02.  How to get an Academic Visiting Visa

2010/06/08

 

Melbourneに6ヶ月間滞在できることになったのですが,滞在するためにはVisaを取得しなければなりません。私の場合,JSPSからは旅費・滞在費を,富山大学からは給与をもらい,受け入れ機関であるThe University of Melbourneでは無給で研究をすることになるので,Academic Visiting Visa(subclass 419)を取得する必要がありました。


採択の通知がきたのが12月中旬。急いでVisaを,と思い,SupervisorのSpas先生に直ちに連絡を入れました。しかしこの時期,南半球のオーストラリアは夏休み。Spas先生はBulgaria出身なので,そちらでChristmasとNew Yearを向かえるとのこと。大学には連絡しておくよ,といってくれましたが...。これまで海外長期在住の経験など当然ないので,どのようにしてVisaを取得するか,よく理解していませんでした。結構時間がかかるよ,とは海外滞在経験のある先生方から聞いていたので,ちょっと不安になりました。


その不安がみごと的中。

その背景には,2009年秋のVisa取得に関する法律の改正があったようです。どうやら以前は結構簡単にVisaを取得できていたらしいのですが,この法律施行後は,ちょっと面倒・厄介になったとのことです。


ここで簡単にAcademic Visiting Visa取得の流れを説明しましょう。

(注意:この説明は,私の事例で,私の理解の範囲内で書いています。現在は法律が変わっているかもしれませんし,私の理解が間違っているかもしれません。その点,注意ください。)

取得までには3つのStepがあります。


1)  Sponsorship申請

これは受け入れ機関が,うちは研究者を受けれ入れることができ機関ですよ,と認めてもらうための申請のようです。これは,今回の場合,The University of Melbourne(UniMelとかMelUniとかよんだりします)がDepartment of Immigration and Citizenship(Australia Government)に申請するものです。法律改正後に申請し,認可されていることが必要のようです。


2)  Nomination申請

これは受け入れ機関が,こんな研究者を受け入れたいので認めてください,とDepartment of Immigration and Citizenship, Australia Governmentに申請し,認可を受けるものです。今回の場合,Spas先生が大学経由で私のことを申請しなければならない,ということになります。


3)  Visa申請

これはオーストラリアに行く人自身が,住んでいる国のAustralian Embassyに,Visaを発給してください,と申請するものです。私はAustralian Embassy, Tokyoに申請しなければなりません。ただし,申請時には原則として,Sponsorship,Nominationが認可されていることが必要です。


そんなこともよく理解せずに,のほほんと2010年を迎えました。


2010年の1月17日入国~1月22日出国でAustralia入りし,UniMelのSpas先生を訪問することができました。これは,これまた補正予算で富山大学に助成された「教育高度化のための支援体制整備事業」の助成を受けていかせてもらったものです。


1月17日朝に,Melbourne International Airport(Tullamarine Airportともいう)で初めてSpas先生に会い,翌日から研究の打ち合わせに加えて,滞在準備を始めました。


後からわかったことですが,UniMelはすでにSponsorとして認可されており,Sponsorship ID Numberを持っていました。


Nominationの書類は,この訪問時に作成しました。 申請書自体は,Formを埋めていくだけなのですんなり終ったのですが,いくつかの書類を添付する必要がありました。


・履歴書,研究業績リスト

これらはすでに作成,Spas先生に提出していましたので大丈夫でした。


・滞在期間中の財政状況

滞在期間中,財政的に問題ないことを証明する必要があったのですが,これもSpas先生が,富山大から給与をもらいかつJSPSから航空賃・滞在費をもらうので大丈夫だ,という内容の文書のひな形を作ってくれ,これを富山大にメールで送って理工学研究部長のサインをもらって再び送り返してもらうことでことなきを得ました。


・パスポートの認証コピー

これが最も手こずりました。今回,私は家族(妻,子供2人)と一緒にMelbourneに滞在する予定でしたので,Nominationには家族の情報も明記し,家族のパスポートの「認証コピー」を添付する必要がありました。日本ではあまりなじみのない「認証コピー」ですが,つまり単なるコピーだと原本と同じかどうかわからないので,そのコピーが原本と同じであることを「認証」してもらったものを提出しろ,ということなのです。私の分は,大学の中にあるUnion House(大学生協みたいなところ)の窓口で,お昼ご飯を食べている女性スタッフが私のパスポートとコピーとを見比べ,コピーにはんこをついて,サインして終わり(無料)でした。認証作業は日常業務の様でした。ですが,日本で認証してもらうのは結構大変でした。一般には,大使館で認証してくれるらしいのですが,富山に住んでいる家族が東京にあるAustralian Embassy, Tokyoで取得するにはちょっと無理があります。そこで,Melbourneからwebでいろいろ検索したところ,公認会計士が認証してくれる,ということを突き止めました。富山市内のいくつかの会計士をリストアップし,日本の奥さんにメール&Telして調べてもらい,その中のある会計士のところで認証してもらえることがわかりました。早速家族の分の認証コピーを作成してもらいました。認証コピー作成には,通常1.5万円/通かかるみたいですが,家族3人分を作成したので1万円/通にdiscountしてくれたみたいです(時価,言い値,といった言葉を連想してしまいました…)。これをスキャンしてPDF形式にし,メール添付で送ってもらい,これを申請書に添付して大丈夫,だったのですが...冷静に考えると,認証コピーを電子ファイルにしてしまうと,認証の意味がなくなるような気がしますが…この点はあまり深く考えないようにしました(笑)。


これでNominationの申請準備はほぼ終りとなりました。あとは大学経由で申請するだけです。ただし,申請から認可までは通常1ヶ月くらいかかるとのこと。この時点で1月21日だったので,早くても2月下旬にならないと認可されないことになります。さらに不安になりました。


不安を抱きながら帰国,富山に戻りました。次はVisa申請ですが...これがまた,予想以上に大変でした。これについては次回,説明します。


追伸:実際にDepartment of Immigration and CitizenshipがこのNomination申請書を受け取ったのが2月2日,というAcknowledgement LetterがSpas先生経由でメール添付で送られてきました。ということは,最短でも3月初旬か…そう考えたら,ますます不安になりました。

 
 

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