B1202> 内部標準併用迅速共沈濃縮・原子吸光分析による微量鉛及び微量鉄の定量法
リン酸ランタンは,鉛に対して優れた共沈捕集能を有しており,原子吸光分析のための有用な共沈剤の1つですが,沈殿が若干細かいことから沈殿分離操作が煩雑になりがちでした。
リン酸ランタンを用いる共沈法は,担体元素であるランタンが原子吸光分析では容易に定量することができないため,迅速共沈法を適用することができませんでした。
しかし,内部標準元素として原子吸光分析にて容易に定量できるインジウムを用いる内部標準併用迅速共沈法を適用することにより操作を極めて迅速・簡便化することができました。
フレーム原子吸光分析に適用し,廃水・排水,温泉水中の微量鉛,微量鉄を定量することが可能でした。
Fig.1 共沈剤担体元素ランタンの回収率と内部標準元素インジウムの回収率との関係
【関連論文】
◇ Shigehiro Kagaya, Zanariah Abdul Malek, Yasuko Araki, and Kiyoshi Hasegawa, Anal. Sci., 18(8), 923-926 (2002).