開催日時:平成29年3月27日(月)14:00〜17:00
場所:富山大学五福キャンパス黒田講堂ホール
平成28年度ALL富山COC+シンポジウムが開かれ,県内事業協働機関へ向けてのALL富山COC+取組周知と情報交換を目的に,平成28年度の事業実施状況の報告とパネルディスカッションが行われた。シンポジウムは大学,行政,企業,金融機関,メディア関係者など約150人が会場で聴講した。
県としては富山県インターンシップ推進センターを立ち上げ,地方創生インターンシップ推進事業に取り組み,インターンシップ情報を県内外へ魅力ある発信をしている。また,県内の女子学生の定着,県外出身の学生の定着に向けての取組を行っている。
当会は機械と電気電子の工業会。ものづくり県富山を支えている企業の集合体。産学官金と連携し特に人材の確保に力を入れている。ものづくりに興味をもってもらい富山県のものづくりの強み,優位性,ものづくりの楽しさ・達成感を理解してもらい自身の将来像を思い描き進路を決めてもらっている。本物の地域人材育成が必要である。
地域密着型金融として平成28年1月に創業支援チームを立ち上げた。北陸・北海道に5〜7名のスペシャリストを集めた地域コンサルタントチームで創業や新事業開拓支援に力をいれている。また,全行で「一取引先一応援運動」に取組お客様の為になる提案をすることで地域の発展に繋がるという考えで拡大を考えている。既成概念にとらわれずに新たなチャレンジをしている。
学生や企業と毎日多くの対話をする中で,それぞれの課題などがしっかり見えてくる。着任前に東北で支援活動を行っていた時,人が地域を思う時・人が地域で残って何かをしようと思う時にどういったモノが必要かを見てきたことがヒントになる。学生と企業の思いを伝えていきたい。
他大学との連携が重要となっていると感じる。大学というのは足並みを揃えて動くことが難しいのが課題であり苦労している。企業からの視点で新たな活路が開ける可能性がある。
本学は平成25年からCOCに取り組んでいる。「工学心」をキャッチフレーズに地域・自治体・企業との協働型大学として地域課題解決に取り組んでいる。地域志向のカリキュラム「地域協働科目」へ教員の90%以上が関わるよう強化していきたい。他大学との連携による未来の地域リーダー育成や企業と連携した課題解決型インターンシップに取り組んでいる。
地(知)の拠点大学の取組として,課題解決学習・地元学学習・情報技術学習・社会人基礎力学習を軸とした富山地域創生人材育成プログラムに取り組み,地域社会が求める人材ニーズである課題解決型人材を養成している。地元就職率及び定着向上の支援のため,保護者向けセミナーや企業アンケート,新たなインターンシップ講演会などを開催,地域と連携包括協定を結ぶなどの活動をしている。
未来の地域リーダー育成のための新設科目が設定されているが,地元の理解を深めて自分の地域ライフプランを考えてみることは非常に有意義なことである。将来が不透明な時代に自分の人生の目標を定めて到達努力をすることが大切である。社会人としての自分の生き方を考える良い機会となり,多くの価値観に触れ人間の幅を拡げるチャンスである。この経験により大学での学び方も変わると思った。モノづくり企業がCOC+に参画できる部分は中長期インターンシップであり,産学共同研究と繋がりを持って大学と企業を結ぶ太いパイプになる組み立てになればいいと思う。県内では企業間連携を進める取り組みが行われている。より付加価値の高いサービス,より高機能な商品の開発に産官学金の協力体制が重要で,特に大学・学生が企業間連携の現場に入ることが望ましい。中小企業の製造革新,IoT基盤の構築を進める必要があり,そのために求められる人材・技術者の人材育成を希望する。
当行の経営理念は「地域共栄・公正堅実・進取創造」学生には守りの「公正堅実」,攻めの「進取創造」を求めている。今の若い人は守りができるが攻めができる人が少ない。課題解決の最後まで攻めきる力が不足している。学校や中長期インターンシップで問題解決型の力をつけた人材を育成して欲しい。
県外からきた学生が富山県に興味を持ち,富山への定着を図れるようにしたい。ものづくり県であるが文系男子や女子学生の就職先を今後考えていかなければならない。地域課題の解決についても本気で働きかけ,一過性のモノでなく継続的に取り組んでもらいたい。県内の雇用創出へむけて今後も取り組んでいきたい。
