大藤研での研究生活マニュアル
- 一般的な注意書きの後に,各学年の主要な課題と年間研究プラン例を記します.
- 3年生(プレ卒) 4年生(卒論) 博士前期課程1年生 博士前期課程2年生(修論)
- 以下は,大藤研の学生への研究指針である.研究とは本来自由な環境のもとで行われるべきものなので,以下の指針に必ずしも従う必要はない.(こんなもん,本当は書きたくないっ!) しかし,大学生あるいは大学院生として恥ずかしくない程度の知識と判断力を身につけ,大藤研で満足なプレ卒,卒論,修論(,および博論)を書くためには,おそらく下記の指針に従う程度(プラスα)の努力が必要になると思う.先輩の赤裸々な声を聞くことをお奨めする.
日 常 生 活 一 般
“勤務”時間:せっかく机を与えられたのだから,余程の理由がない限り,月曜日〜金曜日の
9:00〜18:15(食事や雑談の時間を除いて8時間)は大学で研究に専念すること.
一日一発見:毎日毎日,何らかの小さな目標を持たないと,研究は進展しないものである.そこで,教科書や論文を読む過程で,また野外調査において,一日一発見をして大藤にメールで知らせてほしい.その日に新たに得た知識や,疑問点の考察結果を知らせてくれてもいいし,野外調査での発見を伝えてくれてもいい.一日一発見を積み重ねて,年間
250 以上の発見ができれば,研究は相当進展するのではなかろうか?
2割8割の原則:これから色々と締切に追われることが多くなると思うが,仕事では2割8割の原則を守るよう努力しよう.与えられた時間の初めの2割で,仕事の8割を片づけてしまうのである.雑でも構わないので,2割の時間で仕事の骨組みを完成させ,残りの8割の時間で丁寧に仕上げをする.これは,良い仕事を時間通りに完成させるための原則である.会社に入ってからも,重要な心がけとなる.(書きながら,筆者自身忸怩たる思いがあるが...)
研究計画を立てよう:自分なりに,長期(1年)・中期(3〜4ヶ月)・短期(1ヶ月〜2週間)の研究計画を立てよう.ただし,計画は小修正可能な,余裕を持ったものにすること;ゼミの発表,集中講義や,巡検などが突然入ることもある.計画に余裕を持たせる最善の方法は,仕事を早め早めに片づけることか........?
コミュニケーションを大切に:学生どうしで,自分のフィールドの地質を積極的に紹介しあい,議論をすることが望ましい.他人との議論は,新たな問題点やアイデアの発見につながる.時間があったら,学生間で自主巡検を企画して,色々な地質を見学するのもよい.また,分からないことはその場で解決すること.自分で調べても分からなかったら,恥ずかしがらずに他の人に質問しよう.さらに心配事,相談事,新たなアイデアなど,大藤に遠慮なく聞かせて下さい.兄貴分のつもりで何らかの力にはなります.
3年生の主要な課題(行事)と年間研究プラン(例)
重 要 課 題
プレ卒:進論後の地質調査法実習3単位のこと.進論の上級編で,しっかりした露頭観察と地質図作成ができるようになることが目標.決められた地域を一人(ないし二人:検討中)で調査し,報告書(進論+薄片観察程度)を提出.プレ卒提出締切2月中旬(卒論締切日).
予察報告:5月中〜下旬頃を予定.詳しくは,この辺を参照のこと.
最終報告:4年生の4月下旬頃を予定.詳しくは,この辺を参照のこと.
演 習:地質学演習2単位のこと.英文 100
ページを理解しやすい日本語に訳し,レポートとして提出する.3年次での演習の課題は,平易な一般地質学の教科書になる可能性が大きい.演習提出締切2月中旬(卒論締切日).
演習報告:4年生の5月下旬頃を予定.詳しくは,この辺を参照のこと.
長期巡検:地質学巡検III・3単位の8割.長期巡検とその準備には,1ヶ月弱の時間を取られる.まず,巡検地域の文献調査をしてガイドブックを作り(以上,2〜3週間),10日間の巡検に出かける.平成13年度は,9月下旬に北海道および北上山地へ行く予定である.巡検参加に先立って,地質学の基礎と列島地質の概要はマスターしていて欲しい.
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3 月(2年生)
- 1日頃:プレ卒指導教官正式決定.
