研究内容

Alのアップグレードリサイクル

Alの生産量は将来にわたり増加することが予想されています。これに伴いAlスクラップ発生量も増加し、2030年までには鋳造材の生産量を上回ると推定されています。現在Alスクラップは缶を除いて主に鋳造材に用いられているため、大量のAlスクラップが余剰発生することが懸念されます。よって展伸材へのスクラップの利用拡大が求められます。Alをリサイクルした場合には天然資源ルートの製錬工程と比較して消費エネルギーは約3%で済み、CO2排出量は10%以下まで低減できるため、カーボンニュートラルの達成のためにもAlのリサイクルは必須です。展伸材は不純物の許容濃度が低く、微量の合金元素の制御が求められるため、不純物を多く含むスクラップを利用することは現状では困難です。

【文献】 マテリアル革新力強化のための政府戦略に向けて (戦略準備会合取りまとめ) https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200602002/20200602002-1.pdf.

そこで、Alスクラップからの不純物混入を前提とした先進アルミニウム製品製造プロセスの確立によるアップグレードリサイクルの実現を目指し、Alスクラップ中に含まれる不純物の把握、新たな不純物除去原理の確立、スクラップ由来の不純物の無害化・有効利用等の研究に取り組んでいます。

主な研究内容

アルミニウムのアップグレードリサイクル
  • Alスクラップ中不純物元素の混入量の予測・調査

  • Al中不純物元素の除去手法の開発

    溶融Al中不純物を除去あるいは化合物として分離する手法の確立を目指し、種々の熱力学量の測定を行っています。
    ・ガス化除去 ・酸化・還元除去 ・晶出分離
  • Al中不純物の無害化・有効利用

    凝固過程において、Al中の除去困難な不純物を化合物として晶出させ、ナノオーダーで微細分散させることで固定・無害化する方法の確立を目指して研究を行っています。

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