インターンシップを始める前に企業様と学生に向けて異なる話をした。学生には地域を支える人になっていこうと,企業様には地域の担い手を支えられる企業・地域・社会であるために我々は何をするべきかを話した。双方のロジックの違いをプログラムに取り入れた。インターンシップを通じ学生は成長し企業から求められる人材が生まれた。地域で活躍したいという県外出身学生も増えた。
茨城大学では来年度より4学期制を導入。大きな改革への突破口の役割をCOC+が果たしている。転勤を望まない地元愛の強い人材だけでなく,グローバルに捉えられる気概ある人材も企業から求められており,長期的なプランを考えて地元就職率を上げる取組が必要である。
地元だけしか判らない学生でなく外も判る学生を育てる必要がある。インターンシップで1回だけでなく学生に何度も機会を与えてやれる環境が整えば課題解決能力が身につく。一企業・一大学で解決できる問題ではないのでCOC+のような場所で議論を重ねていければと思う。
富山県は有効求人倍率1・7倍と売手市場となり,企業にとっては人材不足の中での生産性向上等が課題となってきている。大学では課題解決力を持つ人材育成に取り組んでいるが,インターンシップで現実の問題に直面したトレーニングをしていかなければ,何が問題なのかという問題意識すら持てないように思う。授業で理論を学んでも昔の学生より「何故?」と考える力が弱い。何が問題でどうしていかなければならないかを今の社会から経験し学ぶ場が必要である。
地方創生を自分のコトとして考えられるかが重要となる。職業観について小さい時から考えることが必要で,今後も富山県では14歳の挑戦やインターンシップの推進に取り組んでいく。また生活観というものも同時に考える必要がある。豊かな地域をつくってきたことを理解させることがポイントで,大学など学校だけでなく,幼少期から家庭や地域で取り組んでいくことが必要であり,行政もしっかり支えていく。
少子化・理系離れ・モノづくり離れというのもあり,将来のモノづくり県富山の基盤自体が人材不足のために崩れ去っていく危機感を持っている。様々な取組をしているが中々進まないといういう現実がある。大学とはCOC+の取組で多くの分野の企業連携を実施して人材育成の効率を高めていきたい。結果として自分たちの力で地域創生を実現してやろうという気概を持った若者が増えていくことを期待する。COC+に大きな期待を持っている。
海外・県外へ行きたくない人もいるが,当行は県外・海外に多くの拠点がある。大学には国際感覚ある視野の広い学生の育成もお願いしたい。当行ではインターンシップを増やしている。学生との接点を増やしていきたい。
地方創生は誰をハッピーにする事業なのか,何のための事業なのか,そこから考えてみることが必要。信頼というキーワードがあるが人との絆をしっかりつくり見直してみることが必要である。
茨城と富山は類似していると思った。一つ違うのは近くに富山市のような大都市がないこと。大きな都市が求心力となる。核となる都市は大事にしてほしい。
これまで大学間の横の連携がとれてきたが,縦の小中高大の連携をどのようにとっていくのかが今後の課題である。
当大学は地元就職率85%以上であり,就職率はここ2年間は100%を維持できているが,今後は地元定着率をどう高めていくかが課題となる。また新しい企業・産業をつくっていけるのかという志向性を高め育てていきたい。
皆さま貴重なご意見ありがとうございました。地域課題について最後までやりきっていける人材をつくることが私たちへ課せられた使命だと感じました。富山という地元を学生にとって若者にとって魅力ある地域にしていかなければならない。この課題をやり遂げられるという後ろ姿を学生に見せていかなければならないと実感した。実現に向けて皆さんと共に一歩前へでていけるようご協力お願いします。
大学が変わってきたことが判っていただけたと思う。COCからCOC+となり地元の理解を得ながら,大学が地方創生の一員となり人材育成に取り組むなど深い話となってきた。地元定着率10%アップという課題達成のために深化した教育問題や連携の問題がでてきた。ひとつの大学だけでなく,企業・自治体・他高等教育機関との繋がりを深め,横の繋がりが拡がってきた。この成果は今後に大きくつながり,地方国立大学が地域に役立つ存在になっていくだろう。