Science Alumni Association,University of Toyama 

富山大学理学部同窓会は,富山大学理学部の卒業生・修了生・教職員との交流,親睦を図り,併せて理学部の発展に寄与し,社会に貢献することを目的として,各種の事業を行っています.
Updated Date: 2017.09.21
国立大学法人富山大学理学部同窓会 2021年3月3日現在
1.会長就任に当たって
昨年(2017年)7月22日(土)の年次総会に於いて,川田邦夫前会長の後を継いで,第4代の同窓会長に就任しました高井です.
私は,川田研究室の第1回卒業生であり,先生が進めていた黒部の泡雪崩(ほうなだれ)の観測や厳寒の室堂平での積雪調査の手伝いをしてきた最初の学生でした.1973年(昭和48年)年3月に,文理学部理学科(物理学専攻:結晶物理学講座=通称物理3研)を卒業し,当時五福にあった計算センターに行政職の文部技官として就職しました.
以来,計算センターに3年5か月,計算機センターに8年2か月,情報処理センターに11年6か月,総合情報処理ターに6年11か月,総合情報基盤センターに13年間の,計43年間を,5回の組織改編を経て,技術職員から計算機センター業務主任・情報処理センター業務主任の文部技官15年,文部教官助手8.5年,助教授6.5年,教授13年を,オペレーター,プログラマー,システム・エンジニア(SE),情報処理システム分析/設計/調達/開発/運用/管理者,ネットワーク・システム管理者,データベース開発管理者,情報セキュリティ管理者,講習会講師/公開講座講師,ICTマニュアル・解説書のテクニカル・ライター,研究者,情報処理科目担当教員,教科書の編集者(22年間22冊発行)など,様々な職種を経験しながら,大学の情報化を進めてきました.
当時は景気拡大を狙った政府の補正予算が,5億から10億円の規模で度々着き,計5回にわたるキャンパス情報ネットワークの敷設と,総ての研究室や実験室・講義室などへの情報コンセントの設置,学術情報ネットワークへの接続回線接続と高速化への度重なる更新,BITNETからBクラスIPアドレスを取得してのインターネットへ接続など,国際学術ネットワークへの接続を実現してきました.
2.歴代会長を振り返って
初代会長の平田卓郎様には,文理学部が改組して理学部が誕生した昭和54年から28年間に渡り会長として,同窓会の礎を築いていただきました.
第2代の会長の北野芳則様には,同窓会に活力を吹き込んで頂き,キャリア・デザイン講座の支援,理学部として統一した学位記授与式の開催や活動委員会の発足により同窓会の機能を分担して,活動の活性化を実現してきました.また,全学規模の同窓会連合会の第2代会長を2期4年間務められ,新生富山大学全体の同窓会の進むべき道と役割を明確にして頂きました.
第3代の川田会長には,キャリア・デザイン講座の正式授業化に伴い,幅広い講師陣を招待し,工場見学も恒常化しました.サイエンス・フェスティバルでの支援,理学部ホームカミングデーの実施,多くの同窓生の参加により同窓会結成60年記念式典を,盛大に開催することができました.
では,第4代会長の高井は何を目指すべきでしょうか.
3.理学部同窓会の現状は「自転車操業」
最後の「事務局通信」に掲載しました平成29(2017)年度の一般会計収支決算書,特別会計収支決算書,会計監査報告書を見ていただければ,当該年度だけの収入だけでは,毎年100万円以上の赤字が続きます.民間会社なら,このままでは倒産してしまいます.
加えて,今年度から「地球科学科」が新学部「都市デザイン学部」に移行し,会員40人分の入会費80万円が収入から減額となります.従って,抜本的な改革を進めないと,現在の「自転車操業」も破綻します.
同窓会報の印刷と発送を取り止めれば,110万円程の支出を抑えることができます.しかし,この会報こそが,同窓会員と理学部,同窓会員同士を繋ぎ,コミュニケーションを取ることができる重要な媒体(メディア)なので,同窓会長としては,これだけは中止したくないと考えています.
4.同窓会の目的を達成するためのコア事業
理学部同窓会の目的は,会則の第2条にあるように,「本会は,会員相互の親睦を篤くし,合わせて国立大学法人富山大学理学部との連絡を密にし,その発展と社会への貢献に寄与することを目的とする.」です.
この目的を達成するための事業は,以下の6つです.
(1) 国立大学法人富山大学理学部との連携・協力
(2) 交流会・講演会等の開催
(3) 会員相互の親睦を篤くする事業活動
(4) 会員名簿の整備,発行
(5) 全学同窓会連合会事業活動
(6) その他本会の目的達成するための事業
これを具体化した,コア(核となる)事業は次の通りと考えています.
