舟橋村官民連携子育てモデル造成事業

公開向け「子育てしやすい環境づくり」をコンセプトにした舟橋型宅地造成ビジョン検討会第2回目
日時:平成26年10月28日(火)18:00~20:00
場所;富山大学五福キャンパス アザミ2F研修室

開会挨拶

富山大学学長 遠藤俊郎

子育てについて,郊外と都心での環境を比較し、子どもたちのためにどのような環境を作るのかがポイントである。と語り、いかに良い環境で、楽しくすごせる環境、場所を作れるかが重要とし、様々な経験の中からの検討をおこない新しいものを作っていっていただきたい。と挨拶をいただいた。

子育てしやすい環境づくりをコンセプトにした舟橋型宅地造成ビジョン検討会第2回目

富山大学教授 金岡省吾

今年7月に公表された国土交通省『国土のグランドデザイン2050〜対流促進型国土の形成〜』において,子供から高齢者まで生き生きと暮らせるコミュニティ再生について、行政と民間・NPO等が連携し新たなサービス産業の育成・発展させることが示されています。舟橋村の取組が全国に先駆けた動きとなりうるものであり、富山大学もしっかり取り組んでいきたいと考えております」

第1部 舟橋村モデル子育て共助のあり方

舟橋村の子育て環境の現状

舟橋保育園と京坪川河川公園との位置関係,保育園の概要について説明。併せて,民間ボランティアが週1回、未就学児対象におこなっている「さくらんぼくらぶ」の活動や、意見交換の場として昨年実験的に始めた「子育てカフェ」の活動内容を紹介した。

子育てしやすい環境づくりをコンセプトにした舟橋型宅地造成ビジョン検討会第2回目

共助による子育て支援事例

社会福祉法人富山YMCA福祉会が運営する萩浦保育園の保育事例について紹介。富山市の民営化によって2005年にスタート。2008年度から子育て支援拠点事業として取組み、2012年度から保育園内で学童保育を始めたと紹介した。園で行っているイベントや取組として,近隣のディサービスのお年寄りが保育園のイベント(常願寺太鼓)を一緒に楽しむ事例や、園児が施設へ訪問して交流を図る事例、中学校の14歳の挑戦や高校の家庭科の授業としての保育体験活動事例、近隣の高齢者や地域住民との交流を図るイベント事例(ふれあい餅つき大会、萩コーラス、クリスマス会、茶道会など)等について紹介した。

子どもを介して地域の方々とつながることで,地域の方が元気になる好循環を生み出しており,地域と保育園の双方がWINとなっている。子育ての環境は良好な自然環境を形成すればよいのではなく,地域の人々が保育園にどれだけ関わっていてくれるかが大きな要素のひとつである。例えば,保育園の花壇の手入れ・水やりに近所の方の協力を得たり、保育園の中に日陰をつくることで近所の方が訪れやすい環境を作るなども実践している。保育園は地域の子どもの生活の場であり、保育士以外の地域の人が様々な形で保育に関わることは大切である。もっとも大切な点は,子育てをしている人が孤独になることを避けることであり、子育て支援センターには様々な相談が寄せられている。

YMCAでは過疎地(農村)では古民家を借り地域の人と米作りをする活動も行っているが,村の人は子供たちが来るのを楽しみにし、元気がもらえると話している。すなわち,人と人とがつながり生きていくこと、子どもの時から様々な人とつきあっていくことができる子育て環境づくりが必要である。

IT活用の可能性(NTT)

IT活用による子育て世代の支援として,NTTグループが提供している,千葉県松戸市の住民基本台帳カードを活用し、子育て世代の支援サポートのシステムが紹介された。また,同社の子育て世代の社員の「安心・安全」のアイディアとして,防犯カメラ、ゲート通学メール、コンテンツフィルター、安心通報ボタンなどのシステム,Wi-Fi環境の整備,食育支援、SNS活用などのアイディアが紹介された。

意見交換

「子育て環境や保育園と住民との共助」「住民とつながった保育サービス」「コミュニケーションとICTを活用」「高齢者の生きがいや地域の連携の4視点について意見交換がなされ、子育て環境のあり方や住居選択のポイントになりうるかなどが討議された。