- 5日頃:学生・院生部屋(404 号室)および薄片製作室の大掃除,机・モロブタ等の割り当て,プレ卒・演習の課題決定.1年間の研究生活(1日1発見)が始まる.
- 中〜下旬:この時期に,演習を1日1ページ位読んでおくと,後が楽.
- 春休み:卒業式(例年25日頃)後は,新学期が始まるまで自由時間.フィールドに雪がない場合は,予察調査に出ることを強くお奨めする.
4 月(ここから3年生)
- 15日頃:授業および談話会開始.3年生も談話会に出席する.この時期は,演習とプレ卒の文献予察(次項)に専念すること.講義およびその準備にかなりの時間を取られるだろうが,これは諦めてうまく泳ぎ切るしかない.
- プレ卒の文献予察:自分の調査地域およびその周辺に関する過去の研究論文を入念に読む.第一に,パソコンかワープロで文献リストを作ってしまうと後で助かる.次に,自分なりの地質図(編集図:compile
map)を作る.編集図は自分の調査地域(最低 4 km×4 km)だけでなく,その周辺地域も広く描くよう心がける.5万分の1または10万分の1位の地図のコピー(20万分の1地勢図を
200 % に拡大するとよい)を多数準備し,自分なりに読図可能な編集図になるよう試行錯誤すること.編集図を描きながら,調査の作戦を練る.なぜ自分がその地域を調査する必要があるのか?問題点を考えながら,地層・岩石の分布と地質構造の概要を把握しよう.
- GW調査:ゴールデンウィークには,なるべく調査にでかける.まず安い宿泊場所と大縮尺の地形図(1:10,000〜1:5,000)を確保した上で,10日間ほどの予察調査(次項)を行う.宿泊場所は市町村の教育委員会で紹介してもらえることが多い.また,地形図は市町村役場や営林署で調達できることが多い.礼儀正しく,丁寧にお願いしよう.
- 予察調査:調査地域の大局的な地質構造に直交するメインルートを選び(目安:2
km 間隔で3本),層序や地質構造の大局を把握するつもりで歩く.また,代表的な岩石試料を採取する.毎晩宿ではその日の調査結果を整理・復習し,ルートごとの柱状図と断面図を作り,なるべく早い内に概略的な地質図を描けるよう努める.この地質概略図・断面図・柱状図は,調査終了と同時に必ずできていなければならないし,GW調査後のプレ卒予察報告でも必ず見せなければならない.
5 月
- GW後〜中旬:プレ卒予察報告が課せられる.授業があり,高山巡検まで重なることがあるので,早め早めに準備を済ませること.
- プレ卒予察報告:文献予察結果を簡潔に述べ,浮上した問題点を鋭く指摘し,予察調査の結果を明瞭に述べ,今後の調査の展開を予測する(1人30分程度).これまでに描いた地質編集図・地質概略図・断面図・柱状図は必ず見せること.予察調査で見た事実・自分の意見・人の意見をはっきり区別して発表しないと,轟沈させられることになる.
- 下旬:まじめに授業を受けましょう.
6 月 〜 7 月
- この時期も,まじめに授業を受ける.時間と適当な試料があったら,珪質岩のフッ酸処理をして,放散虫化石を抽出する練習をするのも手である(GW明け頃に,先輩に講習会を開いてもらおう).また,プレ卒のインデックス・マップや主要なルートの柱状図・断面図をコンピューターで画いておくといい練習になる.かつては,夏休み前の談話会で,インデックス・マップの品評会をやったこともあった.
夏 休 み
- まず夏の本調査の綿密な計画を立てる.それまでに得たデータを整理し,文献調査を補強する.また地質編集図も,自分のデータを入れたものに修正する.
- 地質図を効率よく描けるような調査計画が立ったら,いよいよ本調査に飛び出そう.調査日数の目標は3週間.地質図は,必ず現地で描く! まず,メインルートから歩き始め,主要な沢と尾根を歩く.最後に精査が必要な地域の枝沢や枝尾根を歩く.毎日毎日,その日のデータを加えて地質図を修正し,翌日の調査計画を立て直そう.10月上旬に調査が終わり,同時に地質図が完成していること.
- 年によっては夏休みの後半に長期巡検があるので,春の内から日程確認のこと.
- 夏休み中,大藤が1〜2日フィールドで調査指導する予定.
