医学部・医学科 シラバス


目次


解析学(Analysis)

担当
南部 徳盛
 
開設時間
前期:火曜 13:00 - 14:30 および 木曜 16:20 - 17:50 (6 月 4 日まで)
 
キーワード
指数関数、対数関数、分数関数、無理関数、三角関数、逆三角関数、微分、ライプニッツの公式、不定形の極限値、2変数関数f(x,y)とその等高線、偏微分、合成関数の偏微分、テイラーの定理、関数の極値、有理型関数の積分、1階の微分方程式、2階線形微分方程式、定積分、広義の定積分、2重積分、体積、曲面積
 
一般学習目標(授業の位置付け)
1変数関数f(x)の微分と積分に関する基礎事項と高等学校では取り扱わなかった項目(逆三角関数とその微分、不定形の極限値、有理型関数の不定積分、広義積分等)を取り上げる。さらに、2変数関数f(x,y)を中心とする多変数関数の偏微分と重積分に関する基礎概念とその基礎的事項を考察する。
 
達成目標
三角関数、指数関数、対数関数、無理関数等の性質と逆三角関数の性質(定義域、値域、グラフの概形)、2変数関数f(x,y)の偏微分と重積分に関する基礎概念を理解する。特に、2変数関数の幾何学的考察を通して、偏微分、合成関数の偏微分、極値、2重積分の基本的概念を理解すると共にその計算法を身につける。
 
授業の形式
講義.
学生諸君の理解度に応じて講義を進めるで、下記の授業計画通りに講義が進まないことがある.
 
成績評価の方法
小テストと筆記試験
 
教科書/参考書
 
教科書
微分積分概論 南部徳盛著(近代科学社)
参考書
詳解微積分演習 福田・鈴木・安岡・黒崎著(共立出版)
微分・積分30講 志賀浩二著(朝倉書店)
 
メッセージ
 
  1. この講義では高校の「数学III」の内容を理解していることが望ましい。講義では高校の「数学III」の内容に該当する事項は結果説明にとどめるので、その箇所は各自必ず独習するように。
  2. 演習時間を設けないので、毎回、教科書の「問」、「演習問題」を解いておくこと。
  3. 不明な箇所は、オフイスアワー等を使用し、質問にくること。
 
授業計画
 

主題と位置付け

学習方法と内容

備考

1変数関数、逆三角関数

関数f(x)、逆関数、指数関数、対数関数、分数関数、無理関数、三角関数、逆三角関数について考える。関数の定義域、値域、グラフの概形等を考える。

教科書 第3章

1変数関数の極限と微分

1変数関数f(x)の極限と微分を考える。極限と微分の諸公式、微分の諸性質について考察する。

教科書 第4章、5章(p.53まで)

1変数関数の微分

n次の導関数, ライプニッツの公式、平均値の定理、不定形の極限値について考察する。

教科書 第5章

2変数関数とその微分

2変数関数f(x,y)とそのグラフと偏微分について考える。偏微分の意味とその幾何学的考察を行う。

教科書 第6章、第7章(p.75 まで)

合成関数の偏微分

変数変換とその幾何学的考察を行い、合成関数の偏微分について考える。

教科書 第7章(p.75以下)

テイラーの定理と関数の近似式

1変数関数f(x)、2変数関数f(x,y)を「多項式で近似する」ことと「べき級数展開」を考える。近似式の意味することを考える。

教科書 第8章

関数の極値

関数f(x),f(x,y)の極値について考える。極値の幾何学的考察と極値の判定法を考える。陰関数の極値について考える。

教科書 第9章

不定積分

不定積分とその諸公式を考える。また、高校で取り扱わなかった有理型関数の不定積分を考える。

教科書 第10章

定積分

定積分の意味と広義の定積分を考える。微分積分学の基本定理を理解し、定積分の計算法を練習する。

教科書 第11章

10

簡単な微分方程式

自然現象の数学モデルの微分方程式を導出し、変数分離型、同次型、1階線形微分方程式とその解法について考える。

教科書 第13章

11

2階線形微分方程式

2階線形微分方程式の解法について考える。

教科書 第13章

12

2重積分とその計算

2重積分の概念を理解し、重積分の幾何学的考察をう。累次積分による重積分の計算を考える。積分区域を正しく図示する。

教科書 第12章

13

2重積分の計算(変数変換)