(1)同窓会報を通して同窓会員と理学部,さらに会員同士のコミュニケーションを取り合うこと
同窓会報を媒体にして,理学部から同窓生に対し,理学部の現状と活躍する学生の活動記録を伝え,現在行われている教育・研究内容の最新情報を紹介すること.同窓生からキャンパス時代と生活を振り返って,今思うことや,先輩・同僚・後輩へ伝えたいこと,ビジネスや研究開発の一端を披露して,地域や社会から広く意見やアイデア,知恵や人材を求めたり,交流したいことを伝えることができます.
会報という媒体を通して,1年間の活動を記録し伝えること,同窓会員と理学部,会員同士の情報交換の場を提供し,コミュニケーションを取り合うことは必要不可欠です.
(2)会員名簿を発行し,会員の消息を取り合うこと
会員名簿の整備と定期的な更新情報を会員に伝えるため,会員名簿を4年1回発行しています.これは同窓会活動の最も基本的な活動であり,名簿の管理がなければ,同窓会の存在意義はないと言えます.
(3)同窓会員から寄付金を集め,大学経営を支援すること
同窓会活動の3つ目の重要な仕事は,同窓会員から寄付金を集め,理学部と大学の経営を支援することです.
あのハーバード大学の年間寄付金の総額が,大学の経営経費の約2倍だと聞いています.巨額の寄付金で,大学の経営を支え,寄付者の名前を冠した建物やホールが建てられ,その維持管理や運営に当てられています.
本学の黒田講堂は,主として家具メーカーのコクヨの寄付金によって建てられました.その後の再建築は,同窓生からの多くの寄付金と,コクヨの寄付によって実現しました.
今後,同窓生の寄付金によって,同窓会館や,海外の大学に見る全天候型の競技場/体育施設,県外に保養所/研修・宿泊施設などを設けて,本学の学生/教職員の他,同窓生も利用できるようになれば,大学の教育・研究の発展と同窓会活動の活性化に寄与できるものと確信しています.
世の中がスムースに動くにはGive and Takeが基本です.インターネットが「善意のGive and Take」で運営されているように,同窓生の一方的な寄付や活躍だけでは,社会は上手く動いてくれません.大学からの同窓会に対しても,良い教育によって,社会を牽引し指導できるような人材を排出し,社会的なインパクト・貢献を期待できる研究を通して,富山大学理学部と富山大学の健闘を,世に知らしめて頂ければ,寄付した甲斐があり,同窓生として誇りに思います.理学部同窓会としても,このような理想的な財政支援を,恒常的に実現していくことが,同窓会の使命と思っております.
(4)同窓会の各種行事を通して会員の親睦を図り,地域と社会へ貢献すること
同窓会では,以下の事業をメインに実施して,地域と社会への貢献に寄与しています.
1)7月第4土曜日開催の年次総会,記念講演会,懇親会
2)理学部ホームカミングデー(サイエンス・フェスティバル初日)
3)工場見学/施設見学(2か所程度を予定)
4)理学部キャリアデザイン講座(2年次受講可)
5)富山支部講演会,懇親会(定期的な同窓会懇談会の開催)
※:詳しくは理学部同窓会ホームページで案内を確認願います.
5.課題の解決に向けて
(1)電子メール・アドレスの登録による同窓会からの連絡
同窓会員のe-Mail Addressを登録し,希望者へ同窓会からの連絡,Mail Magazineを活用し,最近値上がりした「ゆうメール」などへ対抗し,通信経費を大幅に削減します.
(2)ホームページを改訂し,PC/Tablet/Smartphone対応
最近はホームページの閲覧の7割以上がSmartphoneを使用して行われており,PC/Tablet/Smartphoneに対応したWEBページ造りを実現したい.そのためには名誉教授の会のページのように,総合情報基盤センターの大容量仮想サーバーを安価にレンタル(月千円,年1万2千円)し,各種行事の写真や短い動画も配信出来るようにしていきたい.
もちろん,会員からの住所変更や年次総会への出席通知,各研究室同窓会開催案内,トピックスの掲載なども,WEBページを経由したツールへの変更を実現したい.
(3)同窓会報の電子ブック化で,動画配信も実現し,作成経費の大幅削減を実施し,PC/Tablet/Smartphone対応
会報のe-Book化は,地方新聞の北日本新聞社がWEBUN配信をしているように,世界的な流れであり,ICT時代を乗り越えていくためには,必須の課題と考えています.書籍のe-Book化は非常に遅れていますが,週刊誌などは月500円程度の会費で,20冊以上の週刊誌が読み放題できるようになってきました.理学部同窓会誌The Basisもe-Book化を実現して,PDFはもちろん,文字の大きさや配列を,端末や画面の大きさにあわせて変更できるEPUB,インタラクティブPDFなど,多様な形式を提供して,e-Book化に対応していきたいと思います.
