富山大学理論物理学研究室

English

Abstracts (academic year 2021)

Origin of pseudo-Nambu-Goldstone dark matter and grand unification (Yoshihiko Abe)

擬南部-ゴールドストン粒子(pNGB)は、現在の直接探索実験の厳しい制限を自然に回避する、暗黒物質の魅力的な候補である。 しかし、pNGBを有質量粒子にするために加える質量項は、対称性を弱く破る項として存在が仮定されている。 我々の先行研究では、ゲージ化したU(1)_{B-L}に基づいたpNGB暗模型を構築し、pNGBが長寿命暗黒物質となることを示した。 本セミナーでは、この模型のSO(10)大統一理論の枠組みへの埋め込みを考え、pNGB暗黒物質の起源と力の大統一についての関係を示す。 先行研究ではフリーパラメータであった、U(1)_{B-L}の対称性の破れのスケール、U(1)_{B-L}対称性のゲージ場の結合定数、そしてU(1)_{B-L}とU(1)_{Y}ゲージ場のkinetic mixingの3つの値が、力の大統一によって決定されることを議論する。 特に、力の大統一は対称性の破れのスケールが以前の模型で想定していたものよりも低くなることを要請することを示し、現在の残存量を熱的に再現し、観測と整合的である長寿命な暗黒物質の質量は100 GeV程度になることを見る。 本研究は、藤間崇氏、津村浩二氏、山津直樹氏との共同研究Phys. Rev. D 104, 035011(arXiv:2104.13523 [hep-ph])に基づく。

Primordial magnetic fields and its impact on the baryon asymmetry of the Universe
(Kohei Kamada)

Primordial magnetic field is an important subject both in particle physics and cosmology since it is not in thermal equilibrium and in principle can carry the information of the very early Universe. In particular, if the magnetic fields are generated before the electroweak symmetry breaking (EWSB), some nontrivial phenomena can take place through the chiral anomaly and the chiral magnetic effect. In this talk, I will show that the baryon asymmetry of the Universe can be generated mainly at the EWSB if the hypermagnetic fields are helical. The constraints from the baryon isocurvature perturbations are also discussed. I will also discuss possible origin of such hypermagnetic fields, that is, axion inflation (and the nontrivial role of the right-handed neutrinos) and chiral plasma instability. Implications on the observations of the intergalactic magnetic fields will also be presented.

What if a neutrinoless double beta decay is absent (Hiroyuki Ishida)

In this talk, I consider the minimal extension of the standard model by introducing two Majorana right-handed neutrinos whose masses are assumed to be less than the electroweak scale. In this model, one of the nuclei which in principle can cause the neutrinoless double beta decay would not provide any lepton number violating signals due to contribution from one of right-handed neutrinos conceals it. Even in this case, however, I show that such information can give us some hints to search for right-handed neutrinos in the future experiments. I also discuss the impact of the difference among nuclei.

Abstracts (academic year 2020)

宇宙線で加速された暗黒物質の直接検出 (Ryosuke Sato)

質量がsub-GeVの暗黒物質は、原子核との散乱で原子核が受けるrecoil energyが小さくなるため、暗黒物質直接探索実験における制限が比較的弱い。 しかし、暗黒物質が通常の想定より大きな運動量を持っていれば、質量がsub-GeVであっても比較的大きなrecoil energyを与えることができるようになり、探索できる可能性が生じる。 本セミナーでは、暗黒物質が銀河内を飛び回る宇宙線との散乱により加速され、その加速された暗黒物質を地上実験で探索できる可能性について議論する。

固体中の「アクシオン」を用いた軽いボソン暗黒物質の直接探索(So Chigusa)

ある種の物性系には、アクシオンのような電磁相互作用を持った励起状態が存在することが知られており、このような「アクシオン」は電磁相互作用を介して暗黒物質と相互作用しうる。我々の論文では、「アクシオン」とスピン波の励起状態であるマグノンとの関係性を、量子力学を用いて議論した。さらにこの定式化を暗黒物質の直接探索に応用し、QCDアクシオンを含むALPsや暗黒光子など、軽いボソン暗黒物質が「アクシオン」に変換される過程の反応率を見積もった。今回のトークの目的は、「アクシオン」の正体や「アクシオン」が暗黒物質の探索において果たす役割などを、素粒子物理の研究者にわかりやすく伝えることである。

Reference: arXiv 2102.06179

ヒッグス自己結合とスファレロン(Masanori Tanaka)

本講演では,将来の加速器実験で測定可能なヒッグス3点結合と,電弱理論における場の方程式の非摂動解スファレロンの関係について議論する. 特に電弱一次相転移が実現可能な2つの代表的な拡張ヒッグスモデルに注目し,ヒッグス3点結合の測定を通じて,電弱バリオン数生成のシナリオで重要と なるスファレロン脱結合条件を検証できることを示す.本講演の内容はPhysics Letters B 809 135711 (2020)に基づく.

Reference: Physic Letter B 809 135711 (2020)

CP-violating Higgs model canceling the electric dipole moment(Mitsunori Kubota)

素粒子標準理論の未解決問題の一つである宇宙のバリオン数非対称性は、理論に新たなCPの破れ等の新物理を要求する。CPを破る拡張ヒッグス模型は、それらを満たしバリオン数生成できる良い候補であるが、追加のCPの破れは電気双極子モーメント(EDM)の探索実験から強く制限を受けている。本講演では、一般の Two Higgs Doublet Model(ヒッグス二重項場を2つ含む拡張模型)に注目し、ヒッグスポテンシャルと湯川相互作用のそれぞれから生じるCP位相を考える。これら位相のEDMへの寄与における相殺を考えることで 、EDM制限に抵触することなくO(1)radのCP位相を獲得できることを示す。またその検証可能性についても議論する。本講演は arXiv:2004.03943 [hep-ph] に基づく。

Reference: arXiv:2004.03943 [hep-ph]

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