変数変換による2重、3重積分の計算法を考察する。1変数の置換積分法が2重,3重積分の計算法ではどうなるかを考える。

教科書 第12章

14

2重積分の応用

2重積分の広義積分について考える。定積分-∞Exp(-x2)dxを求める。

教科書 第12章

15

2重積分

2重積分の応用を考える。体積の計算と曲面積の計算を行う。

教科書 第12章

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情報の科学:情報処理学(Information Processing)

担当
笹野 一洋
 
開設時間
前期:金曜 16:20 - 17:50
 
キーワード
情報リテラシー、Macintosh、統合型ソフトウエア、ワードプロセッシング、表計表、グラフィクス、プレゼンテーション、データベース、Internet、Web browsing、情報検索、e-mail
 
一般学習目標(授業の位置付け)
情報リテラシー(読み書きの能力)として、ワードプロセッサーをはじめとする種々の機能とインターネットを活用できるようになる。
 
達成目標
 
  1. Macintoshの基本操作ができるようになる。
  2. AppleWorksを用い、表計算・グラフィクス・グラフなどを駆使した文書をワードプロセッサーで作成することができるようになる。
  3. Microsoft PowerPoint を用いてプレゼンテーションができるようになる。
  4. Filemakerを用いてデータベースの構築と利用ができるようになる。
  5. インターネットの概要について説明できるようになる。
  6. Web pageを検索して情報を収集できるようになる。
  7. e-mailを使用して情報の交換を行えるようになる。
 
授業の形式
実習
 
成績評価の方法
毎回出席することが最低必要条件。その上で、ほぼ毎回提出して貰う課題と、プレゼンテーションの実演、および実習終了後に作成・提出して貰うレポートによって評価する。 
 
教科書/参考書
とくに指定しない。
プリントを配布するが、各人が解説を聞いて必要事項を書き込みすることで初めて完成するように、敢えて簡略化してある。プリントを貰っただけで安心しないこと!
 
メッセージ
解説を良く聴くことと、それを体験として体にたたき込むことが大切である。既にパソコンに触れたことのある者にとっては、最初のうちはつまらないかもしれないが、授業のスピードは極めて速く、また内容も系統的で濃いため、「気が付いたら落ちこぼれていた」ということのないように十分注意すること。
 
備考
学生諸君の到達度に応じて進度は変更されるので「授業計画」はあくまでも目安である。なお、毎回の授業を、「課題が出来た人から終了」という形態にすることもあるので、授業中の説明をしっかりと聞いて、「何をすればよいのかわからない」という状態にならないように注意すること。
 
授業計画
 

主題と位置付け(担当)

学習方法と内容

オリエンテーション
基本操作(1)

・オリエンテーション
・コンピューターの構造
・Macintoshの電源のオン・オフから始まる基本操作

基本操作(2)

・ウィンドウとファイルシステム
・オブジェクト指向
・プログラムの起動と終了・プログラムと文書の関係

基本的な編集

・文書の作成・保存・編集・印刷
・ファイルサーバーの利用方法
・日本語の入力など

インターネット(1)

・インターネットの概要の理解
・サーチエンジンを用いた情報の検索

インターネット(2)

・インターネットの問題点、危険性、マナー
・コンピューターウイルス、ワーム、トロイの木馬
・e-mail プログラムの設定と利用

6〜8

統合型ソフトウエア(1):
 ワードプロセッサー環境

・統合型ソフトウエアの意味
・異なる環境の混在方法
・AppleWorksのワードプロセッサーの基本機能
・AppleWorksのワードプロセッサーの応用機能
・文章の作成実習
・アウトライン形式とその利用
・より高度なワードプロセッサー(Microsoft Word)とその功罪

統合型ソフトウエア(2):
 表計算環境

・表計算とは?
・表計算環境の利用実習
・グラフの作成
・より高度な表計算ソフト(Microsoft Excel)とその功罪

10

統合型ソフトウエア(3):
 グラフィクス環境

・グラフィクスの種類とその使い分け
・ペイント形式とドロー形式の双方について、作成実習
・ワードプロセッサー、表計算、グラフィクスの全てを使用した文書の作成実習
・フォトレタッチ

11

プレゼンテーション(1)

・コンピューターを用いたプレゼンテーション
・Microsoft PowerPoint の紹介
・プレゼンテーション資料の作成実習

12

プレゼンテーション(2)

