジルアミノオリゴマー固定化ポリスチレン:金の選択的吸着剤

近年,循環型社会の構築が強く叫ばれるようになり,廃液・廃棄物中の有価物質を効率よく,かつ選択的に分離・回収する技術が注目されています。

我々は,アミノピリジンを複数連結した高分子配位子をポリスチレンに固定化した,新しい吸着剤を開発しました(Fig.1)。これまでの研究により,この吸着剤が,パラジウム,白金,銅,ルテニウムなどの共存する水溶液から金を選択的に捕集できることが明らかになりました(Fig.2)。今後,廃液に含まれる金の回収への応用が期待されます。

本研究は,筑波大学教授の神原貴樹先生と共同で行っています。

また本研究は(財)鉄鋼業環境保全技術開発基金より助成を受けて実施しました。

Fig.1 新規吸着剤の調製

Fig.2 金と他の金属との競争吸着実験結果
【関連論文】
Shigehiro Kagaya, Daigo Kodajima, Yae Takahashi, Takaki Kanbara and Kiyoshi Hasegawa, J. Mater. Chem., 10(11), 2442-2444(2000).