平成29年度ALL富山COC+シンポジウム 富山発地方創生|講演

 

開催日時:2018年2月10日(土)13:00〜17:00
場所:富山大学五福キャンパス黒田講堂 

平成29年度ALL富山COC+シンポジウムが開かれ,3年間の本事業の中間報告と産業界への展開の合意形成を目的に,基調講演とCOC/COC+の取組状況の報告とパネルディスカッションが行われた。本シンポジウムには,大学,行政,企業,金融機関,メディア関係者など約500人が参加した。

第Ⅰ部:講演
「パッシブタウンと地方創生」
YKK株式会社執行役員 人事部長亀山 秀夫氏

富山大学学長 遠藤俊郎YYKKグループの事業概要や商品,及び一貫生産思想並びにYKKグループの基本姿勢であり,YKK創業社長の吉田忠雄氏の企業精神であった「他人の利益を図らずして自らの繁栄はない」という「善の巡環」という考え方,お客様に喜ばれ,社会に評価され,社員が誇りと喜びを持って働ける会社であるために,「公正」を価値基準とした経営判断で商品・技術・経営の質を高めていく経営理念についてや,社員一人ひとりが大切にし,実践する価値観であり日々の行動である,YKKのコアバリューについて紹介した。またその根幹にある創業社長の「大樹より森林の強さを」という人材への考え方も併せて紹介した。 YKKグループの技術・開発の中核拠点である黒部事業所の概要,東日本大震災を教訓に本社機能の一部を黒部へ移転させ機能分散を図ると同時に,部門・組織を超えた連携強化により中核拠点として黒部のさらなる充実を図り,工場・事業施設の新設新築,パッシブタウンやサービスアパートメント,K-TOWN,公共交通社会実験など環境整備をしていること,世界の顧客要望に対応するため,海外開発拠点拡充に重点を置き,技術の総本山・黒部で国内外技術者の人材育成と環境づくりを強化し,移動・食・住の課題を解決するためのインフラ整備について説明した。また本社機能移転で移り住む人や既に住んでいる人が住んで良かったと思える環境づくりを考えてまちづくりを行っており,パッシブタウンやYKKセンターパークでの産業観光の取組や,交通まちづくり「黒部モデル」などYKKの重点施策を紹介した。YKKグループは,黒部市の地方創生につながるまちづくりへ貢献しており,「善の巡環」を根本に地域と連携し共存共栄で発展していきたいとまとめた。最後にYKKの人材について,将来のリーダー候補になってもらいたいという観点から「明瞭で前向きな姿勢」「声の大きさ」「チャレンジ精神」の3点に重点を置いて採用から人材育成へ取り組んでいると結んだ。

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