・前回作成した資料を用いた発表会

13

データベース(1)

・データベースのデータ構造:レコードとフィールド
・Filemaker の紹介
・データの作成
・データの検索とソート
・他のソフトウエアとのデータのやりとり(取り込みと書き出し)
・表計算とデータベースの使い分け

14

データベース(2)

・具体的なデータを用いた、データベースの構築

15

まとめと発展

・これまでの総括、および発展的話題

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数理科学(Mathematical Science)

担当
笹野 一洋
 
開設時間
1年生:後期:木曜 8:50 - 10:20
2年生:前期:木曜 10:30 - 12:00
 
キーワード
数理的・論理的な理解力・考察力
線形代数学、線形空間、線型写像、行列、行列式、固有値、対角化
 
一般学習目標(授業の位置付け)
「記憶力や単純な計算能力に比して、理解力・考察力が著しく劣る」という弱点を克服するために、「数理的・論理的な理解力・考察力」を養成する。また、多変量解析を学ぶ際に必要となる事項を理解する。
 
達成目標
数学的に最も洗練され、かつ、予備知識を必要としない最も初歩的な数学の分野である線型代数学を題材として、「物事を理解するとはどういうことなのか?考えるということはどういうことなのか?」ということを経験する。また、多変量解析を学ぶ際に必要となる固有値などについて理解を深める。
 
授業の形式
講義。
なお、理解度に応じて授業進度を調節するため、下記の計画の通りに授業が進展することは、ほぼあり得ないと思って貰いたい。
 
成績評価の方法
小テストまたはレポート、および学期末の筆記試験。なお、過去の試験問題を本学数学教室のホームページで公開しているので参考にすること。
 
教科書/参考書
 
教科書
伊吹山知義:線型代数学(近代科学社)
参考書
泉屋 他:行列と連立一次方程式(共立出版)
石川 他:線形写像と固有値(共立出版)
佐竹一郎:線形代数学(裳華房)
斉藤正彦:線形代数入門(東京大学出版会)
 
メッセージ
 
授業計画
 

主題と位置付け

学習方法と内容

集合と写像(1)

抽象的な思考の原点として、最も基礎的な概念である、集合とその間の写像について学習する。

集合と写像(2)

写像の単射性・全射性などについて学習する。

加減乗除を抽象化したものとして演算を定義し、群について学習する。

線型空間・部分空間

線型空間およびその部分空間を定義し、その基本的な性質について学習する。

線型写像

線型写像を定義し、その基本的な性質について学習する。

数ベクトル空間・行列

最も具体的な線型空間である数ベクトル空間について学習する。また、行列を定義し、その演算について学習する。

線型独立性・線型空間の基底・次元

ベクトルの線型独立性、線型空間の基底および次元について学習する。

線型写像と行列

線型写像と行列との対応について学習する。

線型写像の階数

線型写像の階数とその性質について学習する。

10

行列の基本変形と階数

行列の階数を基本変形を用いて計算する方法について学習する。

11

逆行列

逆行列の性質や、基本変形を用いた逆行列の求め方について学習する。

12

連立一次方程式の解法

連立一次方程式を基本変形を用いて解く方法について学習する。

13

行列式

行列式を公理的に定義し、その性質を学ぶ。また、3次の行列式を具体的に書き下してみる。

14

固有値・固有ベクトル

固有値と固有ベクトルを定義し、その意味を理解する。また、具体的な求め方を学習する。

15

行列の対角化

行列の対角化の意味と方法を学習する。

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自然現象のモデル化とその解析(Modeling and Analysis in Natural Science)

担当
南部 徳盛
笹野 一洋
宮下 哲 (物理学教室)
 
開設時間
後期:金曜 10:30 - 12:00
 
キーワード
線形常微分方程式,解の存在定理と一意性,偏微分方程式,Fourier解析,Fourier級数,Fourier変換,スペクトル,変分法,拡散方程式,波動方程式
 
一般学習目標(授業の位置付け)
身の回りの自然現象を理解するにはどうしたらよいだろうか?まず,現象を良く観察・測定することは勿論である.つぎに,得られた情報をもとに現象をモデル化する必要がある.ここで物理学的,化学的,生物学的洞察が必要になる.定量的に定式化されたモデルは数学による取り扱いが可能になる.数学的モデルによって現象の解析が可能になり,モデルが実際の系を良く記述できるかでモデルが評価できる.現象をうまく表すモデルを解析することで現象理解をより深めることができ,応用が開ける.この繰り返しにより自然科学が発展してきた.
この授業では微分方程式を縦糸として自然現象をどのようにしてモデル化するのか,またその解析方法について学ぶ.
 
