以下、簡単のために、f(x)
が連続であり、Fourier
の積分定理の条件を満たすとする。つまり、 関数 f(x)
の
Fourier 積分が、f(x)
と等しくなる場合のみを考える。つまり、
が成立しているとする。このとき、
というように分けて考えて、カッコの中を、
とおけば、
と書くことができる。この
のことを
のフーリエ変換という。また、(1)
式を、フーリエ変換の反転公式という。また、
を
の逆フーリエ変換ということもある。
[注]
フーリエ変換と逆フーリエ変換では、非常に定義式が似ているが、フーリエ変換では
e の
乗を掛けて積分し、逆フーリエ変換では e の
乗を掛けて積分している。このように符号が違っていることに注意!
周期
の周期関数のフーリエ級数において、
an ,
bn
は や
の係数であった。これらの項は、
f(x)
の「周波数
成分」を表すと考えられる。
an , bn
は(定数倍を除くと)f(x)
に
や
を掛けたものを積分して得られることに留意すると、
f(x)
に
や
を掛けたものを積分すると、
f(x)
の「周波数
の成分の大きさ」が求められるということになる。これは一般化すると、
f(x)
に
や
を掛けたものを積分すると、
f(x)
の「周波数
の成分の大きさ」が求められると考えられる。フーリエ変換の定義が、
f(x)
に
を掛けたものを積分したものであることを考えると、
フーリエ変換 |
と考えられる。 このような性質を「フーリエ変換は、f(x)
のスペクトル分解を与える」と言う。
で定義された
f(x)
を f(-x) = f(x
)
によって全区間に拡張すると、f(x)
は偶関数となる。このとき、
となる。
そこで、
で定義された
f(x)
について、
を f(x)
の Fourier 余弦変換(Fourier Cosine
Transform)という。この関数は再び偶関数となっているから、フーリエ逆変換も同様に変型され、
という反転公式が成立する。
f(x)
について、そのFourier
正弦変換(Fourier Sine Transform)
が定義され、これについても反転公式
が成立する。