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UO’s プロジェクト成果報告会

2018/08/24(金)

UO’s Project成果報告会

開催日:平成30年8月10日(金)

開催場所:魚津市役所

魚津市の活性化に向けた課題解決策を考える「UO’s Project」の成果報告会は8月10日、魚津市役所で開かれ、5月から同プロジェクトに携わってきた学生が村椿市長ら行政関係者等を前に、実地調査から導き出した地域の課題解決策を発表した。
 「UO’s Project」は、学生が魚津市の抱える地域課題を調べるところから始まり、課題を明確化して、解決策を魚津市に提案するまでの取組。「地元への意欲・愛情・愛着」と「地域の諸課題にコミットする意欲と見識」を持つことを狙いとし、優れた解決策ができた場合は実施も検討される。「地(知)の拠点大学による地方創生事業(COC+)に関する協定」に基づく連携事業の一環として行われている。

 成果報告会では学部や学年にこだわらず構成された「観光PRチーム」と「地域交流チーム」の学生が、それぞれの選んだ課題、実地調査の結果、解決策についてパワーポイントを使って報告した。


「観光PRチーム」はSNSや魚津市が作成したパンフレットについて、国内の若者や海外からの観光客の反応や課題を紹介した。SNSについてはFacebookよりTwitterの方が国内の若者に対する発信力が高く、媒体を使い分けることによって異なる効果が期待できると解説。
「ゆるキャラの『ミラたん』を使ってTwitterにアカウントを作成し、イベントなどに関わる人が身近で気軽な情報を発信してはどうか。ただし、Twitterは炎上のリスクも考慮しなければいけない」と述べた。SNSごとにそれぞれの特徴があり、Twitterの即時性を活かしたグルメ情報などの発信も提案した。
 また、外国語のパンフレットについては、以下の問題点を指摘した。
 「織田信長や上杉謙信などを登場させて史跡を紹介しているが、果たして外国人に分かるのだろうか。『サムライ』などの日本語や歴史上の人物のバックグラウンドを紹介する文章も必要。また、台湾では『ミラたん』の人気が高い。ゆるキャラを前面に押し出したパンフレットの方が効果は高いのではないか」。
 また、国籍によって提供する情報を変えるべきであると指摘し、「着地型」でなく交通アクセスなどを詳述した「発地型」のパンフレットの方が効果は高いと改善点を挙げた。


 「地域交流チーム」は魚津市内で行われている祭りについて報告。はじめに「行政と地域住民の連携が課題である」と述べ、東北6県の各県庁所在地(以下「東北6県都」)の代表的な6つの夏祭りを一同に集めた「東北六魂祭」等について紹介。魚津市内で開催されている祭りの合同開催を提案した。

 「複数の地区の祭りを合同化することで交流が生まれ、人手不足が解消される。祭りが維持できる。加えて、学校に協力を求めることで、子ども達も参加しやすい。祭りが、地域交流の場になる」と解説した。


チームごとに成果を報告した後、村椿市長らと学生は、ざっくばらんに懇談した。石川県出身の経済学部3年の男子学生は「魚津市の皆さんは団結力があり、真剣に地元のことを考えていると感じた。それもまた、地域の魅力になっている」と話した。富山市出身の経済学部3年の女子学生は「同じ富山県なのに知らないことばかりだった。今後は住民の声をもっと聞く必要があると思う」と提案した。東京都出身の都市デザイン学部1年の男子学生は「東京でも人が多いから地域が活性化しているかと言えばそうではない。課題を一つずつ解決していく必要がある」と述べた。
 村椿市長は「どれも、即採用したいアイデアばかり。特にパンフレットの件は早速検討したい。私もSNSを活用しているので、よろしければ皆さんから『お友達申請』をいただき、今後もいろいろな意見を聞かせてほしい」と謝意を伝えた