1 0 月 中 旬 〜 1 1 月 中 旬
- 3年生は授業に追われる前に,進論程度には調査結果を整理しておく.検鏡結果等の章は空白にして,プレ卒のアウトラインを書けるところから書いてしまう.これも,2割8割の要領である.必要なら,大藤が添削する.後に延ばすと,記憶が薄れてしまう.
1 1 月 中 旬 〜 1 2 月 中 旬
- まじめに授業を受ける時期である.岩石学実験で薄片製作法を習ったら,自分のフィールドの主要な試料の薄片を作り,鏡下で記載する.これで,進論を越える内容のプレ卒になる.さらに時間に余裕があったら,放散虫化石の抽出・鑑定を試みてもよい(10〜20試料).12月になると,プレ卒も演習も尻に火が点いてくる.どちらもうまくゴールインできるように,時間を計画的かつ有効に使おう.
ク リ ス マ ス 〜 冬 休 み
- クリスマス・パーティーのスライド・ショーでは,人をアッと言わせるようなスライドを見せられるように.日頃から,虎視眈々と準備しておく.
1 月 〜 2 月
泣いても笑っても,プレ卒と演習を仕上げなければならない.重複するが締切は以下の通りである.自分の仕事が終わったら,ヒィヒィ言っている先輩たちを手伝うこと.
- 2月中旬(卒論締切日:例年2月14日頃) プレ卒・演習締切(大藤へ提出)
- 卒論締切3日後位 卒論発表会予行演習
- 卒論締切1週間後位 卒論発表会
- 2月末日頃 修論最終審査
3 月 (前年と同じ)
- 1日頃:卒論指導教官正式決定.大藤研以外で卒業研究をしても一向に構わない.
- 5日頃:地殻進化学講座で卒業研究を希望するなら,大掃除等がある.
- 中〜下旬:長期巡検とその準備(年によって違う).なるべく参加して,手伝うこと.
- 春休み:大藤研にいるなら,予察調査に出ることを強くお奨めする.
4 月 (いよいよ4年生)
- 中〜下旬:授業および談話会開始.4月中にプレ卒最終報告がある.
- プレ卒最終報告:プレ卒の内容を30分程度で紹介できるように準備する.発表の要領は,進論発表会やプレ卒予察報告に準ずる.
- GW調査:大藤研にいるなら,野外調査に出る.大藤の調査指導もある予定.
5 月 G W 後 〜 下 旬 :演習報告が課せられる.
- 演習報告:演習から好きな1章を選んで,談話会で紹介すること.
4年生の主要な課題(行事)と年間研究プラン(例)
重 要 課 題
卒 論:卒業論文12単位のこと.しっかりした露頭観察と地質図作成+αのデータを出した上で,自分が見た重要露頭や自分の調査地域が,日本列島の地質あるいは地史の上でどの様な位置を占めるのか十分議論できるようになることが目標.決められた地域を一人(ないし二人:検討中)で調査し,論文を提出する.プラスαのデータについては後述するが,データを出す基礎となる講義や実験を,3年次までに履修していることが望まれる.卒論提出締切2月中旬.
予察報告:5月中旬〜6月上旬頃を予定.詳しくは,この辺を参照のこと.
中間報告:10月中旬〜11月上旬頃を予定.詳しくは,この辺を参照のこと.
最終報告:1月中〜下旬頃を予定.詳しくは,この辺を参照のこと.
演 習:地質学演習2単位のこと.英文 100
ページを理解しやすい日本語に訳し,レポートとして提出する.3年次に演習を済ませた学生は免除.4年次での演習の課題は,やや専門的な教科書または卒論調査地域に関する主要論文になる可能性が大きい.演習提出締切6月末日.
演習報告:6月中〜下旬頃を予定.詳しくは,この辺を参照のこと.
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*卒論のプラスαの例
例年,下記のようなデータを,卒論のプラスαのデータと認めている.下記以外の内容でも相談に応じる.どれも楽ではない.
- 微化石抽出・時代決定:チャート,珪質泥岩などの珪質細粒堆積岩が多く分布する地域では,それらの岩石の表面を希フッ酸(3〜5%)で溶かし,放散虫やコノドントなどの微化石を抽出する.抽出した化石の電子像を
EPMA で撮影し,自分なりの鑑定をし,専門家に正式な鑑定を依頼する.ここまでを12月中に済ませる.保存良好な化石を多産する試料や,時代決定にもう一歩の試料については,年明け早々に複数回処理して,再度鑑定を依頼することもある.細粒岩
100 試料の処理がノルマ.化石を含まない試料があってもしかたないが,なるべくルーペで化石が見える試料を厳選して処理すること.層序学実験を履修していることが望ましい.
