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講義内容(シラバス)
IT・数値解析特論U
授業科目名 |
IT・数値解析特論U |
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担当教員(所属) |
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開講日程 |
6月−8月 土曜日1,2限 |
単位数 |
2単位 |
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連絡先(研究室、電話番号、電子メール等) |
佐藤雅弘(電話076-445-6736, |
オフィスアワー(自由質問時間) |
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授業のねらいとカリキュラム上の位置付け(一般学習目標) |
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近年,コンピュータの性能向上が著しい。それに伴って、製品の開発に数値シミュレーションを利用することが常識となっている。本授業では、電磁界、熱、振動、波動解析から化学計算まで、その理論と使い方を基礎から解き明かす。さらに、解析可能な物理現象の拡大や、コンピュータのパワーアップの現状を探る。 |
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達成目標 |
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1)数値解析の基礎的知識を学ぶ。 |
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授業計画(授業の形式、スケジュール等) |
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第1回 |
数値計算の基礎知識、コンピュータによる計算と筆算の違い |
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第2回 |
コンピュータ操作と第1回の例題演習 |
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第3回 |
電界、磁界、熱などの定常場問題の解析法 |
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第4回 |
第3回の例題演習 |
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第5回 |
量子化学計算の概要 |
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第6回 |
実習 |
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第7回 |
実習 |
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第8回 |
実習 |
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第9回 |
振動・波動のシミュレーション 講義1 |
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第10回 |
振動・波動のシミュレーション 講義2 |
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第11回 |
振動・波動のシミュレーション 実習1 |
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第12回 |
振動・波動のシミュレーション 実習2 |
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第13回 |
最近のシミュレーション技術 |
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第14回 |
HPC(high performance computing)の現在1 |
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第15回 |
HPC(high performance computing)の現在2 |
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キーワード |
コンピュータシミュレーション、電磁界、熱、量子化学、振動・波動、半経験的分子軌道法、非経験的分子軌道法、化学結合、化学反応熱、分子構造、分子振動解析 |
履修上の注意 |
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教科書・参考書等 |
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成績評価の方法 |
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関連科目 |
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備考 |
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IT・数値解析特論U:授業計画
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回 |
主題と位置付け |
学習方法と内容 |
1 |
数値解析の基礎知識、コンピュータによる計算と筆算違い (村井) |
