プロジェクトの趣旨と概要

●趣旨

 日本の地方鉄道路線の多くは、大変厳しい状況におかれていますが、鉄道の近代化・利便性向上・利用促進は世界の交通政策の大きな流れとなっています。カーボンニュートラルの達成や地域の活性化、自動車を使えない人や高齢者の移動を支えることなど、鉄道には様々な社会的役割があるからです。
 日本では、採算のとれない鉄道は価値のない鉄道であるかのように言われることもありますが、そのような発想は日本特有のものであって世界の標準的な考え方ではありません。経済理論的にも、鉄道で採算をとろうとすることはむしろ社会全体の利益につながらないということははっきりしています。

 日本の多くの地方鉄道路線は、利便性低下と利用者減が繰り返される負のスパイラルに陥ってきましたが、国内においても、地域全体の利益につながる鉄道を目指して、自治体と鉄道事業者が協力して地域に貢献する鉄道として運行されている路線もあります。
 「地方鉄道活性化支援プロジェクト」は、このような前向きな路線運営をしておられる自治体や鉄道事業者の皆さんと長年にわたって情報交換しながら研究と実践を行ってきた富山大学 都市・交通デザイン学科の教員が、その知見を活かして全国の多くの路線の再生・活性化に協力するものです。

●目的

 再生・活性化のために、調査・計画策定・政策立案・政策実施などを目指しておられる全国の地方鉄道路線の沿線自治体・鉄道事業者あるいはその支援を目的とされる経済団体等からの依頼を受けて、依頼者とともに考えながらその路線の将来の姿を描くことを目指します。

●実施方法

 富山大学の学術指導として実施します。
 まずは、「お問合せ」ページの連絡先にご連絡下さい。