- 大型化石:大型化石を多産する地域では,化石をクリーニングして写真撮影し,自分なりの鑑定を経て,専門家に正式な鑑定を依頼する.ここまでを12月中に済ませる.大型化石を発見するのは困難なことが多いので,取りあえず
20 個体の処理をノルマとする.層序学実験を履修していることが望ましい.
- 岩石・鉱物の機器分析:氏家先生を催促して,前期に4年生向けの講義を開講してもらい,履修する.10月末までに,氏家先生や氏家先生の学生(岩石軍団)に相談して,分析の手順を決める.自分の調査地域の新鮮な火成岩試料を
XRF で分析したり,火成岩中の鉱物を EPMA で分析したりして,その火成岩の形成場に関する情報を得る.実際に分析が終了するのは,早くて年末.10
試料の分析がノルマ.
- 古地磁気:調査地域の堆積岩試料を定方位採取し,堆積時の古緯度および堆積後の回転角を求める.これは地球圏物理学講座の機器を使わせてもらうので,広岡先生や酒井先生とよく相談して,必要な講義・実習・ガイダンスを必ず受け,機器の使用許可を受けた上で作業にはいること.地球圏物理学講座の学生の作業を邪魔しないように,10月中に8割の作業が済んでいることが理想.5
地点で議論に値するデータを出すことがノルマ.
- 変形解析:変形構造をしっかり記載することは,後述のようにプラスα以前の問題だが,次の様な労力のかかる作業については,大藤が有益と認めた場合プラスαと認定する.(1)
調査地域の 200 地点で歪解析を行い,歪分布図を描いた.(2) 調査地域の 200 地点で剪断センスを決定し,流動パターンを解明した.(3)
一つの露頭または試料で,200 地点以上のデータから歪分布図を描き,歪集中の原因を考察した........
200 がマジック・ナンバーである.
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3 月 (3年生)
- 1日頃:卒論指導教官正式決定.
- 5日頃:学生・院生部屋(404 号室)および薄片製作室の大掃除,机・モロブタ等の割り当て,卒論・演習の課題決定.1年間の研究生活(1日1発見)が始まる.
- 中〜下旬:この時期に長期巡検がある年もある.その場合,以下の研究計画を適宜修正する.この時期に,演習を1日2ページ位読んでおくと,後が楽.
- 春休み:卒業式(例年25日頃)後は,新学期が開始まで自由時間.演習を進める(1日1ページ)か,フィールドに雪がない場合は,予察調査に出ることを強くお奨めする.
4 月 (ここから4年生)
- 15日頃:授業および談話会開始.4年生も当然談話会には出席する.この時期は,演習と卒論の文献予察に専念すること.
- 卒論の文献予察:3年生の「プレ卒の文献予察」に準ずる.
- GW調査:ゴールデンウィークには調査にでかける.まず安い宿泊場所と大縮尺の地形図(1:10,000〜1:5,000)を確保した上で,10日間ほどの予察調査を行う.宿泊場所は市町村の教育委員会で紹介してもらえることが多い.また,地形図は市町村役場や営林署で調達できることが多い.礼儀正しく,丁寧にお願いしよう.安く調査を済ませるために,車中泊という手もあるが,あまり長期間続けると毎日のデータ整理がおろそかになるし,疲れがたまる.GW中,大藤は各4年生のフィールドを1〜2日ずつ訪れる予定.GW調査の10日間が,演習にとって大きなダメージにならないように要注意.
- 予察調査:3年生の「予察調査」に準ずる.毎日データを整理し,地質図・断面図・柱状図を必ず描くこと.特に地質図は現地で描くという原則を忘れずに.
5 月
- GW後〜下旬:卒論予察報告が課せられる.演習の締切が迫り,授業が重なる人もあるので,早め早めに準備を済ませること.
- 卒論予察報告:3年生の「プレ卒予察報告」に準ずる.事実・自分の意見・人の意見をはっきり区別して発表しないと,轟沈必至である.
