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第2期TOYAMA採用イノベーションスクール第4回ワークショップ

2019/10/04(金)
第2期 TOYAMA 採用イノベーションスクール

第4回ワークショップ

開催日時:令和元年9月26日(木)
開催場所:富山県民会館702号室

9月26日(木)、富山県民会館にて、「TOYAMA 採用イノベーションスクール」の第4回ワークショップを開催。塾生など15人と富山大学の学生5人が意見交換を行いました。

 まずは、塾生が3つのグループに分かれて近況を報告し、富山大学地域連携推進機構地域連携戦略室COC+統括コーディネーター・尾山真特命准教授の司会でこれまでの学びについて振り返りました。
 「リアリズムに基づく採用」として「採用時にいいところしか話さないと、入社後に失望されてしまうこともある。近年では、『こういう大変なこともあるけれど、やりがいとしてはこんな声がある』と伝えることで、新入社員の定着を図る」と述べ、神戸大学大学院経営学研究科の服部泰宏准教授が2019年度の採用イノベーションスクールで再三にわたって説いてきた「ジョブ理論に基づいた採用」の「ジョブ」を見極めるポイントについても再検討しました。


続いて塾生と学生の質疑応答へ。塾生は中小企業の人事担当者や経営者で、学生は経済学部の1年生2人と、理学部1年・工学部3年・大学院理工学研究科1年が各1人。3グループに分かれて20分ずつ話し、前半の1時間は学生の質問に企業側が答え、後半の1時間は企業側が学生に質問を行いました。


ワークショップに参加した富山大学生




■対話の一部を紹介

□学生が企業に質問
Q:学生と社会人がつながる場があればいいと思う。どんなことに期待するか?
A:企業側は常に「何をしている会社か」を伝えたいと思っている。

Q:大学院に進むかどうか悩んでいる。院卒と学部卒を企業はどう見ているのか?
A1:就活に当たり、学んだことを行かせる企業に出会えるかは大きなポイント。22歳と24歳では「いろんな意味で違う」と思っている。
A2:初任給にも違いがある。そういう点では「待遇が違う」と言えるが、指導する側はあえて違った成果を求めない。専門的な知識を持っていてそれに関わる業務を託す場合などは別だが、社会人1年生と思って接する。

Q:大学生と社会人、振り返ってみてどう違うか?
A:大学は入っても友達がいたけれど、会社では入ったときは1人。たくましさが求められる。

□企業が学生に質問
Q:働き方改革が求められる中で、プライベートはどこまで犠牲にできると思うか? ちなみに、うちの会社がブラックなわけではないので……。
A:休日に、仕事で家にいないというのはNG。休日出勤は、半年に1回ぐらいなら許せるかも……。

Q:人生をどうとらえているか?
A:ずっと働きたい。結婚したら辞めるとは考えていない。一生、仕事と家庭を両立したい。

Q:バーベキュー大会など、社員同士の交流をホームページで紹介している。これ、「めんどくさそう」と思うか?
A1:個人的にはいいと思う。全員、強制的に参加させられるのであればキツいが。
A2:「就活あるある」として、「アットホーム」とあえて書いてあるほど、そうではない傾向にあるというのが、学生の間での見解。





続いて塾生は学生との対話を振り返り、それぞれの会社の実態を踏まえて意見交換しました。

・「会社の雰囲気をとても気にしていると感じた。ホームページでの表現に検討が必要だと思った」

・「ブラック企業はNG。残業・休日出勤はお断り……という風潮で、『楽な仕事はないよ』『つまらないと思っても、まずやってみよう』という思いをどう伝えればいいのか悩む」
などの声が挙がりました。

 


これらの意見を受け、尾山特命准教授は「学生の不安を聞いてみると、『内定がもらえない』と悩むより、『企業に入ってから自主的に仕事をこなし、責任を全うできるか心配』と話す。こういう不安を人事担当者が受け止めることも必要」などとアドバイスしました。


なお,次回の「TOYAMA採用イノベーションスクール」は10/10(水)第5回ワークショップ・講演3「採用のための体制づくり」です。その様子も順次レポートしていきます。