入試形態の多様化(推薦入学、AO入試、社会人入学等)により高機能発達障害学生、あるいは発達障害傾向を有する学生の入学が可能であるが、入学後の学業やキャンパスライフでその困難さをサポートするシステムはない。入試形態の如何に関わらず大学の授業はこれまでと同じように行われ、その結果、単位を落としたり、授業を受けることができず、留年あるいは不登校、休学、退学を選択せざるを得ない状況になったりする。大学は入学選抜を経てきた学生に対して、その障害による不利益を被ることのないようなサポートをする必要がある。現在までのところ、学生もどうして良いか分からず、どのような支援システムにアクセスしてよいか分からないまま、「生きにくい」大学生活を送らざるを得なかった。そのため、二次的な心理的障害(人間関係によるトラウマ、自己効力感の低下、ひきこもり傾向など)を生じるおそれさえあった。大学生として自分自身が切り開いていくべき社会性や生きる力を獲得することが困難な学生に対して、本プロジェクトが提供するシステムは、人間性豊かな社会人を育成するための包括的な支援体制として今までにはない有効性が期待できる。
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