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地域関連科目「鋳金A (生型鋳造)」講義
2019/01/11(金)
取材日 12月20日(木)
開講学期曜限:2018年度後期・木曜4・5限 12月20日 第7回
講 師:芸術文化学部 三船温尚氏
12月20日、芸術文化学部(高岡)の鋳造室にて、鋳金A(生型鋳造)の授業を行った。鋳型作りと鋳造が10回、切断や研磨の仕上げに4回、最後に鑑賞が行われる全15回で行われる授業の7回目として、2年生7名が思い思いの鋳型を作り、鋳造に取り組んだ。
この授業は、高岡銅器の生産技法の中で主流技法の生型鋳造を用い、「販売」を前提にした「産業工芸品」として製作するもの。適正な販売価格や消費者需要を考え販売する「売る授業」の一環として一昨年からスタートし、過去3回の展示販売が行われてきた。今回の受講生は、この授業が始まって4年目の学生たちで今年度の作品は、来年度に展示販売される。
授業では、まず学生たちが砂をよくかき混ぜて水分量を調節し、砂を押し固めて鋳型を作る。その後、紙や石などを入れて型を取ったり、形を考えて砂を削ったりスタンプを押したりと学生一人ひとりが思いをもって鋳型を作っていた。従来、生型鋳造は、決められた原型の鋳型をつくることで同じものを多く作ることができる「一品種大量生産法」だが、授業では、押し固めた砂を削ることで鋳型を作成し、従来のものよりも簡単に形が変えられ同一形を複数個作れない「多品種一品生産」とも言える生型鋳造の技法を利用している。この技法によって固定観念にとらわれない学生の感性から、今までにないオリジナリティあふれ学生のアイデァが盛り込める面白いものを生み出しやすくなっている。また技術が向上しなければできないものではなく簡単な工程であるため、授業を受けた学生は、「金属も型も失敗してもやり直しができるので、実験しながらいいものができるかどうかを試しています。何度もやることで徐々にうまくできるようになってきて、楽しいです」と興味をもって意欲的に作品を作り続けていた。
鋳型づくり
さらに使われる青銅は、通常の高岡銅器で使われる亜鉛と銅の合金の真鍮ではなく、環境に配慮した鉛を含まない無鉛青銅で、錫16%、銅84%の高錫青銅が用いられる。この青銅は真鍮よりも薄い1mm半ぐらいまでの鋳造製品づくりが可能となる。現在の高岡銅器が行っていることと同じことはせず、新たな製法や素材などを試すことで、高岡銅器の可能性を実験してみようとするねらいもある。
鋳造後
作 品
担当した三船教授は、「10年後、20年後のことを見据えて違った視点で新たなものを生み出す経験をすることで、学生たちに考えさせている。違った手法で商品開発を行った経験を、今後高岡銅器に関わることがなくても様々な分野で生かしてほしい」と語った。
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