とやま呉西圏域共創ビジネス研究所
地域課題と企業課題を解決する地域プロジェクトの創造 いざ未来形魚津へ!

共創研同窓会レポートReport

共創研同窓会

日時:令和3年3月30日(土)15:00〜17:50
会場:高岡市役所8階802会議室

とやま呉西圏域共創ビジネス研究所(1〜3期)と前身となるたかおか共創ビジネス研究所(1〜3期)の修了生が集まる共創研同窓会を初開催した。6期に渡って開かれた共創ビジネス研究所修了生46名のうちの19名と富山大学,高岡市関係者が参加し,特別講師に内閣府地域活性化伝道師の金丸弘美氏を招いての講演や修了生の活動報告,意見交換がおこなわれ,修了生相互の様々な交流の場として繋がりを深めた。

開会

挨拶 富山大学理事・副学長 武山良三

コロナで前年の暮らしと一変した。地震や水害などの天災も含め突発的な事態は多くある。突発的事態に見舞われた時,講義の知識を鵜呑みにするのではなく,自分でしっかり考える力身につける力が重要である。突発的事態は身の回りや事業の中でも多く,対応するには専門分野の学識も重要だが,基礎力をつけた「かくあるべき」という考えが最も重要となる。もう一つの大きなポイントは人の繋がりで,自分の考えを確認しモチベーションを高め,自分一人で到達できないコトも仲間がいることで自身が発展できる。共創ビジネス研究所での大きな目的は専門的な力つけてもらうこともあるが,仲間と交流してベーシックな考えを確認し合うことに意義があると考えている。今日一日様々な形でタテヨコの繋がりをつくってもらいたい。

共創研同窓会

講演 『地域力が未来をつくる!ヒト・カネ・コトが持続するローカルからの変革』

内閣府地域活性化伝道師 金丸弘美氏

富山大学と田辺市が共創研をモデルとして開催している『たなべ未来創造塾』が縁。長男が東京の「ふるさと回帰支援センター」経て和歌山県龍神村(田辺市)へ移住,塾1期生として参加し地域広域連携で農家宿泊事業を実施,コロナ禍ではかえって好調だという。地方50軒以上の農村観光を連携した農家民泊をマッチングさせている『gochi荘』はコロナ禍でも予約が詰まっている。イタリアやフランス,イギリスなどの欧州は農家と地域食文化が広域連携して産業化している先進地である。先進地の農業観光の手法を熟知しの,移住定住に力を入れUターンIターンが多い行政とタイアップして成果をあげている。

東京有楽町の「ふるさと回帰支援センター」への20代から40代移住相談は2019年以降4万9000人も増えた。コロナ以後子育て世代の移住希望者が増加,初めて東京の人口が減った。55%は埼玉千葉などの近郊へ移住している。コロナ以前から過疎化する東京郊外都市では緑やコミュニケーションをコンセプトにした住宅での成功事例がひろがっている。商店街での空き家活用を若者によるワークショップを通じリノベーションした事例も全国で動き始めている。

大学と行政の連携による地域活性の取組が早かった高知県が産官学連携事業として専門分野の人材教育に力を入れ産業振興や移住促進に成果をあげている。高知県産業振興計画に詳しいデータがあがっているので参考にしてもらいたい。コンサルに任すのでは無く地域の人が連携して地域資源を活用する大胆な観光戦略で成果をあげている。大学と連携して環境など様々なデータによる裏付けが重要。全国的に地元生産者と地域が徹底的に連携した直売所はコロナ禍でも売上を伸ばしている。地域・大学・金融機関が連携して,人材を育て,地域のものを活かしているトコロはコロナ禍でも伸びている。ココに将来像がある。

