地球電磁気学研究室

富山大学 都市デザイン学部 地球システム科学科 固体地球物理学分野
研究内容

   私達が取り組んでいる研究のキーワードは「地磁気」です.地磁気は地球中心部の鉄を主成分とした核(コア)の対流運動によって作られており,地球内部を知る重要な手がかりです.また,地磁気は地球表層の物理環境の一つで,人類を含む生命の活動・進化にも影響を与えてきたと考えられています.
  私達の地磁気の研究は,現在の地磁気(地球電磁気)の観測・探査による研究と,過去の地磁気の研究からなります.
  後者の過去の地磁気の研究には,他の地球科学の分野には無い大きな利点があります.それは,過去の地磁気が化石の様に,岩石や堆積物中に残留磁化として記録されていることです.岩石・堆積物,考古学の資料,文化財などの残留磁気から過去の地磁気を研究する分野は,古地磁気・岩石磁気学と呼ばれています.
  現在の地球電磁気と過去の地磁気の研究では,国内と共に海外でも行っており,大学院の学生も多くが調査に参加しています.研究の対象地域は,例えば,南極,南極海,北極海,インド洋,インド,ロシア,モンゴル,ウズベキスタン,オーストラリア,カナダ,ネパール,韓国,スペイン等があります.興味のある方は研究室に実験試料がありますので,試料を見に(触りに)きて下さい.
  また考古学・人類学との共同(融合)研究として,考古地磁気の研究と遺跡探査もよく行っており,国内の北海道(モヨロ)から沖縄(久米島等)までの有名な遺跡,国外ではインダス文明,シルクロード関連遺跡,チンギスハンの関連遺跡等において,教員と学生が文系の方々と共同で調査をしています.
  電磁気探査では,雪氷も対象で,最近話題となった立山の氷河地域では,弥生時代の化石氷が残る内蔵助雪渓における地中レーダ探査の研究を20年前より行っており,実績があります.

研究分野例*

  1. 岩石の磁気を用いて過去の地磁気変動を復元する研究   地球中心核やプレートテクトニクス,造山運動にも関係します
  2. 熱水性鉱床の形成年代と形成モデルの解明
  3. 環境磁気の手法による環境汚染のモニタリングの研究
  4. 歴史時代の地磁気変動と地磁気年代推定の研究   考古学の遺跡の探査や立山などの積雪の電磁気探査
  5. 海・湖の堆積物から地磁気変動(逆転など)を求める研究磁気物性による過去の気候変動の研究
  6. 電磁場環境,生物磁気の研究
* 卒業研究等について
磁気物理と電磁気探査を研究手法として,様々な研究が可能であり,具体的な研究課題に関しては個別に相談しますので,
興味がある方は川崎までお問い合わせ下さい.
GPR at Yamagata
積雪のGPR調査

 

 

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