達成目標
 
授業の形式
板書およびプロジェクターを使った講義形式で行う.
 
成績評価の方法
期末試験を予定しているが,詳しくは初回の講義で説明する.
 
教科書/参考書
下記の本を一応あげておくが,正式には初回の授業で指示する.

デヴィウッド・バージェス,モラグ・ボリー著 垣田高夫,大町比作栄訳 「微分方程式で数学モデルを作ろう」 日本評論社

 
メッセージ
数式を嫌悪する人を良く見かける.しかし,自然科学を志す以上,現象の定量的な関係を理解する能力は不可欠である.数式は言葉である.重要なのは数式が「何を意味しているのか」を理解することである.この授業を通じてこの能力を身につけてほしい.また,自然科学での数学の重要性も認識して欲しい.
手元にパーソナルコンピュータがあれば,数学モデルの解析が簡単でおもしろいものとなる.興味のある人は講師に相談して欲しい.時間があれば授業中に説明する.
 
備考
授業計画はあくまで計画であり,受講者の理解程度により変更する.
 
授業計画
 


(日時)

主題と位置付け(担当)

学習方法と内容


(10/11)

微分方程式で表される数学モデルについて(南部)

人口問題の数学モデルとしての微分方程式を導く.成長現象と減衰現象に対応する微分方程式を導き,その解からモデルの妥当性を調べる.


(10/18)

変数分離型微分方程式について(南部)

変数分離型を導くいくつかの数学モデルを取り上げる.刺激に対する反応,抑制された成長モデル等の微分方程式を導き,それを分析する.


(10/25)

1階線形微分方程式について(南部)

線形1階微分方程式を導くいくつかの数学モデルを取り上げる.美術品の贋作問題を微分方程式を用いて解決する.


(11/1)

2階の微分方程式について(南部)

線形2階微分方程式を導くいくつかの数学モデルを取り上げる.定数係数の線形2階微分方程式の解を求め,その解の性質を調べる.


(11/8)

微分方程式の解の存在定理と一意性について(南部)

1階の微分方程式の解の存在定理と解の一意性に関する定理を取り上げる.定理の証明の概要と定理の意味を説明する.


(11/15)

Fourier解析(Fourier級数)(笹野)

任意の滑らかな周期関数がFourier級数で表すことができること(Fourierの定理)を説明する.


(11/23)

Fourier解析(Fourier級数)(笹野)

Fourier級数の性質について説明する.


(11/29)

Fourier 解析(Fourier積分)(笹野)

三角関数の複素数表示を説明したあと,Fourier級数を周期のない関数に拡大する(Fourier変換).


(12/6)

Fourier解析(Fourier積分)(笹野)

Fourier変換の性質について説明する.

10
(12/13)

Fourier解析(Laplace変換)(笹野)

Laplace変換を定義し,この性質を説明する.Laplace変換を使うことで線形常微分方程式が形式的に解けることを説明する.

11
(12/20)

偏微分方程式(拡散方程式)(宮下)

熱伝導について考える.連続の方程式,Fickの法則を説明した後,偏微分方程式の1つである拡散方程式を導く.この形の方程式が物質の拡散も記述できることを説明する.

12
(1/10)

偏微分方程式(拡散方程式)(宮下)

簡単な系について拡散方程式を解く方法を説明する.その解により温度分布が時間とともにどのように変わっていくかを調べる.拡散定数の意味について考える.

13
(1/17)

偏微分方程式(波動方程式)(宮下)

弦の振動をモデルとし,質点の運動方程式から波動方程式を導く.波動方程式の解の性質を説明した後,初期条件と境界条件を使って解を求める.Fourier解析の知識を使ってスペクトルについて説明する.

14
(1/24)

変分法とはなにか(宮下)

「自然は無駄をきらう」という「信念」のもとに,美しい自然法則が導かれる.フェルマーの原理を例に変分法について説明し,Euler-Lagrangeの方程式を求める.