6 月
- 上〜中旬:演習あるのみ.1日も早く訳し終わってしまう.最後の印刷・図表の添付・製本等の雑務で意外と時間を取られるし,下旬には演習報告が待っている.
- 下旬:談話会で演習報告をしなくてはならない.
- 演習報告:読んだ教科書の1章または読んだ論文の内1編を選んで,その内容を分かりやすく紹介する.論文の紹介の場合は,問題点を摘出して批判的に紹介すべし.
7 月
- 梅雨明けまで:今までのデータを整理し,文献調査を補強する.また,予備調査で肉眼鑑定が難しかった岩石の薄片を作って,顕微鏡でしっかり記載すること.次に同じ石が出てきても,肉眼鑑定できるようにしておこう.薄片鑑定の結果判明した地質図の誤りを修正し,地質編集図も自分の地質図データを反映したものに修正する.そういう作業をしつつ,地質図を効率よく描けるような調査計画を綿密に立てる.更に余裕があったら,卒論のインデックス・マップや主要なルートの柱状図・断面図をコンピューターで画いておくといい練習になる.かつては,夏休み前の談話会で,インデックス・マップの品評会をやったこともあった.
夏 休 み
- いよいよ本調査に飛び出そう.調査日数の目標は60日.
- ただし,9月上旬には博士前期課程の院試があるので,受験する学生は8月中旬には一旦富山に戻って受験に備える.
- 8月中旬までには,メインルートから歩き始め,主要な沢筋・尾根筋の踏査が終わっていることが望ましい.院試の面接で,突っ込んだ質問をされてもある程度耐えることができよう.院試を受験しない学生も,9月上旬に一旦富山に戻って,調査経過を報告し,問題点を絞っておくように.
- 夏休みの後半は,精査が必要な地域の枝沢や枝尾根を歩く.地質図は,必ず現地で完成させること…(
‥)/ 毎日毎日,その日のデータを加えて地質図を修正し,翌日の調査計画を立て直そう.10月上旬には調査も終わり,地質図が完成しているように(尾根調査の一部は,11月でも可).
- また,夏休みの後半に長期巡検が行われることがある(年によって違う).4年生もなるべく準備段階から参加して,TAとして活躍すること.後で慌てないように,春の内から日程を確認しておく.
- 夏休み中,大藤は各自のフィールドで1〜2日ずつ調査指導する予定.連絡先を明確にしておくこと.
1 0 月 中 旬 〜 1 1 月 中 旬
- 夏の調査が終わったら,重要な試料を厳選して,中間報告前に薄片を作り検鏡する.談話会の卒論中間報告(後述)で,地質調査の問題点を指摘されたら,それを補うべく短期間の補足調査を行う.中間報告後は,プラスαの作業に取りかかる(古地磁気をプラスαにする学生は,うまく日程を調整する).また,卒論のフィールド記載の部分は,この時期に書き始める.
- 卒論中間報告:それまでの調査結果,検鏡結果を洗いざらい話し,今後どの様な目的でどの様なデータを出していくのかを分かりやすく論ずる.調査データを整理し,分かりやすい図表にまとめ,30分程度で分かりやすく話せるように準備する.
1 1 月 中 旬 〜 1 2 月 下 旬
- 薄片を本格的に作成し,プラスαのデータを出す期間.
- データを出すには,機器の使用法の講習会を受けたり,予約を取ったり,予想以上に時間がかかる.各自で予定を綿密に立てて,遅れをとらないようにしよう.データを出す際の空き時間も,有効に使うこと.
- そろそろ卒業論文の構想を決め,書ける部分を書き貯めておくと後が楽である.少なくとも,どんな図表を使って何を記載・議論するかを,この頃から考えておくこと.
- 年末までに卒論の細かい章立て,図表のリスト,および書けた部分を大藤に提出してもらえれば,丁寧に読んで意見を述べるつもり.新年になっても読みますが,丁寧には読めない.記載と議論を先に書いて,イントロは後でよい.英文要旨は........と.
ク リ ス マ ス 〜 冬 休 み
- クリスマス・パーティーのスライド・ショーでは,人をアッと言わせるようなスライドを見せられるように.日頃から,虎視眈々と準備しておく.
- 12月28日〜1月3日は,原則として入構できない.この期間くらいは,休めるといいね.