6.会員各位の協力のお願い
理学部同窓会は新しい時代に適応していこうと,変革の時期を迎え,様々な課題を解決し,末永く「理学」を志す後輩諸君を導き,会員同士の親睦を深めて,地域社会はもとより,日本,世界に貢献していきたいと考えています.
会員各位には,同窓会費の安定的な確保のため,入会費の100%納入と,寄付金その他の会費を通じての財政的支援,同窓会活動へのご理解とご支援をお願いします.
理学部は基礎科学を担う重要な学部です.私たち同窓生は理学部卒業生であることを誇りにして,富山の地域,日本,世界を牽引する人材を輩出し,地域社会と理学部の発展に貢献するため,これからも誠心誠意応援していきたいと考えています.皆様のご協力をお願いします.
2018年6月6日
理学部同窓会長 高井正三
昨年の理学部同窓会総会において、同窓会長に推されて就任しました川田です。理学部同窓会のあり方を現在の社会状況を踏まえ、立て直された北野前会長の後を受けるのは、大変荷の重いことですが、同窓会の活性化を計り、少しでも大学や社会のお役に立つことができるように頑張ろうと思っています。副会長の高井さん、石黒さんはじめ役員の方々、顧問の北野前会長や理学部の先生方のご協力、ご指導を得て、現役の学生さん達と共に運営していきたいと思います。
昨年度末頃でしたが、理学部同窓会の新会長として、副会長、前会長、前々会長等と共に旧制富山高校(新制の富山大学文理学部の前身)の90周年の同窓会に招待されて出席しました。お世話する方も高齢になられ、この旧制の同窓会を解散するということでした。沢山の参加者の中には、我々もよく存じている富山県を発展させてきた経済界や教育・文化方面で活躍された方達が多くおられました。そして同窓生としての何か強い気概と繋がりを感じ、同窓会のあるべき姿を見たように思いました。
最近社会へ巣立った卒業生の皆さんや在学生の皆さんを比較してしまいますが、どのように変化しているでしょうか? 昔、旧制の高校や大学で学ぶことのできた人達はある程度恵まれた環境におられた違いはあるかもしれません。現在の大学に学ぶ人達の環境は恵まれているにも関わらず、夢や目標へ向かう強い意識が少し弱まっているかもしれません。社会情勢の変化と共に、或いは文部科学省の方針の曖昧さも加わって、現在の学生達の考え方も変化しているのでしょう。先の会長が就職した卒業生の方々のその後の動向を調べられて、企業に入った多くの人が意外に早く職場を変えているという実態を報告され、小生も少し驚いた次第です。これをもって、辛抱の弱さや信念の無さを云々することはできませんが、これらの点は昔の方々と多少とも異なる気概の変化があるような気がしました。
私の経歴は自慢のできるものではありませんが、蓮町にあった文理学部校舎で入学試験だけを受けた理学科物理学専攻の14回生でした。卒業後、指導を受けた小笠原先生の世話で、東京にある芝浦工業大学の物理学教室の助手になり、4年間を務めましたが、専門を地球物理学に変更してここを辞し、北海道大学大学院へ進みました。当時すでに亡くなっておられましたが、雪の研究で有名な中谷宇吉郎先生の仕事に興味があったからです。貯金と退職金数十万円を頼りに北海道へ渡り、ここで雪氷学を学びました。中谷先生のお弟子さん達が私の先生でした。雪氷学の中で、自分なりのテーマを見つけ、社会に貢献したいという希望がありました。「ボーイズ、ビーアンビシャス」の精神を求めたのかもしれません。山が好きな私は自然と雪をテーマにしたフィールドサイエンスが自分の仕事となりました。黒部峡谷の大規模表層雪崩、立山の積雪研究、そして日本南極地域観測隊のプロジェクト研究で、2度越冬して氷河氷の掘削事業に関わりました。
今の大学は政権や大臣が交替する毎に資金や運営方針が変更となり、大学人としては誠に不安定な状況にあるといえます。「社会への貢献」とか「人類のために」という大きな願いは、持ち続けなければいけません。そんな時勢にある理学部同窓会としては、ここに学ぶ学生達が気概のある目標を持ち、楽しい学生生活を過ごされるように、貢献したいと考えます。理学部のカリキュラムの中にキャリアデザインの講義を入れ、会社・工場の見学、サイエンスフェスティバル、オープンキャンバスなどへの支援・協力をやっています。今後とも理学部との関連を強め、同窓会が活発に機能するよう、努力したいと思います。
2014年6月20日
理学部同窓会長 川田邦夫
このたびの同窓会総会において理学部同窓会長に就任した北野です。YKK退社を機に、社会・地元・大学に貢献できる可能性があるならばと思い会長を引き受けさせていただきました。副会長の川田さん、西野さんはじめ別紙役員や先生方や現役学生さんとともに同窓会の運営に当たりたいと考えていますので宜しくお願いします。
