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講義内容(シラバス)
先端機械・材料工学特論T
授業科目名 |
先端機械・材料工学特論T |
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担当教員(所属) |
《富山大学大学院理工学研究部(工学系)》 |
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開講日程 |
8月−10月 土曜日1、2限 |
単位数 |
2単位 |
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連絡先(研究室、電話番号、電子メール等) |
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オフィスアワー(自由質問時間) |
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授業のねらいとカリキュラム上の位置付け(一般学習目標) |
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機械加工は、ものづくりにおける要素部品形状の具現化を行う手段の一つであり、最も古くかつ最も身近な加工技術である。加工部品の品質と機能を維持しつつ経済性(加工効率)を向上させるために、現在も進歩の過程にある重要な技術である。また、表面性状は加工部品の機能を左右する一因でもあり、表面粗さ測定および加工層の応力測定は加工の仕上がり状態を判断する重要な項目である。一方では、強度信頼性の面から、加工後の材料状態が疲労強度に与える影響に対しても研究が進められている。本講座では、各種機械加工および特殊加工の基礎から応用まで幅広い知識習得を目的とし、同時に、加工部品の性状評価、および強度信頼性に及ぼす機械加工の影響を理解して、現場でのものづくりに役立つよう配慮されている。 |
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達成目標 |
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1)加工の目的と加工法の種類を理解できる |
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授業計画(授業の形式、スケジュール等) |
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第1回 |
塑性加工の基礎と応用T |
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第2回 |
塑性加工の基礎と応用U |
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第3回 |
研磨加工の基礎と応用T |
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第4回 |
研磨加工の基礎と応用U |
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第5回 |
切削加工の基礎と応用T |
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第6回 |
切削加工の基礎と応用U |
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第7回 |
特殊加工の基礎と応用T |
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第8回 |
特殊加工の基礎と応用U |
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第9回 |
超音波による加工層評価の基礎と応用T |
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第10回 |
超音波による加工層評価の基礎と応用U |
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第11回 |
加工面の評価技術の基礎と応用T |
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第12回 |
加工面の評価技術の基礎と応用U |
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第13回 |
加工形状と応力集中 |
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第14回 |
表面処理による材料特性の改善 |
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第15回 |
疲労強度に及ぼす諸因子の影響 |
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キーワード |
塑性加工、切削加工、研削加工、特殊加工、加工面評価、加工層評価、応力集中、疲労強度 |
履修上の注意 |
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教科書・参考書等 |
授業で配布する資料 |
成績評価の方法 |
出席及びレポート |
備考 |
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先端機械・材料工学特論T:授業計画
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回 |
主題と位置付け |
学習方法と内容(講義概要) |
1 |
塑性加工の基礎と応用T (高辻) |
圧延や鍛造など様々な塑性加工において、材料の変形解析や加工機械の能力設定に際して必要となる塑性力学の基礎を講義する。 |
2 |
塑性加工の基礎と応用U (高辻) |
アルミニウム合金の押出し加工など、実際の塑性加工の具体例を挙げ、その加工技術の特徴と位置付けを重点的に講義する。 |
3 |
研磨加工の基礎と応用T (榎本) |
各種部品、製品の最終仕上げ加工法として多用される研磨加工について講義を行う。まず研磨加工の概要として主な適用分野を説明した後、切削加工や研削加工といった他の代表的な機械加工技術と対比しながらその特徴について述べ、機械加工における位置付けを明らかにする。つづいて研磨加工に関する基礎知識として用語、そして主な加工方式、加工装置を体系的に解説する。 |
4 |
研磨加工の基礎と応用U (榎本) |
研磨加工に関する基礎知識として砥粒、研磨剤や研磨布などの副資材について解説する。そしてそれら基礎知識を実際に応用するための方法論を、実例(ウェーハやディスク)を交えながら詳細に講義する。あわせて実用的な知識の獲得のために、最新の技術動向についても紹介する。 |
5 |
切削加工の基礎と応用T (山田) |
産業革命を起点とした切削加工の役割と歴史についてふり返り、切削加工システムの評価について説明する。また、最も単純な切削様式である二次元切削を通して、切りくずの生成機構と各種の用語を解説する。 |
6 |
切削加工の基礎と応用U (山田) |
被削性を評価する切削抵抗、仕上げ面粗さ、工具寿命、切りくずの処理性の4項目について説明する。また、各種の工具材料の特徴とその摩耗機構、および工具寿命方程式について解説する。 |
7 |
特殊加工の基礎と応用T (小原) |
放電加工、電解加工、レーザー加工、電子ビーム加工など、様々な特殊加工の種類とそれらの加工法の特徴について概説する。 |
8 |
特殊加工の基礎と応用U (小原) |
形彫り放電加工、ワイヤ放電加工を中心に放電加工の原理と特性、および、現在の開発動向などを概説する。 |
9 |
超音波による加工層評価の基礎と応用T (三原) |
超音波の入射・伝搬に関する基礎を概説し、加工表面の概観計測に対する超音波法の位置付け、および、内部欠陥の評価法について講義する。 |
10 |
超音波による加工層評価の基礎と応用U (三原) |
超音波の音速測定による弾性定数の計測の原理とその方法を概説し、超音波の減衰測定による材質評価、および、薄板や加工表面層への評価適用例を講義する。 |
11 |
加工面の評価技術の基礎と応用T (森田) |
加工面の幾何学的特徴の計測技術について講義する。まず、表面幾何形状パラメータと表面あらさ計測のためのセンサ比較について説明する。次に、代表的な表面あらさ計測法として、ダイヤモンド触針法,光学的測定法(焦点エラー法等)、走査型電子顕微鏡(SEM)法、走査型プローブ顕微鏡(SPM)法をとりあげ,その測定原理、測定精度および誤差要因について解説する。 |
12 |
加工面の評価技術の基礎と応用U (森田) |
加工表面の品質の評価技術について講義する。まず、加工面品質(Surface Integrity)の概念と意義ならびに評価指針について説明する。次に,加工面品質の評価手法として、電子関連分光法、光子関連分光法、分子振動分光法、イオン関連分光法に分類し、その原理と応用事例について解説する。最後に、残留応力と結晶性に関する評価手法として、X線回折法、顕微レーザラマン分光法、超音波顕微鏡法、ラザフォード後方散乱分光法をとりあげ、その原理と測定例を概説する。 |
13 |
加工形状と応力集中 (小熊) |
力学的負荷を受ける部材の孔、溝ならびに段などの形状変化部(総称して切欠き)に発生する応力集中に関して解説し、引張荷重や曲げ荷重などの負荷形式に依存する応力勾配について講義する。また、応力集中を緩和させるための加工形状について講義する。 |
14 |
表面処理による材料特性の改善 (小熊) |
加工表面の強度を向上させるために行われる浸炭や窒化などの表面硬化熱処理、および、圧縮残留応力付与のためのピーニング処理やバニッシュ処理などの機械加工について概説する。 |
15 |
疲労強度に及ぼす諸因子の影響 (小熊) |
疲労現象について基礎的なメカニズムを解説し、機械構造用部品の疲労設計基準となる疲労強度について概説する。次に、平滑材の強度低に対して、強度の低下因子となる切欠き効果、寸法効果、残留応力、および、表面粗さなどの影響について解説し、強度信頼性を確保するための機械加工における注意点について講義する。 |
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