富山大学理論物理学研究室

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Abstracts (academic year 2020)

宇宙線で加速された暗黒物質の直接検出 (Ryosuke Sato)

質量がsub-GeVの暗黒物質は、原子核との散乱で原子核が受けるrecoil energyが小さくなるため、暗黒物質直接探索実験における制限が比較的弱い。 しかし、暗黒物質が通常の想定より大きな運動量を持っていれば、質量がsub-GeVであっても比較的大きなrecoil energyを与えることができるようになり、探索できる可能性が生じる。 本セミナーでは、暗黒物質が銀河内を飛び回る宇宙線との散乱により加速され、その加速された暗黒物質を地上実験で探索できる可能性について議論する。

固体中の「アクシオン」を用いた軽いボソン暗黒物質の直接探索(So Chigusa)

ある種の物性系には、アクシオンのような電磁相互作用を持った励起状態が存在することが知られており、このような「アクシオン」は電磁相互作用を介して暗黒物質と相互作用しうる。我々の論文では、「アクシオン」とスピン波の励起状態であるマグノンとの関係性を、量子力学を用いて議論した。さらにこの定式化を暗黒物質の直接探索に応用し、QCDアクシオンを含むALPsや暗黒光子など、軽いボソン暗黒物質が「アクシオン」に変換される過程の反応率を見積もった。今回のトークの目的は、「アクシオン」の正体や「アクシオン」が暗黒物質の探索において果たす役割などを、素粒子物理の研究者にわかりやすく伝えることである。

Reference: arXiv 2102.06179

ヒッグス自己結合とスファレロン(Masanori Tanaka)

本講演では,将来の加速器実験で測定可能なヒッグス3点結合と,電弱理論における場の方程式の非摂動解スファレロンの関係について議論する. 特に電弱一次相転移が実現可能な2つの代表的な拡張ヒッグスモデルに注目し,ヒッグス3点結合の測定を通じて,電弱バリオン数生成のシナリオで重要と なるスファレロン脱結合条件を検証できることを示す.本講演の内容はPhysics Letters B 809 135711 (2020)に基づく.

Reference: Physic Letter B 809 135711 (2020)

CP-violating Higgs model canceling the electric dipole moment(Mitsunori Kubota)

素粒子標準理論の未解決問題の一つである宇宙のバリオン数非対称性は、理論に新たなCPの破れ等の新物理を要求する。CPを破る拡張ヒッグス模型は、それらを満たしバリオン数生成できる良い候補であるが、追加のCPの破れは電気双極子モーメント(EDM)の探索実験から強く制限を受けている。本講演では、一般の Two Higgs Doublet Model(ヒッグス二重項場を2つ含む拡張模型)に注目し、ヒッグスポテンシャルと湯川相互作用のそれぞれから生じるCP位相を考える。これら位相のEDMへの寄与における相殺を考えることで 、EDM制限に抵触することなくO(1)radのCP位相を獲得できることを示す。またその検証可能性についても議論する。本講演は arXiv:2004.03943 [hep-ph] に基づく。

Reference: arXiv:2004.03943 [hep-ph]

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