第7回富山応用数学セミナー
講演情報
第7回富山応用数学セミナー
多谷構造・時定数制御・特異点
概要
自由エネルギーで記述される自然現象は多い.磁性流体,ポリマー,さらには中性子星における nuclear pasta などその範囲は極めて広い. それらはしばしばLandau-Brazovskii(LB) model, Swift-Hohenberg(SH) modelなどのように多項式型のポテンシャル表現をもつものが多い. それらのポテンシャルは一般に非常に多くのlocal minimizerとsaddleが共存する多谷構造を呈する. そのような状況で,ある特定の解(それは一般には global minimizer ではない)に軌道を制御することは至難の技である. タンパク質が所望の折りたたみ構造にすばやく収束できるのは,ポテンシャルが大域的なファネル構造を有するからであり,それにより途中の local minimizerにトラップされる確率が大幅に軽減される.それではそのような大域的構造を有しない, あるいは全体像が未解明の場合,どのような制御法がありうるだろうか? 空間的に局在するポリマー微粒子を題材にこの問題を考えたい. 時間微分の前の時定数パラメータが一つの鍵となる. また温度など,あるパラメータが変化するとき,実現されるminimizerは遷移することが多い. その際トポロジカルな特異点を経由するが,その数学的特徴付けの可能性についても議論したい. 本講演は渡辺毅(長野大),香川渓一郎(城西大)との共同研究に基づく.