魚津三太郎塾第6期
魚津市/富山大学
地域課題と企業課題を解決する地域プロジェクトの創造 いざ未来形魚津へ!

事業レポートReport

魚津三太郎塾第8期6日目 地域再生システム①

日時:令和元年10月15日(火)14:00〜17:00
場所:魚津市役所 第1会議室

魚津三太郎塾第8期の6日目が開講。地域再生システム論として魚津市地方創生アドバイザーからは地方創生とマーケティングについて魚津市での取組を塾生OBが地域資源を本業に活かし地域再生に取り組んでいる事業事例として活動紹介を受け,地方創生の考え方や地域課題解決へ行政と企業・住民が関わる取り組みや考え方,地域資源の活用について学んだ。

6日目第8限講義 地域再生システム①
講義:地方創生に向けた魚津市の取組

講師:魚津市地方創生アドバイザー 森永琢馬氏
特別講義 魚津市の現状と課題に向けた取り組みについて

マーケティングにおいて最も重要なことは第一歩となる課題の設定であり,バリューがあるアイデアとは課題の質が高く,課題に対するソリューションの質が高いモノである。手法論に陥り,求められてないものを突きつめていくと失敗する。良いアイデアへの正しいアプローチは課題の質を高めてからソリューションの質を高めていくほうがやりやすく,課題の質を決める要素は,高い専門性・業界(現場)の知識・市場環境の変化に対する理解度をどれだけ持つかに依存する。

誰の課題を解決するのか課題設定において自分ゴト化できる課題でなければ解決は困難となり,本質的な課題をあぶり出すためには全体像を知る必要があると説明。手掛けてきた地方の伝統産業再生のプロジェクト事例を紹介しながらこれまで説明したイメージを分かりやすく伝えた。プロジェクトがうまくいっている要因として,質の高い課題設定が課題解決になっていることや最初の段階での小さな成功体験の存在,方向性の正しさを確認できたら継続に集中すること,国内水平展開や海外展開などポイントを説明した。

地方創生人材派遣制度により魚津市地方創生アドバイザーとして魚津市で実行してきた事業について説明。地域がすべきこと,地域がやりたいこと,外部人材ができることの合わさったところで動きを進め地域商社による外貨獲得(仕事創出)というプロジェクトを進め,魚津版地域商社の構想と事業展開を紹介し,構想ポイントとして「事業発展可能性を描けていること」「最大手プラットフォーマーとの協業」「パブリックスタートであること」の3点をあげ,事業の特徴や事業者チャレンジを促すポイント,事業運営スキーム,マーケティングデータの獲得や事業目的や波及効果について説明。

官に求められるのは“民のチャレンジを官がサポートする”こと,“民が負えないリスクを官が負う”ことであり,これからの行政活動には「透明性」「説明責任」「リスク共有」「継続性」「情熱」が必要。事業を正しく評価し,民間企業のビジネスをコントロールできるような外部人材の登用が望ましく,恒常的に課題解決していくためのエコシステムの構築が急務であり,『“知っている人”を知っている』ことが重要となる繋がりを活かして事業に取り組んでもらいたい。想像できることは,必ず実現できる。ひとつひとつの取組で魚津の可能性が拡がっていく」と話した。

質疑応答

紹介プロジェクトでのアプローチの変化と課題の質の高め方について質問があり,アプローチを商売主体から産地・組合主体に組み直したことで好転し,相手と向かい合うことの大切さを実感。ストーリー・見せ方を加えて付加価値を高めて展開することで利潤も高まったと話した。

6日目第8限講義 地域再生システム①
講義:味噌から始まる地域再生

講師:4期修了生 宮本みそ店 宮本晃裕氏
塾生から一言発言

宮本みそ店の紹介と原料から自分たちで作るみそ造りの工程,村の景観を守る取組みと,みそづくりワークショップや全国でのイベント販売の様子を伝えた。第4期生として参加した魚津三太郎塾の修了ポスター内容を紹介。

設定した地域と企業の課題や解決手法とした事業内容と将来展望を説明し,修了式後について,休耕田を利用した大豆作りによる新商品開発や魚津自然塾の実現へ向けた取組,海外展開や天然酵母の培養への挑戦など紹介した。現在の自社課題・地域課題を話し,課題解決のための今後の取組として,地元宮津で古民家を改装した「MIYAZU HOUSE」を立ち上げ,村民コミュニティの再構築を目指し,都市と田舎の交流拠点として宮津産野菜の販売や様々な体験のできる場を作る構想を説明。ここを拠点に村から輪を魚津全体へと拡げていきたいと話した。

質疑応答

東京の若者に農業を志望する人が多いが魚津での受入はどうかという質問を受け,志望者に全国の中からドコを選んでもらえるかが大事。その一つの中に魚津を選んでもらえるようになるための拠点を作っていきたいと話した。

ディスカッション・座談会

論点:事業プラン立地の思考・地域資源活用の重要性

今回の講義を受けて,塾生は2グループに分かれ,講師を務めた森永氏と宮本氏を交えた座談会スタイルでのディスカッションがおこなわれた。

各塾生は講義で興味を抱いた内容や地域資源の活用,課題解決のポイントなどヒアリングしながら各自のワークシートに記入し,各グループで討議。途中講師が入れ替わり各々のテーマを考察していった。

各グループの討議内容・意見を代表者が発表し,塾生全員でお互いの討議内容や意見・課題等を共有した。