第2部 舟橋モデル公園整備・活用のあり方

子育てしやすい環境づくりをコンセプトにした舟橋型宅地造成ビジョン検討会第2回目

舟橋村の公園・緑地の現状

京坪川公園の状況、宅地内公園
京坪川公園(オレンジパーク)と舟橋保育園の位置関係,同公園の現況や施設内容について概説した。また,村内の宅地造成の際に作られた公園の現状を紹介しつつ、使われていない公園の是非などの課題が示された。

公園の可能性

従来の造園業は,建設業のもと造園技術を強化し、官公需を追い風に施工管理や業務マネジメント能力を蓄積し、さらに民需・元請けが増えていくことで企業ネットワークが強化されていった。しかし,ストックからフロー重視の時代となり,人が居ない公園、活用されない公園は必要かとの指摘もあり,公園再生の時代に突入した。

一方,公園の整備・管理における新しい動きとして,マンション建設に際して隣接公園の改修を購入予定住民と一緒に考え造ることでマンションの価値が上がった首都圏の事が紹介された。これからの公園整備や管理では,住民を巻き込んで考えることが大切で、公園は地域コミュニティを形成可能な場であり,「公園・宅地整備・子育て環境づくり」は連携して考えることはできないかと投げかけられた。

御旅屋の屋上緑化

造園業者の勉強の場として設立したNPO法人みどりの会高岡がてがけた高岡市御旅屋SERIO屋上緑化事業について紹介説明。御旅屋SERIOに高岡子育て支援センターができた際に子供たちを芝生で遊ばせたいと相談を受け、子どもたちを安心安全に使ってもらうだけでなく,イベント広場としても使えるスペースをイメージした,多目的に使えるプランを提案した。

デッキにはイベント時にテーブルが置けるようにした。県の間伐材や海岸で拾った流木なども活用してコストを抑えて造った。広場では、運動会、野点、七夕祭りのイベント、ビアパーティなどにも利用され、子育て支援センターへ来る母子だけでなく,中心商店街に来る方の有効活用の場となっている。

意見交換

公園整備・活用のあり方について意見交換と討議がおこなわれ、子育てに有効な公園整備や公園活用について意見交換を行った。さらに「ふぉれすと鉱山」の事例として,子育てイベントで集めた人からボランティアを育成し,地域課題解決につなげ地域を活性化させている状況が紹介され,公園の指定管理業務を工夫した中での子育て支援の可能性を追求した。

結果として,子育てに活用する、地域のコミュニティを育てるための公園の整備や活用はどのようにしたら実現できるのかについての民間企業の提案を受け入れ、新たな公の拠点を舟橋村に創りだすための仕組みを、民間と行政が話し合い手を組み作っていきたい」と総括した。

閉会

子育てしやすい環境づくりをコンセプトにした舟橋型宅地造成ビジョン検討会第2回目

舟橋村古後副村長

「前回よりより具体的な話しが聞けた。子育て環境の整備は直近の課題であり、これからの舟橋にはもっとも重要な課題。皆さんの力でご提案いただきたい

舟橋村 職員

「従来の行政主導の形ではなく,行政のあり方も考え直し,企業と共に設計図を作っていくとのコンセプトで本検討会を開催している。是非とも,皆様方から斬新なご提案をいただいて、より良いものを作っていきそれが皆さんにとっても新しいビジネスにつながる形になることを目指していきたい。

参加者

 富山YMCA本部(子育て)
 富山銀行(金融)
 正栄産業株式会社(ハウスメーカー)
 正栄ウエルフェア株式会社(介護)
 株式会社飯山造園(造園業)
 株式会社OSCAR(開発業者)
 北陸銀行(金融)
 富山第一銀行(金融)
 NTT西日本富山支店(通信)
 舟橋村(行政)

事務局

 舟橋村(生活環境課・総務課)
 富山大学(地域連携推進機構・社会貢献課)
 新日本コンサルタント(都市計画部門都市計画・環境系グループ)

オブザーバー

 魚津市(企画政策課)
 高岡市(都市経営課)
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