1 月 〜 2 月
泣いても笑っても,卒業論文を書き終わらなければならない.お互い助け合って,がんばって下さい.以下に,主な行事を列挙します.下記以外に,1月中旬にセンター試験があって,2日間構内に入れなくなります.要注意.また2月の第1週には,博士前期課程の院試(2次募集)がある場合があります.その気のある方は受験して下さい.大変,忙しい時期ですけど........
- 1月中旬 → 卒論最終報告:談話会で,データと考察を洗いざらい話す.
- 2月上旬 → 博士前期課程の院試(2次募集)
- 2月中旬 → 卒論締切,卒論発表会要旨提出(どちらも学科長へ)
- 卒論締切3日後位 → 卒論発表会予行演習(12分)
- 卒論締切1週間後位 → 卒論発表会(日程を早めに確認すること)
3 月 (前年と同じ)
- 5日頃:大掃除.進学しない学生は,可哀想だがゼミ室等へ避難すること.
- 中〜下旬:長期巡検とその準備(年によって違う).進学する学生は,なるべく参加して,手伝うこと.卒業していなくなってしまう学生は,卒業論文を学術誌に投稿できるように論文を推敲し,図表の体裁を整えること.細かい点は,大藤に相談して下さい.
M1の主要な課題(行事)と年間研究プラン(例)
重 要 課 題
修 論:地球科学特別研究14単位のこと.しっかりした露頭観察と地質図作成+2αのデータを出した上で,日本列島の地質あるいは地史の上での何らかの新知見を出せるようになることが目標.地質図も,岩質分布だけではなく,変形の強さや様式の分布まで図示して欲しい(変形構造は,唯一目に見えるプレート運動の実体!).ただし,「華のM1」にはそれ程重い任務があるわけではない.自分のフィールドだけでなく関連する地域を広く調査・見学しておくとよいであろう.修士研究中間報告2月中旬.
予察報告:5月中旬〜6月上旬頃を予定.この辺を参照のこと.
研究報告:10月中旬〜11月上旬頃を予定.この辺を参照のこと.
修士研究中間報告:2月上旬頃を予定.この辺を参照のこと.
演 習:ゼミナール4単位のこと.英文
200 ページを約 100 ページの理解しやすい日本語にまとめ,レポートとして提出する.修士演習の課題は,修論テーマに関連した海外の主要論文になる可能性が大きい.演習提出締切2月中旬(卒論締切日).
演習報告:M2の4月中〜下旬頃を予定.詳しくは,この辺を参照のこと.
必修講義:地球科学特論2単位のこと.地球科学科の全教官が,年毎に決まったテーマに関する話題を1コマずつ提供する形式の講義.院生の方から早めに要請しないと,毎週1コマの時間割を組まれてしまい,フィールド研究中心の院生はフィールドに行きづらくなり不利になる.M1前期.
必修実験:地球科学特別実験2単位のこと.修論指導教官以外の教官について行う実験.45時間の実験と,発表会での20分間の発表がノルマ.自分の修論テーマに特に関連した実験テーマを選ぶとよい.大したことないようだが,実際やってみるとかなりの重労働らしい.必修実験発表会7月中〜下旬.
発表会:7月中〜下旬頃を予定.詳しくは,この辺を参照のこと.
その他の講義・集中講義:毎年,講義2科目4単位,集中講義2科目2単位くらいの講義を受け,その準備に追われることになる.修士研究との時間のバランスに気をつけて,しかも必要単位数を欠かさぬように,講義を履修しよう.
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*修論のプラスα:原則として卒論のプラスαの2倍の作業をもって,修論のプラスαとする(例:微化石抽出なら
200 試料).修論はプラス2αが原則なので,2年間で卒論の4α分の作業が必要となる.まあ,当然といえば当然か........?
3 月 (4年生)
- 5日頃:学生・院生部屋(404・405 号室)および薄片製作室の大掃除,机・モロブタ等の割り当て,修論・演習の課題決定.1年間の研究生活(1日1発見)が始まる.
- 中〜下旬:この時期に長期巡検がある年もある.その場合,以下の研究計画を適宜修正する.この時期に,演習を1日2ページ位読んでおくと,後が楽.
- 春休み:卒業式(例年25日頃)後は,新学期が始まるまで自由時間.フィールドに雪がない場合は,野外調査に出ることを強くお奨めする.