コンピュータの操作法を覚えている人は多いが、科学技術計算に活用できる人はそれほど多くない。本講義は、実際に技術計算が実施できるようにする手始めとして、コンピュータによる計算で避けられない誤差についてまず説明し、その後、数値解析の基礎的な理論を説明する。また、いくつかの場における解析法の得失を概説する。 |
2 |
〔実習〕 (村井) |
実習用コンピュータとして工学部の教育用計算機システム(ECS)を使用予定である。ECSに不慣れであることから、まず、コンピュータ操作を習得し、最も簡単なプログラムとして2つの数を読んで四則演算を実施するプログラムを作成する。その後、データ補間や関数近似のプログラムを作成し、誤差の大きい計算を体験する。 |
3 |
電界、磁界、熱などの定常場問題の解析法 (村井) |
有限要素法と境界要素法の原理(重み付き残差法による定式化)を説明する。2次元のラプラス場およびヘルムホルツ場の例を取り扱う。また、次回の実習の準備として、計算の流れを説明する。現象の一部を観測して、そのデータから音源や電源などの現象の源を推定する逆問題についても触れる。 |
4 |
〔実習〕 (村井) |
計算モデルを設定して2次元場を解く。この際、既存のプログラムをベースとし、その一部を変更して目的とする場の計算を行う。まず厳密解が求まるような簡単な(長方形の)形状の場について計算し、つぎに、やや形状が複雑な場や不均質な場について計算を実施する。できれば、逆問題の例も体験する。 |
5 |
量子化学計算の概要 (吉村) |
イントロダクション 量子化学計算の種類 ・いろいろな物性値 ・dipole moment、ionization potencial、結合距離、 ・生成熱、異性体の安定性の比較と予想、反応熱、 ・振動解析と零点エネルギー ・IR・Ramanスペクトルの計算 ・NMRスペクトルへの応用 ・励起エネルギーとUVスペクトルの計算 ・電荷、フロンティア軌道と反応性指数 ・遷移状態の計算と反応のシミュレーション |
6 |
〔実習〕 (吉村) |
パソコンを用いてChemDrawやChem3D等のソフトを用いて分子を描き、計算の入力データを作成し、WinMOPAC等の半経験的分子軌道計算プログラムで計算を行い、いろいろな物質のdipole moment、 ionization potencial、 結合距離、結合角や生成熱を計算し、実測値との比較を行う。また電荷やフロンティア軌道を図示し、反応性指数からいろいろな試薬がどこに反応し易いかを予測する。 |
7 |
〔実習〕 (吉村) |
HPCでGAUSSIANプログラムを実行する準備と上記の入力データをGAUSSIAN用に変換し、実際に非経験的分子軌道法(ab initio法)によりいろいろな物質の構造最適化を行い、出力結果からdipole moment、ionization potencial、 結合距離、結合角や生成熱を読み取り、実測値との比較を行う。また電荷やフロンティア軌道を図示し、反応性指数からいろいろな試薬が、どの原子に反応し易いかを予測する。 |
8 |
〔実習〕 (吉村) |
同様にいろいろな化合物の構造を最適化し、それぞれ振動解析によりIRスペクトルを予想し、またTDDFT法を用いて励起エネルギーを計算して、UVスペクトルをシミュレーションする。また化学反応をシミュレートするために反応式のそれぞれの物質を構造最適化し、エネルギー及び、振動解析から零点エネルギーを求め、また必要に応じて遷移状態の構造を最適化し、反応のエネルギー図を完成させる。 |
9 |
振動・波動のシミュレーション1 (佐藤) |
以降4回の講義で、音波や固体の波動(以降,音波に対して弾性波と呼ぶ)・振動の解析を行う。特に、時間とともにどういう動きをするかを解析し、簡単なアニメーションを作ることを目的としている。この講義は、一部、電磁波の解析にも利用できる。1回目は、解析の基本となる物理式について講義する。 |
10 |
振動・波動のシミュレーション2 (佐藤) |
解析手法にfinite difference time domain (FDTD) 法を使う。従ってFDTD法の基礎について講義する。前回講義した物理式をどのように近似して解析するかを具体的に説明する。コンピュータに実行させる際の言語は、FORTRANを使う。大規模な計算の場合は、FORTRANが一般的に使われる。この講義では、FORTRANの基本的な規則と簡単な命令について講義する。よく知られているC言語とそう大きな違いはなく、計算に特化されているのですぐに覚えることができると思う。 |
11 |
振動・波動のシミュレーション (佐藤) |
以降2回、実際にプログラミングを行う。また、その解析結果から、アニメーションを作る実習を行う。今回は、音波に焦点を当てて実習を行う。 |
12 |
振動・波動のシミュレーション (佐藤) |
最後は、固体に衝撃を与えたときの振動の様子を解析する。前回の音波の解析と同様に、計算モデルを設定し、プログラミングを行う。音波と弾性波は、その基本物理式が異なるので、境界条件の設定法や吸収境界の設定法に違いがある。解析結果からアニメーションを作製し、弾性波の挙動を観察する。また、FDTD法による、固体のモード解析の方法について説明する予定である。 |
13 |
最近のシミュレーション技術 (西) |
シミュレーション技術は、日々進化している。解析できる分野が大きく広がっている。この講義では、最近のシミュレーション技術を概観する。 |
14 |
HPC (西) |
最近、スーパーコンピュータ並みの高速計算のできるコンピュータが安価で手に入るようになった。この後2回にわたって、高速計算機の現状について概観する。1回目は、並列計算、GPU(graophics processing unit)による高速計算について解説する。 |
15 |
HPC (西) |
インターネットなどの広域のネットワーク上にあるコンピュータ資源を結びつけ、ひとつの複合したコンピュータシステムとしてサービスを提供する仕組みをグリッド・コンピューティングと呼ぶ。最近、グリッド・コンピューティングのHPCへの応用が試みられている。この講義では、グリッド・コンピューティング技術について解説する。 |
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