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地域定着

TOYAMA採用イノベーションスクール開講式

2018/10/26(金)

TOYAMA採用イノベーションスクール開講式

開催日時:平成30年9月10日(月) 13:00~17:00

開催場所:富山県民会館 304号室


富山銀行と富山大学が主催する「TOYAMA 採用イノベーションスクール」の開講式が9月 10 日、富山県民会館で行われた。同スクールは「富山だからできる富山の未来づくり」というテーマを掲げており、2018年度の塾生16人が意気込みも新たにスタートを切った。
 開会に際し、富山銀行の岡部一浩専務が「どの企業にとっても人手不足は深刻である。地域定着と、人手不足解消を目的に開講する」とスクールの意義について紹介しながら挨拶した。


富山銀行の岡部一浩専務


富山大学の鈴木基史理事・副学長は「現在の大きな問題は人口減少であり,大学はCOC+事業を通して,地域に若い人材を集めようとしている。
地域を知る教育戦略や,高校生に地方創生に関心を持たせる入口戦略を実施しているが,今,考えなければいけないのは出口戦略。
インターンシップ等の既存の取組の改善だけでなく,採用活動の改善も大切と捉え,採用イノベーションスクールに結実した。
地域企業に人材を効率よく獲得していただくことで,皆さまと一緒に地方創生を進めたい。 」と述べた。


富山大学 鈴木基史理事・副学長


また、財務省北陸財務局富山財務事務所の千崎誠一所長と、厚生労働省富山労働局の佐藤靖夫局長が来賓を代表して挨拶した。
 富山県商工労働部労働政策課の村中秀行課長は富山県が実施しているUIJターンを促進するための事業について、「富山県にUIJターンすることを『Tターン』と名付け、働くことと暮らすことの双方で状況提供している」と紹介。また、富山県内の大学への進学者は半数以上が県外出身者であり、卒業後もとどまる学生はそのうちのたった2割しかいないことから、「県外出身の学生に対し、インセンティブをつくることも効果が期待できる」と提案した。


尾山真COC+統括コーディネーターは、「就職活動において企業と学生を『売り手』『買い手』と捉えると、一方が有利になれば他方は不利になる。『地域創生』『地域の課題に取り組む』という視点で一丸となれば、双方が同じ思いを共有できる」と述べた。続いて塾生16人が一人ずつ自己紹介した。


自己紹介する塾生


基調講演では神戸大学大学院経営学研究科の服部泰宏准教授が、「採用活動の概況」「採用活動について科学は何を明らかにしているのか」という二つのテーマで、現在の就職活動を取り巻く全国の状況について話した。
 服部准教授は「東京の企業が求める人材の質・数について、需要と供給のバランスを欠いているため、地方の大学の学生を取りに行っている」と国内全体の労働市場の動きについて解説。一方、学生が都内にある著名な一部上場企業ばかりを選んでいるかというとそうではない。絶対的に安定している企業は少なく、終身雇用も当たり前ではなくなった状況を踏まえ、「入社して早い段階でどれだけ仕事が任せられ、経験を積ませてくれるかを判断基準に掲げるケースも少なくない」と話した。
 また、「どんな学生が欲しいかを考えるに当たり、同業他社と比較するなどして自社のポジションを見直し、『会社のリアルな課題に、新入社員をどう生かすか』を検討してほしい」と述べた。この後、塾生との間で質疑応答が行われた。


神戸大学大学院経営学研究科の服部泰宏准教授

「TOYAMA 採用イノベーションスクール」は12月までに講義やワークショップを実施。参加者は演習を通して自ら考え、新たな採用方法・インターンシッププランを構築し、修了式で発表する。