2変数関数の勾配 (gradient)


2変数関数 z = f(x,y) が与えられたとき、 xy 平面上の各点 (a,b) において、ベクトル ( fx(a,b), fy(a,b) ) を対応させることにより、平面上で定義されたベクトル値関数 を考えることができる。

このベクトル値関数を f 勾配 といい、

grad f

と書く。すなわち、

(grad f) (x,y) = ( fx(x,y), fy(x,y) )
である。

下図は、 z = f(x,y) = x2 - y2 に ついて、 grad f を表したものである。

xy 平面上の赤い矢印が、その始点におけるベクトル grad f を表す。

(grad f) (a,b) は、点 (a,b) において、グラフの「傾斜」が最大になる方向を示し、「傾斜」が 急であればある程、大きさが大きくなるようなベクトルである ことに注意されたい。 また、 (grad f) (a,b) は、点 (a,b) を通る等高線に垂直になっていることにも注意されたい。