4 月 〜 7 月 (ここからM1)
- 野外調査:「華のM1」なので,何をやっても自由だが,取りあえず何を目的にどこへ行くかを大藤に伝えて行くこと.春休みとGWで,1ヶ月くらい野外調査をし,見聞を広げられればいいだろう.面白いことを見つけたら,飛び入りで談話会発表すること.
- 談話会:この期間に,論文紹介1〜2回と修論構想・予察報告(発表の仕方については,もう改めて説明しない)で談話会に登場する.他の講義・実験や,修士研究との時間のバランスに気をつけよう.
- 講 義:必修講義がある;フィールド調査の妨げにならぬよう,日程を調整してもらうこと.また,必修講義・実験のためにGW以外はどうせ富山を離れられないと思ったら,この時期に講義や集中講義を多数履修しておくのも手である.ただし必修以外は,こちらから話を持ちかけないと,いつまで経っても講義を始めてくれない先生もいる.長期計画を立てて,効率よく勉強し研究を進めよう.
- 必修実験:4月中にテーマを決め,GW後には実験に取りかかれるようにしよう.担当教官を決めたら,なるべく早く実験が終わるように先生を催促し,自分も勤勉に働く.ここでも2割8割の原則を守ろう.担当教官の講座の学生・院生に迷惑をかけないよう注意すること.必修実験発表会7月中〜下旬.
- その他:後の時間は何をやっても構わないが,学問的研鑽を第一とする.そうしないと,優秀な後輩に脅かされることとなる.次に,薄片製作やフッ酸処理の講習会を開いたり,後輩の相談に乗ったり,後輩と巡検を企画したり,講座の活性化に助力して欲しい.
夏 休 み
- どういう点に注目して野外調査を行うのか?自分の研究を進めていくのか?を常に考え,できたら大藤と相談して欲しい.
- 問題点を十分に絞り込めたら,野外調査に飛び出そう.調査日数の目標は60日.
- ただし,9月上旬頃に一旦富山に戻って,調査経過を報告し,問題点を更に絞り込めればベターと思う.
- 夏休み中,大藤は各自のフィールドで1〜2日ずつ調査指導する予定.連絡先を明確にしておくこと.
- また,夏休みの後半に長期巡検が行われることがある(年によって違う).M1もなるべく準備段階から参加して,TAとして活躍すること.後で慌てないように,春の内から日程を確認しておく.
1 0 月 中 旬 〜 1 2 月
- 研 究:各自のスタイルによって,やることが変わってきます.調査に出てもよし,プラスαに専念してもよし.ご自由に.あっ,演習があった!
- 談話会:10月中旬〜11月上旬に研究報告をしましょう.今まで得られたデータを簡潔に述べて,今後の研究方針を明確に述べること(45分).他に,論文紹介1回は覚悟してね.クリスマス会でのスライド準備もお忘れなく.
1 月 〜 2 月
修士研究の中間報告があります.11月の談話会発表を参考に,15分の話をまとめ上げましょう.演習締切も,2月中旬!
- 1月下旬〜2月上旬 → 談話会で,修士研究発表会予行演習
- 2月上旬 → 修士研究発表会要旨提出(修論締切日頃,学科長へ)
- 2月中旬 → 修士演習提出(卒論締切日,大藤へ)
- 修論締切1週間後位 → 修士研究発表会(発表15分;日程を早めに確認すること)
M2の主要な課題(行事)と年間研究プラン(例)
重 要 課 題
修 論:地球科学特別研究14単位のこと.しっかりした露頭観察と地質図作成+2αのデータを出した上で,日本列島の地質あるいは地史の上での何らかの新知見を出せるようになることが目標.地質図も,岩質分布だけではなく,変形の強さや様式の分布まで図示して欲しい(変形構造は,唯一目に見えるプレート運動の実体!).修士論文提出締切2月上旬.
修論構想:7月中旬頃を予定.この辺を参照のこと.
研究報告:11月中旬頃を予定.この辺を参照のこと.
修士研究最終報告:2月上旬頃を予定.この辺を参照のこと.
その他の講義・集中講義:毎年,講義2科目4単位,集中講義2科目2単位くらいの講義を受け,その準備に追われることになる.修士研究との時間のバランスに気をつけて,しかも必要単位数を欠かさぬように,講義を履修しよう.
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*修論のプラスα:原則として卒論のプラスαの2倍の作業をもって,修論のプラスαとする(例:微化石抽出なら
200 試料).修論はプラス2αが原則なので,2年間で卒論の4α分の作業が必要となる.まあ,当然といえば当然か........?
