そのために,まず 1変数関数の定積分 について,その定義をしっかりと復習してもらいたい。
区間 \(\displaystyle [a,b] \) 上で定義された1変数関数 \(\displaystyle y = f(x) \) について,
というのが 積分のココロ であった。これと同様な考え方で,2変数関数の積分も定義していく。
まず,領域 \( \Omega \) を細かい小領域 \( \Omega_1,\, \Omega_2,\, \Omega_3,\ldots \) に分割する。各小領域 \(\Omega_k\) に任意に点 \( P_k (\xi_k,\eta_k) \) をとり,そこでの \(\displaystyle f \) の値 \( f(\xi_k,\eta_k) \) を考える。
さらに, \( f(\xi_k,\eta_k) \) に \(\Omega_k\) の面積 \( \left| \Omega_k \right|\) を掛け合わせたもの \( f(\xi_k,\eta_k)\left| \Omega_k \right| \) を考える。 (この値は,\(\displaystyle f > 0 \) ならば,下図のピンク色の立体の体積を表す。)
この値 \( f(\xi_k,\eta_k)\left| \Omega_k \right| \) を総ての小領域について足し合わせた結果得られる値
の,分割を細かくしていったときの極限値を,\(\displaystyle f \) の \( \Omega \) 上での積分(あるいは,2重積分,あるいは,重積分)といい \(\displaystyle \int\!\!\int_{\Omega} f(x,y)\, dx dy \) と表す。即ち
(分割を細かくしていったときの極限)
である。
なお,この定義から明らかなように,
(\(\displaystyle xy \) 平面よりも上の部分の体積)\(\displaystyle - \) (\(\displaystyle xy \) 平面よりも下の部分の体積)を表す。