15
(1/31)

変分法の応用(宮下)

Euler-Lagrangeの方程式を使って最速降下曲線,最小回転面の問題を紹介する.最後にLagrangeの運動方程式について説明し,解析力学の入門とする.

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数理統計学(Probability and Statistics)

担当
南部 徳盛 
 
開設時間
前期:火曜 8:50 - 10:20
 
キーワード
標本平均、標本分散、確率変数、確率分布、期待値、2項分布、ポアソン分布、正規分布、中心極限定理、大数の法則、t分布、F分布、点推定、区間推定、信頼区間、信頼度、統計的検定、帰無仮説,対立仮説,有意水準,両側検定,片側検定,棄却域、母平均の検定、母分散の検定、母比率の検定、母平均の差の検定、等分散の検定
 
一般学習目標(授業の位置付け)
統計ソフトを有効に使うためには「確率と統計」の基礎的知識は必要である。ここでは確率と統計学の基礎的な概念と考え方を身につけることを目標とする。実験や観察デ−タの集まりである母集団から取り出される標本測定値をもとにして母集団の特徴をいかに統計的に考察するかを学習する。
 
達成目標
基礎的な確率の概念、確率分布、基本的な標本分布を理解するとともにその応用を身につける.実験や観察デ−タの集まりである母集団から取り出される標本測定値からその母集団の特徴を統計的にいかに考察出来るか、その基本的考え方と方法を理解する。
 
授業の形式
講義。
学生諸君の理解度に応じて講義を進めるで、下記の授業計画通りに講義が進まないことがある。
 
成績評価の方法
レポートと期末試験 
 
教科書/参考書
 
教科書
統計の基礎 水本久夫著 培風館
参考書
統計解析のはなし 大村 平著 日科技連
ビギナ−のための統計学 渡邊・寺見著 共立出版
初等統計学 ホ−エル著 浅井・村上訳 培風館
医学への統計学 古川・丹後共著 朝倉書店
医学・保健学の例題による統計学 豊川・柳井共著 現代数学社
 
メッセージ
確率と統計の基礎的概念や考え方の理解のためには、演習時間が必要である。特に演習時間がとれないので、演習に代えてレポートをその日のうちに提出してもらう。
毎回計算機を持参すること。
 
授業計画
 

主題と位置付け

学習方法と内容

資料の整理

実験あるいは観測などにより得られる資料(デ−タ)の整理について述べる.デ−タの分布状態を表現する測定値(代表値,散布度,標本相関係数)について考える。

確率とその性質

「確率の定義」を述べる.そして確率の種々の基本的性質,条件付き確率とベイズの定理について考察する。

確率変数と確率分布

確率変数、確率分布、確率変数の平均と分散について考える。

基本的な確率分布

基本的な確率分布(二項分布,ポアソン分布,一様分布,指数分布,正規分布等)について考える。

多次元確率分布

多次元確率分布(2次元確率分布,多次元確率分布)と確率変数の独立性について考察する。

標本分布

母集団から抽出された標本デ−タから得られる「標本平均がどのような分布をするか」について考える。また中心極限定理と二項分布の正規近似について考察する。

標本分布

正規母集団から抽出された標本から得られる「標本平均,標本分散がどのような分布をするか」について考察する。χ2分布,t分布,F分布について考える。

点推定

母集団から抽出した無作為標本から得られる「標本平均や標本分散」から母集団分布を特徴づける母平均,母分散を点推定することを考察する。

区間推定

母集団から抽出した無作為標本から得られる「標本平均や標本分散」から母集団分布を特徴づける母平均,母分散をある信頼度をもって区間推定することを考察する。

10

統計的仮説検定

母集団に対して設定された仮説が採択されるか,棄却されるかを母集団から抽出したる標本デ−タから判断する統計的仮説検定について考察する。

11

母平均,母分散、母比率の検定

「標本平均や標本分散」や「標本比率」から母集団の母平均の検定,母分散の検定や母比率の検定について考察する。

12

母平均の差,等分散の検定

2つの正規母集団からの二組の「標本平均と標本分散」から2つの正規母集団の母平均の差の検定,等分散の検定について考察する。

13

適合度の検定

母集団がどのような分布をしているかの検定について考察する.

14

独立性の検定

性質Aと性質Bが独立かについてその分割表からその独立性を考察する。

15

予備と総括

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