3 月 (M1)
- 5日頃:学生・院生部屋(404 号室)および薄片製作室の大掃除,机・モロブタ等の割り当て.1年間の研究生活(1日1発見)が始まる.
- 中〜下旬:この時期に長期巡検がある年もある.その場合,以下の研究計画を適宜修正する.
- 春休み:卒業式(例年25日頃)後は,新学期が始まるまで自由時間.フィールドに雪がない場合は,野外調査に出ることを強くお奨めする.
4 月 〜 7 月 (ここからM2)
- 野外調査:何をやっても自由だが,取りあえず何を目的にどこへ行くかを大藤に伝えて行くこと.春休みとGWで,1ヶ月くらい野外調査をし,見聞を広げられればいいだろう.ただし,年度末には修論を提出しなければならないので,あまり興味を発散させないように! 面白いことを見つけたら,飛び入りで談話会発表すること.
- 講 義:講義や集中講義の履修は計画的に,効率よく!
- 談話会:この期間に,論文紹介1回,修士演習報告,および夏休み前に修論構想をお願いすることになる.他の講義や,修士研究との時間のバランスに気をつけよう.修士演習報告4月中旬? 夏休み直前に修論構想.
- その他:後の時間は何をやっても構わないが,学問的研鑽を第一とする.そうしないと,優秀な後輩に脅かされることとなる.次に,薄片製作やフッ酸処理の講習会を開いたり,後輩の相談に乗ったり,後輩と巡検を企画したり,講座の活性化に助力して欲しい.修士研究の野外調査,プラス2αの弱点を吟味し,早めに手当するよう努めよう.
夏 休 み
- どういう点に注目して野外調査を行うのか?自分の研究を進めていくのか?を常に考え,できたら大藤と相談して欲しい.
- 問題点を十分に絞り込めたら,野外調査に飛び出そう.調査日数の目標は60日.
- ただし,9月上旬頃に一旦富山に戻って,調査経過を報告し,問題点を更に絞り込めればベターと思う.
- 博士後期課程の院試を受験する人は,8月下旬から富山に戻って,準備(英語・研究発表?)する必要がある.
- 夏休み中,大藤は各自のフィールドで1〜2日ずつ調査指導する予定.連絡先を明確にしておくこと.
- また,夏休みの後半に長期巡検が行われることがある(年によって違う).M2もなるべく準備段階から参加して,TAとして活躍すること.後で慌てないように,春の内から日程を確認しておく.
1 0 月 中 旬 〜 1 2 月
- 研 究:そろそろ,修論の見出しを作って,書ける部分はどんどん書き進みましょう.並行して,プラス2αもゴールインするつもりで.もう前進あるのみ.
- 談話会:夏の調査結果を研究報告として一度発表する.今まで得られたデータを簡潔に述べて,どの様にフィニッシュに向かうかを明確に述べること(45分).他に,論文紹介1回は覚悟してね.クリスマス会でのスライド準備もお忘れなく.
1 月 〜 2 月
泣いても笑っても,これが最後.修論を書き上げ,修論発表会・修論審査会に挑もう.2月上旬の博士後期課程の2次募集に応募する人は,更に忙しくなるが頑張って下さい.
- 2月上旬 → 博士後期課程の院試(2次募集)
- 2月上旬 → 修論締切(学務へ),修論発表会要旨提出(学科長へ)
- 修論締切3日後位 → 談話会で,修論発表会予行演習
- 修論締切1週間後位 → 修論発表会(発表20分;日程を早めに確認すること)
- 2月下旬 → 談話会で,修論審査会予行演習
- 2月末日頃 → 修論審査会(外部審査員を招いて,無制限一本勝負)
3 月 (例年と同じ)
- 5日頃:大掃除.進学しない院生は,可哀想だがゼミ室等へ避難すること.
- 中〜下旬:長期巡検とその準備(年によって違う).進学する院生は,なるべく参加して,手伝うこと.卒業していなくなってしまう院生は,修士論文を学術誌に投稿できるように論文を推敲し,図表の体裁を整えること.細かい点は,大藤に相談して下さい.
以 上 大 藤 でした
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連絡先:shige@sci.toyama-u.ac.jp
更新日:2000 年 11 月 24 日