研究テーマ
遷移金属錯体の光物性についての研究

遷移金属錯体に代表される有機−無機複合分子の光励起状態の電子状態や分子構造の解析、更にリン光のメカニズムや失活経路の解明を、レーザー分光法や計算化学の手法を用いて研究しています。
このような基礎研究は、次世代の発光デバイスや光−電気変換素子の応用研究へと発展が期待されています。
このような基礎研究は、次世代の発光デバイスや光−電気変換素子の応用研究へと発展が期待されています。
光誘起電子移動の研究
光励起状態の電子移動、特に分子内で起きる電子移動について研究しています。過渡吸収測定による光誘起電子移動の生成物の検出、電子移動速度の測定と理論解析などを行っています。
このような基礎研究は、太陽エネルギーを利用するための光−電気変換素子の応用研究へと発展が期待されています。
最近の成果
・白金(II)錯体会合体の励起状態ダイナミクス
・金(I)錯体会合体の励起状態ダイナミクス→理学部トピックでの紹介記事
(J. Am. Chem. Soc. 135, 538-541(2013); (Phys. Chem. Chem.Phys. 18, 5103-5107(2016); Inorg. Chem. 55, 7739-7746(2016); J. Phys. Chem. Lett. 9,24, 7085-7089(2018); J. Am. Chem. Soc. (2019) in press)
・希土類錯体の誘起円偏光発光を利用したキラルセンシング→理学部トピックでの紹介記事
(Inorg. Chem. 51 4094-4098(2012); Inorg. Chem. 53, 5527-5537(2014); Chem. Asian. J. 14, 561-567(2019); Chem. Asian. J. 11, 2415-2422(2016); Chem. Asian. J. (2019)
・有機ポリマー中における長寿命光電荷分離の生成→理学部トピックでの紹介記事
(Phys. Chem. A, (2016), 120, 8093-8103)
・強発光性イリジウム(III)錯体の発光機構の解明と理論予測
(J. Chin. Chem. Soc., 53(1) 101-113 (2006);Inorg. Chem., 45(22) 8907-8921 (2006).)
・ルテニウム(II)ポリピリジン錯体におけるMLCT発光状態の熱的失活機構の理論解析
・銅(I)ビスフェナンスロリン錯体のMLCT状態の光物性のピコ秒時間分解測定と理論解析
(Inorg. Chem., 42(20), 6366 - 6378 (2003).)
・トリス(2,2'-ビピリジン)金属錯体の高分解能リン光スペクトルの理論フランクコンドン解析
(Inorg. Chem., 45(16) 6161-6178 (2006).)
