氷床中で成長するAir-hydrate結晶の核生成・成長機構


南極大陸やグリーンランドなどでは気温が低いため、積もった雪は解けずに圧縮され、やがて氷床となる。この氷床には過去の空気や火山灰などが含まれており、過去の気候の復元につながるものと注目されている。

さて、氷床に取り込まれた気泡は、深くなるに連れて圧縮され収縮するが、ある深さに達すると包摂水和物(Air-hydrate)結晶に変換する。
Air-hydrate結晶の構造
Air-hydrate結晶にはI型とII型の2種類存在するが、空気組成の大部分を占める窒素と酸素の場合はII型である。この結晶は12面体の小さなカゴと16面体の大きなカゴから成っており、それぞれのカゴの内部に気体分子を取り込んでいる。

このAir-hydrate結晶の形成過程を明らかにするため、南極みずほ氷床コアを用いた加圧実験を行い、気泡からAir-hydrate結晶への変換過程のその場観察実験を行った。

これらの研究成果は、学術雑誌に公表している。【原著論文】36


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