このセンサーアレイを皮膚直下に完全に埋め込み,間質組
織液中のグルコースや電解質濃度変化の情報を基板上の各センサーの可逆的な色変化の情報として対外におかれたカラーCCDカメラで読み取ることにより,非
侵襲的に上皮層を介して血糖値や電解質濃度を連続的にモニターすることが可能になるものと考えられます(図1)。
これまでに試作したセンサーアレイは幅0.5mm,長さ2mm,厚さ160mmの透明なプラスチック基板に極小型のオプ
ティカルカリウムイオン,pH,グルコースセンシングカプセル及び光学参照カプセルを組み込むことにより構成されています(図2)。
イオンセンシングカプセルは対応するイオン濃度に応じて色が変わるセンシングビーズを,グルコースセンシングカプセルはpHセンシングビーズとグルコース
酸化酵素(G0X)固定化ビーズを混ぜ合わせ,これをハイドロゲル薄膜で覆うことにより構築しました。グルコースはこの薄膜を透過しセンシングカプセル中
に入り,ここでGOXにより酸化されてグルコン酸を生じます。これによりカプセル内のpHが変化し,センシングカプセルの色変化をもたらします。
図3にシャーレ中に置かれ
たセンサーアレイのグルコースに対する応答を示しています。グルコースセンサーの色はグルコース濃度の増加に伴ってオレンジ色から青色ヘと変化し(図
3a-f),グルコースを含まない溶液でセンサーを洗うともとのオレンジ色に可逆的に戻ります(図3g)。
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