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講義内容(シラバス)
先端環境・バイオ工学特論U
授業科目名 |
先端環境・バイオ工学特論U |
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担当教員(所属) |
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開講日程 |
8-10月 土曜日1,2限 |
単位数 |
2単位 |
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連絡先(研究室、電話番号、電子メール等) |
篠原寛明(生物棟5階6506号室、 |
オフィスアワー(自由質問時間) |
随時(できるだけ毎回の講義終了直後が望ましい) |
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授業のねらいとカリキュラム上の位置付け(一般学習目標) |
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ライフサイエンス・医療・創薬に関わる工学技術、生物を利用する有用物質の生産など、生命工学の現状と今後の広がりを理解する。 |
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達成目標 |
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1.医療・創薬に寄与するバイオセンサの開発と発展について理解する。 |
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授業計画(授業の形式、スケジュール等) |
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第1回 |
講義概要(この講義で何を学ぶか、また何を期待するか)と予定 |
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第2回 |
バイオセンサって知ってますか?(バイオセンサの基本構成から実用まで) |
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第3回 |
バイオセンサの発展と応用(遺伝子工学・細胞工学の利用から生体模倣センサまで) |
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第4回 |
アレイ技術、質量分析装置、高速DNAシークエンサー等の進歩と共に発展した分子生物学 |
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第5回 |
最新工学技術による疾患の解明と治療 |
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第6回 |
抗体医薬とは? |
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第7回 |
抗体作製の新技術 |
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第8回 |
複雑な脳のしくみ (学習・記憶メカニズムを中心として) |
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第9回 |
脳と機械をつなぐ技術 (Brain Machine Interface) |
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第10回 |
先端医療に利用される工学技術 |
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第11回 |
細胞から組織を作る組織再生医工学 |
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第12回 |
生物培養技術の進展開(大量培養技術から動物組織の培養まで) |
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第13回 |
共生系を活用した有用生化学物質生産法の開発 |
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第14回 |
分離挙動解析理論の新展開(モーメント解析法) |
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第15回 |
新規分離技術(ぺリキュラー材料、HILIC、生体分子間相互作用解析等) |
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キーワード |
生命工学、ライフサイエンス、医療、創薬、バイオセンサ、バイオ分析機器、抗体医薬、脳科学、食品製造 |
履修上の注意 |
生物学を大学で学んでいる必要はないが、できる限り自己予習(教養の生物学程度)をされることが望ましい。 |
教科書・参考書等 |
各講師が初回の講義時に指示します。 |
成績評価の方法 |
出席点、講義時の小テスト及びレポート提出の総合点で6割以上を合格とする。 |
関連科目 |
環境・バイオ1、機器分析2 |
備考 |
生物学、生命科学を大学で履修していない異分野の受講者でもわかるよう基礎から教授し、一方、学部で履修した専門分野の近い受講者にも十分最新の知見が修得できるように配慮する予定です。 |
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先端環境・バイオ工学特論U:授業計画
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回 |
主題と位置付け |
学習方法と内容(講義概要) |
1 |
講義概要と予定、そして講義の進め方に関する相談 (篠原) |
