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富山大学工学部材料機能工学科

Dept. of Materials Science and EngineeringMaterials Process Engineering Laboratory

トピックスtopics



工業製品解体新書
―分解・解体を通じて学ぶ材料学―

主旨

 工業製品はそれをデザインし、図面を引いて、材料屋が素材を調達し、加工・熱処理・表面処理を経て部材・部品となり、電気電子部品なども含めた多種多様な部品を組み上げていく一連の作業に多くのエンジニアが協調的に関与した結果として世に送り出されます。
 工学部材料機能工学科に学ぶ学生は主として金属材料の知識と研究手法・問題解決手法を学びますが、獲得した知識や知恵がエンジニアリングの現場でどのように活かされるのかを体得・実感する機会が少なく、単なる知識の習得で終わってしまうきらいがあります。
 医学生がご献体から学ぶように、工学部学生にとって工業製品の分解作業は教科書以上の迫力と説得力があり、学生に強い示唆と大きな感銘・影響を与えます。この実習を通じて、教室で得た知識を再確認してもらい、モノづくりの担い手であるエンジニアになることへの自覚、自信、期待感や使命感を高めてもらえたらと思うのです。
 このような背景を踏まえて、当研究室の独自教育科目として工業製品の分解実習を企画しました。参加は任意で、身の回りにある製品を持ち寄り、それらを分解しながら材料学的視点で当該製品(技術)を深く理解することを目的としています。
 特に、それぞれの部品について、何故この材料がここに使われているのかを常に自問してもらい、寸法や加工方法の選択理由を考察し、さらに自分だったらどうするかといった提案に至るまでを課題としています。小さなビス一つにこめられた技術者の思いを感じてもらえたらと願います。

第1回目 電気炊飯器の秘密を探れ!

     
講評

 第1回目は、電気炊飯器を題材にしました。炊飯器は日本人にとって必需品であり、美味しいご飯を炊きたいとの思いに応える大切な工業製品です。
 この実習は炊飯器を創り出したエンジニアとの内なる対話でもあったと思います。「君にこれが創れるか?」との問いかけが製品の随所にちりばめられており、それらに対して学生が持てる知識体系を駆使して考えた足跡が実習報告書に示されています。彼らは、戸惑いながらも丁寧に分解して、驚きの声をあげながら学んでくれました。
 レポート内容は、必ずしも完全なものではありませんが、手探りの第一回目実習としては良く出来ており、学習者の真摯な態度が見て取れます。また、このレポートに対して製造者から書面にてコメントを頂くことができ、プロのエンジニアとの対話が実現できたことはとても嬉しいことでした。分解実習の現場にその方々がおいでになっていれば議論が白熱したことだろうと思います。
 次回は、ルーブリックテーブルを用いた学習効果の評価指標を用いてより効果的な実習になるように改善したい。
 最後に、実習材料とした電気炊飯器を世に送り出していただいたタイガー魔法瓶株式会社様に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。


  ※「第一回実習報告書」はこちらからもダウンロード頂けます.



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