講演 『地域力が未来をつくる!ヒト・カネ・コトが持続するローカルからの変革』

質疑応答

Q,「美味しい・安全安心は高く売れる」は誰にでも通じることか?
A.誰にでも通じる。美味しい・安心安全の表現は抽象的だがデータを付け具体的に表示する必要がある。安心安全を具体的に示さないと国際的にも通じない。
Q,誰が価値を見つけマッチングさせるのか?
A,農産物だと行政・農家・料理人・流通の4者の細かいマッチングで,ニーズに合っているものを必要なものを必要な分だけ揃えていくことが重要。価値をつくるヒト,実行するヒト,教えるヒト,消費者へ届けるヒトの4者をマッチングさせる。
Q,富山県の農業で野菜は全国47位で進んでいない。何から始めれば良いのか?
A,小さくても良いから必要なところに必要なものを出すとこから始めれば良い。直売所が伸びているのが良い事例。地元のマスコミにだし,小さくても共感がもて楽しく美味しいものをしっかり出していくことが肝心。

修了生活動事例報告

とやま呉西圏域共創研究所の4名の修了生から活動事例報告がおこなわれ,修了後の事業活動や事業実現へ向けての経過と近況について報告した。

新川篤志氏(呉西1期修了生) シェアオフィス「ミライズIMIZU」の事業展開
吉田 剛氏(呉西2期修了生) 水稲コメニティで暮らしを続ける〜農業事業の進捗状況
平 美穂氏(呉西3期修了生) おせっかいが実を結ぶ〜果樹園イベントの1年間の成果
升方芳美氏(呉西3期修了生) まちの仕事場Cotoba事業実現への状況

意見交換

本日参加19名が4グループに分かれてグループ毎に意見交換や情報交換をおこない,互いのビジネスに生かせる繋がり方を考えた。グループ内で各自の自己紹介のあと自社の強み・課題についての意見交換と互いのビジネスに生かせる繋がりについての意見交換を行い,最後に各グループ毎の内容を代表者が発表し,全員で情報の共有化をはかった。

  • 要点1:自社(自分)の強み・課題についての意見交換
  • 要点2:共創のタネ(互いの繋がり・連携)についての意見交換

各グループの発表

意見交換
Aグループ
コロナ禍での様々な制約についてが共通の課題であった。「サポート」がキーワードとして共通。サポートすることで自分のビジネスや地域貢献になっていくと感じた。
Bグループ
キーワードとしてでてきたのが「子ども」「子育て」「母親」という言葉。子どもの体験が価値観が決め,地域創りに繫がっていく。手に職をつけてそれを活かせる場所が必要で人のマッチングを進めることが重要である。
Cグループ
メンバーの事業の現況を話しあった。自分のやりたいコトの発表や発信したいモノのアピールの場やイベントの場となる拠点をつくって繫がっていきたい。
Dグループ
戸出地域を賑わう地域にしたいという想いに協力していくという意見を話し合った。戸出駅を活用した活性化プランで意見を出し合った。

講評

内閣府地域活性化伝道師 金丸弘美氏

それぞれにチャレンジしたいことがあり良い関係をつくれそうに感じた。折角の出会いがあったのだから小さいことでもやってみて形にしてもらいたい。10人ぐらいだと修正も効きやすいので実験的にやってみたらよい。あとはやるだけである。

富山大学理事・副学長 武山良三氏

短い時間で具体的なアイディアをだすことは無茶な話であったが,皆さんで意見交換をしていくことが価値のあることである。講演の事例でもあったように価値をつけることは大切である。コラボするには共通の目的意識が重要になる。近い目的、一層高い目的を共有し共感し合ったときにビジネス(行為)として価値のあるモノができていく。共創研がやっていることは正にソコにある。まずは地域のことを考え,シンプルに考えていくことが大切。

評価・挨拶

挨拶

高岡市市長政策部 政策監 赤坂忠良

今回,高岡市で開いた3期と呉西6市で開いた3期の6期の修了生がタテに繫がる場に集まっていただいた。共創の名の通りみんなで新しいモノをつくっていくことが一番であり,「つながり」「マッチング」という言葉がでたように,人が動くときに人と繫がりを広めれば更に力が強くなりアイディアがでてくると思っている。

今回初めてこの様な集まりを催したが今後もこのような場を設けタテの繋がりヨコの繋がりを強め,ビジネスだけで無く人間としての拡がりを深めてもらいたいと思っている。