A1103)リン酸イットリウム共沈法

リン酸ガリウムは塩基性溶液中で再溶解してしまうこと,リン酸ランタンは沈殿が若干細かいことが問題でした。これらの問題を克服する金属リン酸塩を探索したところ,リン酸イットリウムが優れていることを見出しました。

 

47種のイオンについてその共沈挙動を調べたところ,鉄(III),鉛(II),インジウム(III),ビスマス(III)などに優れた捕集能力を有する一方,その他のイオンはpH3付近ではほとんど捕集されず,捕集選択性が高い共沈剤であることが明らかとなりました。

Fig.1 リン酸イットリウムによる微量元素の共沈回収率に及ぼすpHの影響

【関連研究】

B1301> 重金属塩中不純物の鉛,鉄,ビスマスの選択的分離・定量法

 

【関連論文】
◇ Shigehiro Kagaya, Yasuko Araki, Noriyasu Hirai, Kiyoshi Hasegawa, Talanta, 67(1), 90-97 (2005).
◇ Shigehiro Kagaya, Yasuko Araki, and Kiyoshi Hasegawa, Chem. Lett., 2000(3), 208-209.