富山大学理論物理学研究室

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理論物理学 研究室

富山大学 理論物理学 研究室は、富山大学(五福キャンパス)理学部1号館2階にあります。
当研究室の教員は学術研究部理学系、大学院生は大学院理工学教育部に所属し、 主に以下のような研究を行っています:

素粒子現象論

素粒子標準理論を超える新しい素粒子の理論模型を考案し、各種の素粒子実験でどのように検証できるかについて研究しています。特に、以下のような研究テーマを取り扱っています。

  1. 拡張ヒッグスセクターの構造
  2. ニュートリノの質量生成の機構
  3. フレーバーの構造

このような研究を通して「素粒子標準理論を超える物理の理論の姿を解明すること」を目指しています。

素粒子論的宇宙論

上記で述べた素粒子理論の拡張は、宇宙の未解決問題に取り組む上でも新しいアプローチをもたらすことがあります。こうした学問分野は素粒子宇宙論と呼ばれています。本研究室では、以下のような未解決問題に取り組んでいます。

  1. 宇宙のバリオン数非対称をどのように説明するか
  2. 暗黒物質の正体は何か
  3. 宇宙のインフレーションをどのように実現するか

これらの宇宙の問題を解決する素粒子の模型と素粒子実験・宇宙線観測との整合性を調べ、 初期宇宙の発展の様子を明らかにすることを目指しています。


学生生活

当研究室への配属を希望する方へ

当研究室への配属を希望する学生の方には、必修に加えて以下の科目の取得を推奨しています。

  1. 物理学演習 I・II・III
  2. 物理数学IIA・IIB
  3. 力学IIA・IIB
  4. 量子力学II
  5. 相対性理論A・B
  6. 核・素粒子物理学
これらの科目習得を通して、物理系ごとに適切な近似を適用し、数学的な言語で自然現象を理論的に記述する力を養ってください。 配属後は、学部三年間で培った基礎をもとにして、素粒子・宇宙の物理系を勉強していきます。

4年生

学部3年末の研究室配属で当研究室を選んだ学生は、4年次の1年間をかけて素粒子物理学や宇宙論を理解する上での基礎となるテキストを輪読します。
週に1−2回程度ゼミを開催し、みんなで疑問点や解釈を議論します。洋書(英語のテキスト)を読むことが多く、専門的な内容を英語で理解する技術を培うことが目的です。 以下が代表的な参考文献の例です:

  1. "Modern Particle Physics" [2025年度ゼミ使用]
    Mark Thomson, 2018, Cambridge University Press
  2. "Concepts of Elementary Particle Physics"
    M.E. Peskin, 2019, Oxford University Press
  3. "Quarks and Leptons: An Introductory Course in Modern Particle Physics"
    F. Halzen and A.D. Martin, 1984, John Wiley & Sons Inc.
  4. "A first course in General Relativity"
    B. Sshutz, 2009, Cambridge University Press
  5. "The Early Universe"
    E. Kolb, 1994, Westview Press

後期の半年間は、各自のテーマで卒業研究に取り組みます。大学院に進学する学生さんは、以下のような卒業研究テーマに取り組みました。

  1. 坂井啓悟さん, "電子の異常磁気モーメント ~量子効果1次の計算~ " [2024年度卒 名古屋大学 大学院進学]
    (参考文献: Peskin & Schroeder, 1995, CRC Press)

修士課程

修士課程1年次より本格的な素粒子物理学の勉強・研究を開始します。修士課程1年次には場の理論の基礎を学び、標準的には以下の教科書を勉強します。

  1.  "An Introduction To Quantum Field Theory"
    M.E. Peskin & Daniel V. Schroeder, 1995, CRC Press

このテキストの勉強を通して、素粒子論の研究に必須となる場の量子論の計算技能を身につけます。修士課程2年次からは個人の興味に応じてテーマを選び、研究を行います。 週1回程度開催するゼミでは教員との議論や学会発表の練習なども行います。

博士課程

 博士課程では研究活動の専門性が高まり、教員や外部機関の研究者も交えた議論を通じ素粒子標準理論の諸問題の解決を目指して研究を進めます。国内外の学会への参加・発表も行います。
 専門的な技術の習得を目指すため、海外の研究機関に二週間程度の短期滞在を行い、専門家と直接議論することもあります。 近年の派遣実績は以下をご覧ください。

  1. 大澤周平(D3), マインツ理論物理学研究所(MITP) @ドイツ 研究滞在, 2025.5.4-15

外部機関との交流

  1. 理論物理学セミナー
  2. 月1回程度、国内外の研究機関の研究者を招き、 専門の研究発表をしていただく理論物理学セミナーを開催しています。 詳しいセミナー情報は【indico】のページをご覧ください。

  3. 新ヒッグス研究会
  4. 全国の素粒子物理学の研究者を集めた、ヒッグスセクターと新物理模型の現象論を議論するための勉強会に参加しています。勉強会は4ヶ月に1回開催されます。

  5. 北陸信越地区素粒子論グループ研究会
  6. 北陸信越地区の大学・研究機関の素粒子論の研究者・大学院生が集まって研究会を開いています。年に一度(例年 春~夏の時期)開催されます。

  7. 国際研究集会
  8. 新物理模型の現象論、宇宙論について討論する国際研究集会を開催しています。隔年開催で通常は2月頃に行なっています。

Collaborations

KMI Science Communication Team

 

Projects


ILC Project

NHWG

DMWG

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