大分県三重町のチャート角礫岩


 私のフィールドの,チャート角礫岩の大露頭について簡単に御紹介します.


A.露頭の全容(右側が南):地層は北傾斜で,上盤に酸性凝灰岩層,下盤にチャート・苦灰岩互層が分布し,チャート角礫岩の主部(厚さ 10 m 以上)は両者の間に大局的には調和的に分布する.しかしその主部から,上位にも下位にも層理面を切る・岩・脈・状・の岩体が延びている.

B.チャート角礫岩主部,見かけの最下部:チャート角礫岩中に,苦灰岩の角礫(黄色い縁取り)が含まれる.

C.チャート角礫岩露頭の南縁部:チャート角礫岩が,見かけの下盤のチャート・苦灰岩互層を切って・岩・脈・状・に分布する.

D,E.チャート角礫岩主部,見かけの下半部:見事なチャート角礫岩.砂岩サイズの基質(ほとんどがチャートの砕屑粒子と思われる)にチャートの角礫が含まれる.

F.チャート角礫岩主部,見かけの上半部:珪長質凝灰岩の角礫(いくつか矢印で示してある)が含まれる.今こうやって見てみると,角礫の大きさが小さいし,チャート角礫よりはやや円磨されている模様.


ご意見募集(安部美佐まで)


 さてさて,この見事なチャート角礫岩は,どの様にできたのでしょう? 単なる砕屑岩脈? 特殊な条件でできた,断層破砕岩? そしてそれができたタイミングは? ヒントとなる可能性がある事項を,以下に列挙します.

1.チャート角礫岩は,下盤側のチャート・苦灰岩互層と上盤側の珪長質凝灰岩との間に位置する.地層は,東西走向・北傾斜.
2.この露頭の北側に向斜状構造の軸があって,その北翼(南傾斜の部分)にはチャート角礫岩のブロックを含む泥質混在岩が見られる.
3.チャート角礫岩の主部は,層理と平行に分布する.ただし,上盤側・下盤側双方の地層中には,層理面を切る岩脈状のチャート角礫岩体も見られる.上記2の観察より,チャート角礫岩脈は泥質混在岩を切っていないと思われる.
4.角礫の礫種はチャート主体だが,下部には苦灰岩の角礫が見られ,上部では珪長質凝灰岩の角礫が卓越する.すなわち角礫岩の礫種構成は,母岩の岩質に依存する.
5.上盤側の珪長質凝灰岩には,変形の面構造と思われる,層理と平行な縞縞が見られる.現在調査中.
6.チャート角礫岩は,基質の量比が圧倒的に多い基質支持の組織をしている.礫径は 2 cm 以上のものがごくわずか,1〜2 cm のものが少々,0.2〜1 cm のものがかなりあって,0.2 cm 未満の砂岩サイズのものが圧倒的に多い.ただ,泥サイズの粒子は少ない.(笑う門には)フラクタルなんてやると,断層破砕岩の粒径分布パターンが出るかも知れない.また,ある狭い範囲を見ると,礫の種類はほとんど同じに見える.


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