Fourier 変換:Fourier 積分

周期関数とは限らない関数 f(x) を周期 の周期関数で近似するにはどうしたらよいか?

最も安直な方法は、f(x) を区間 に制限して、残りを周期的に拡張して得られる関数 を考えるという方法である。

そして、 の Fourier 級数を考えて、その後で としてやれば、f(x) の Fourier 級数(もどき)ができるとは考えられないだろうか。

以下、このような方針に従って f(x) の Fourier 級数(もどき)を考えていく。


の Fourier 級数は、

 ---- (1)

となる。ここで、係数の式

を代入して変型していくと、(1) 式は、

--- (2)

となる。ここで、最後の式の( )の中の和のうちで

の部分を計算すると、

となる(積分の区分求積法!)。よって、

ゆえに (2) 式は、 とすることにより、次の式に収束していく。

これが、(周期関数とは限らない)関数 f(x) の Fourier 級数(もどき)である。これを f(x)(複素型)Fourier 積分という。

Fourier 級数の場合と同様に、f(x) の Fourier 積分が f(x) と等しくなるという保証はない。そこで、

と表すことにする。これが何時 f(x) と等しくなるかという問題については、Fourier 級数の場合と同様に以下のような定理が成立する。

定理(Fourier の積分定理)

関数 f(x) が全区間 において区分的に滑らかであり、絶対積分可能(つまり、

)ならば、その Fourier 積分は、

  • f(x) が連続な点 x では f(x) に一致する。
  • f(x) が不連続な点 x では

    に一致する。

特に、f(x) が連続ならば、Fourier 積分は f(x) と一致する。


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