理学部についていえば、富山大学文理学部は昭和24年5月の設立から始まり、同窓会についていえば、昭和28年3月第1回理学科同窓会、昭和52年文理改組の後、昭和55年理学部同窓会を経て今日に至っていると聞いております。この間、第1回目から今までの長きに亘り、会の運営にご尽力されてこられた平田会長、石川、高桑副会長には大変なご苦労があったと思います。心より感謝申し上げます。また、今回の就任にあたっては平田会長はじめ各氏からのお薦めもいただいており、非常に心強く思っています。
さて、新生富山大学や理学部に対する思い、さらには理学部同窓会への思いということで、最近の私の思いを述べさせていただいて、皆様方へのご挨拶にさせていただくと同時にご協力とご支援をお願いしたいと思います。
ご存知のとおり、富山大学は2005年10月に統合されました。「知の東西融合」、標高差4000mという立山連峰-富山湾の「水の大循環」という自然を背景にした富山大学独自の環境のもとで、大きく期待されるものがある一方、その分西頭学長はじめ関係者の果たすべき使命・苦労も大きいものと思っています。
同窓会においても昨年、富山大学同窓会連合会が発足し、経済学部OB越嶺会の中尾さんが会長となられました。また、各学部の同窓会会長が副会長になっており、富山大学全体の発展を各同窓会挙げて行っていく事になっています。私も学部あっての連合同窓会であると思いますので、まずは学部の同窓会が活性化・発展することが肝要であると思っています。
そして、今まさに社会・経済全般が「進化する時代の変化に合わせ」、かつ「将来を先取りしていく」必要がある、そのような環境になってきていると思っています。このような状況下で理学部/理学部同窓会とし、どのようにしていくかを考えていくことが大切であると思います。
具体的な同窓会運営にあたり、私は、まず理学部の学科別に以下のキャップテン(まとめ役)を作っていきたと考えています。
①年齢という横軸で見ていき、10年単位のキャップテンを作る。(年代別キャップテン)
②次に他学部にはあるのですが、地域単位の同窓会(同窓会支部)を設ける。
③次に一番大切と思っているのですが、現代の大学の研究・教育をひっぱている先生方に、意欲・理念・情熱を持って国際的かつ地域を念頭に置いたリーダーシップをとっていただくキャップテンになってもらいたい。
こうすることにより、同窓会に今まで眠りかけている部分があったとしたら、その部分にも働きかけたいと思います。すなわち、同窓会を母校・母学部・母学科を思い出し、現実にそのまま研究を続けておられる人たち、あるいは企業に入って学部学科の延長線を走っておられる人たち、あるいは学部学科とは関係なくいろいろな分野で活躍しておられる人達に対し刺激または活性化になるようにしたいという思いです。
大学での4年の経験、青春の一番の知識欲、行動欲が旺盛なとき、このときを富山/富山大学/理学部で過ごした8,430名OB/OGの皆さんが、「同窓会」を通して、現在の学生(1191名)、現在の教員(82名)、OB教員(75名)と、常にまたは定期的かつ相互に交流されれば嬉しいと思います。
そして、大学すなわち自分の心の故郷で催される学園祭や研究報告会、卒業式・入学式など大学のオープン的な機会や行事などが人の交流、喜びや悩みの共有、情報の共有のための具体的な良い機会であると思いますし、そのような機会を大学・同窓会で創出して行き、交流を展開させていくことも面白いと思っています。
富山にはすばらしい環境とすばらしい学生・先生がおられます。今後、富山大学または理学部が活性化し、すばらしい研究成果・卒業生が世の中に輩出され、「誇れる仲間がいる」「誇れる研究がある」「誇れる理学部・富山大学」ということに繋がれば嬉しいと思っています。
2008年9月1日
第二代理学部同窓会長 北野芳則
富山大学理学部同窓会会員数 2014年5月1日現在
富山大学理学部同窓会会員数 2009年5月1日現在
国立大学法人富山大学理学部同窓会会則 富山支部規定 関東支部会則 年会費集金に関する規則 2020年8月1日
国立大学法人富山大学理学部同窓会会則 富山支部規定 関東支部会則 10年会費集金に関する要項 2017年7月22日
国立大学法人富山大学理学部同窓会会則 富山支部規定 関東支部会則 2014年7月26日
国立大学法人富山大学理学部同窓会会則 2008年10月9日
理学部同窓会 役員・理事(2014年度暫定)
理学部同窓会 役員・理事(2009年度)