この講義の概要と予定を説明するとともに、受講生のバックグラウンドや何を期待して履修されたかを聞き、より関心を持てる講義になるよう相談します。 |
2 |
バイオセンサって知ってますか?(バイオセンサの基本構成から実用まで) (篠原) |
医療診断、創薬スクリーニング、環境計測、食品管理などで役立っているバイオセンサの基本構成、計測原理から実用までを紹介します。酵素センサ、免疫センサ、微生物センサなどを演示実験も入れて説明します。 |
3 |
バイオセンサの発展と応用 (篠原) |
遺伝子工学や細胞工学などのバイオテクノロジーの発展と半導体技術・光学計測技術などのエレクトロニクスの進展がドッキングした新規なバイオセンサの開発、さらには味覚や嗅覚など生体機能を模倣したパターン認識型バイオセンサの開発について紹介します。 |
4 |
アレイ技術、質量分析装置、高速DNAシークエンサー等の進歩と共に発展した分子生物学 (黒澤) |
2000年6月のヒトゲノム解読完了を契機に、バイオテクノロジーは生物学の範疇を抜け出し、電子・情報工学技術との融合をへて更に発展を続けている。現在のポストゲノム研究時代を支えているのは、網羅的解析を行うための高速高感度機器の開発と、得られた膨大なデーターを処理するための情報処理技術である。本講義ではこれら最新のテクノロジーを紹介する。 |
5 |
最新工学技術による疾患の解明と治療 (黒澤) |
第4回の講義に引き続き、その最新のテクノロジー、バイオ分析手法や機器の病気の診断・治療への応用などについて紹介する。 |
6 |
抗体医薬とは? (磯部) |
現在、抗体医薬と呼ばれる医薬品が注目を集めている。人は本来、体内に侵入・発生した異物や微生物 (抗原)から体を守るため、「抗体」を産生している。この抗体を薬として用いることで、これまで有効な治療法がなかったリウマチや癌に対して優れた効果を持つ抗体医薬が開発されつつある。本講義では現在どのように抗体医薬が利用されているのかについて解説する。 |
7 |
抗体作製の新技術 (磯部) |
抗体医薬は、本来ヒトが産生する生体防御分子を利用することから、副作用が少なく大きな効果が期待できる。しかし、治療効果の高い抗体を開発するには、有益 な抗体をできるだけ効率的に単離し、生産に結びつける必要がある。本講義では現在どのような手法で抗体のスクリーニングが行われ、どのように生産されているかについて解説する。 |
8 |
複雑な脳のしくみ (川原) |
脳の機能は、様々な神経細胞がお互いに結合して神経回路を形成することにより発揮される。したがって、脳研究では、個々の要素の性質と集団のマクロな性質がどのように関わっているかを良く理解することが重要である。本講義では神経細胞の電気的性質から、それらが構成する神経回路の性質、そして、脳の中の様々な領域が関わる学習・記憶に関して概説する。 |
9 |
脳と機械をつなぐ技術 (川原) |
近年、様々な身体的障害を持つ人の機能を補完するために、脳の神経活動を測定し、それに基づいて補助器具や機械を動かす技術の開発が試みられている。この技術は障害福祉のためだけではなく、人間の脳機能(情報処理能力)を拡張させる可能性も秘めている。本講義では、動物を用いた研究を中心に脳神経活動の測定技術と人への応用や問題点を概説する。 |
10 |
先端医療に利用される工学技術 (中村) |
診断機器、治療機器など医療の現場においては様々な工学技術が応用されている。そのしくみや原理を通して、工学技術がいかに医療の進歩と関わり、貢献しているかを解説する。 |
11 |
細胞から組織を作る組織再生医工学 (中村) |
疾病や外傷などによって失われた組織や臓器機能を細胞の力を用いて修復・置換・再現・増強する再生医療や組織工学。その基礎と現状、問題点を概説し、最先端の研究について紹介する。 |
12 |
生物培養技術の進展開 (星野) |
生物の代謝機能を活用した物質生産や動植物組織による各種生理活性評価・モデル化など生物を用いた技術開発はその用途の広がりとともに急速に進んでいる。特に、培養技術は、生物の代謝・機能解明などとともにその生物の特性を十分発揮させるための培養素材の開発、培養条件、培養装置などが行われており注目される技術になってきた。本講義では微生物による工業化を目指した大量培養技術から皮膚等の三次元培養技術まで最先端な技術を紹介する。 |
13 |
共生系を活用した有用生化学物質生産法の開発 (星野) |
水環境、土壌環境、発酵食品内や体内の消化管などでは多種多様な生物が共生している。これらの環境では、同種生物間及び異種生物間の物質移動・接触などの相互作用により、その代謝や物質生産の調整・制御が行われていることが次第に明らかになってきた。そこで、このような共生系を活用した物質生産の実例を取り上げ、そこで活躍している生物の分析方法、共生系解析培養技術などを解説するとともに、今後の動向について展開について紹介する。 |
14 |
分離挙動解析理論の新展開 (宮部) |
高速液体クロマトグラフィーは、バイオテクノロジー、医学薬学やファインケミカルなどの様々な分野で幅広く使用されている。その分離挙動を解析する場合、従来から「段理論」と「速度論」が利用されてきた。現在では新たに、モーメント理論がクロマト分離系の保持平衡や物質移動速度の定量的な解析に利用されている。本講義では主に、モーメント解析理論の概要を解説し、クロマト分離系への適用について紹介する。 |
15 |
新規分離技術 (宮部) |
高速液体クロマトグラフィーには、現在も更なる高性能化、高速化とミクロ化が要求されており、これに対応した新規分離システムおよび、様々な構造的特徴(形状や多孔性)を有する分離材が開発されている。本講義では新規分離系の具体例として、ぺリキュラー分離材と親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)を採り上げ、その分離特性を解説する。またクロマトグラフィー系を利用する生体分子間相互作用の解析法について、その概要を紹介する。 |
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