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講義内容(シラバス)2012
計算工学特論
授業科目名 |
計算工学特論 |
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担当教員(所属) |
《富山大学大学院理工学研究部(工学系)》吉村敏章、佐藤雅弘、渡邉大輔 《外部講師》潟xストシステムズ:西 克也 |
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授業科目区分 |
スーパーエンジニア養成コース |
授業種別 |
大学院修士課程実践教育 |
対象所属 |
理工学教育部 |
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開講日程 |
6月−8月 木曜日6、7限 |
対象学年 |
社会人技術者、大学院生 |
単位数 |
2 |
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連絡先(研究室、電話番号、電子メール等) |
佐藤雅弘(電話076-445-6736、 |
オフィスアワー(自由質問時間) |
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授業のねらいとカリキュラム上の位置付け(一般学習目標) |
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近年,コンピュータの性能向上が著しい。それに伴って,製品の開発に数値シミュレーションを利用することが常識となっている。本授業では,流体力学,振動,波動,電磁気界解析から化学計算まで,その理論と使い方を基礎から解き明かす。さらに,解析可能な物理現象の拡大や,コンピュータのパワーアップの現状を探る。 |
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達成目標 |
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1)数値解析の基礎的知識を学ぶ。 |
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授業計画(授業の形式、スケジュール等) |
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第1回 |
微分方程式と数値計算と流体力学 |
渡邉 |
第2回 |
実習 パソコンを用いた偏微分方程式の解法 |
渡邉 |
第3回 |
流体力学方程式の解法における計算精度と境界条件 |
渡邉 |
第4回 |
実習 パソコンを用いた偏微分方程式の計算精度検証と境界条件 |
渡邉 |
第5回 |
量子化学計算の概要 |
吉村 |
第6回 |
実習 パソコンを用いた半経験的分子軌道法による生成熱の計算 |
吉村 |
第7回 |
実習 パソコンを用いたGAUSSIAN プログラムによるab iniitio 法およびDFT 法 |
吉村 |
第8回 |
実習 ab iniitio 法やDFT 法による化学反応、IR やUV スペクトルのシミュレーション |
吉村 |
第9回 |
振動・波動のシミュレーション,講義1 |
佐藤 |
第10回 |
振動・波動のシミュレーション,講義2 |
佐藤 |
第11回 |
振動・波動のシミュレーション,実習1 |
佐藤 |
第12回 |
振動・波動のシミュレーション,実習2 |
佐藤 |
第13回 |
HPC(high performance computing)の現在1 |
西 |
第14回 |
HPC(high performance computing)の現在2 |
西 |
第15回 |
最近のシミュレーション技術 |
西 |
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キーワード |
コンピュータシミュレーション、流体力学、振動・波動、量子化学、半経験的分子軌道法、非経験的分子軌道法、DFT 法、化学結合、化学反応熱、分子構造、分子振動解析 |
履修上の注意 |
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教科書・参考書等 |
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成績評価の方法 |
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関連科目 |
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リンク先URL |
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オープン・クラス |
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単位互換 |
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備考 |
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計算工学特論:授業計画
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回 |
主題と位置付け |
学習方法と内容(講義概要) |
1 |
微分方程式と数値計算と流体力学 (渡邉) |
微分方程式で記述される物理現象を計算機(数値計算)で再現するとはどういうことか?を概観する。特に、流体力学における数値計算(一般にCFD と呼ばれる)について解説する。また、数値計算を実行するに当たり注意すべきことの例を、体験を通して確認する。授業は座学であるがEXCEL の使えるノートパソコンの持参が望ましい。 |
2 |
[実習] (渡邉) |
流体力学現象を記述するNavier-Stokes(N-S)方程式の意味を、保存則の観点から考察する。N-S 方程式は偏微分方程式であるが、その連続の方程式を数値計算で扱えるように離散化していく手法の紹介を行う。ここでは、N-S 方程式を構成する移流項や拡散項について実際に計算を行い、その役割を学ぶ。 |
3 |
流体力学方程式の解法における計算精度と境界条件 (渡邉) |
数値シミュレーションの実行において計算結果の信頼性が問題とされる。ここでは、空間と時間の両方の離散化における誤差と境界条件について解説する。いくつかの精度の差分法(陽的・陰的)についてその空間解像度に着目し、計算手法による計算結果の違いについて、また、境界条件の計算結果に及ぼす影響について学ぶ。 |
4 |
[実習] (渡邉) |
線形移流方程式や拡散方程式に対しいくつかの陽的な差分法を適用したシミュレーションをパソコン上で行う。手法による計算結果の違いを確認することにより、格子数などを決定するための知識を習得する。また、境界条件の違いによるシミュレーション結果の違いについても実習を通し学ぶ。 |
5 |
量子化学計算の概要 (吉村) |
イントロダクション |
6 |
[実習] (吉村) |
パソコンを用いてWinMOSTAR 等のソフトを用いて分子を描き、計算の入力データを作成し、MOPAC 等の半経験的分子軌道計算プログラムで計算を行い、いろいろな物質のdipole moment、 ionization potential、結合距離、結合角や生成熱を計算し、実測値との比較を行う。また電荷やフロンティア軌道を図示し、反応性指数からいろいろな試薬がどこに反応し易いかを予測する。 |
7 |
[実習] (吉村) |
GAUSSIAN プログラムを実行する準備と上記の入力データをGAUSSIAN 用に変換し、実際に非経験的分子軌道法ab initio 法やDFT 法によりいろいろな物質の構造最適化を行い、出力結果からdipole moment、ionization potential、 結合距離、結合角や生成熱を読み取り、実測値との比較を行う。また電荷やフロンティア軌道を図示し、反応性指数からいろいろな試薬がどの原子に反応し易いかを予測する。 |
8 |
[実習] (吉村) |
同様にいろいろな化合物の構造を最適化し、それぞれ振動解析によりIR スペクトルを予想し、またTDDFT法を用いて励起エネルギーを計算して、UV スペクトルをシミュレーションする。また化学反応をシミュレートするために反応式のそれぞれの物質を構造最適化し、エネルギー及び、振動解析から零点エネルギーを求め、また必要に応じて遷移状態の構造を最適化し、反応のエネルギー図を完成させる。 |
9 |
振動・波動のシミュレーション1 (佐藤) |
以降4回の講義で、音波や固体の波動(以降、音波に対して弾性波と呼ぶ)・振動の解析を行う。特に、時間とともにどういう動きをするかを解析し、簡単なアニメーションを作ることを目的としている。この講義は、一部、電磁波の解析にも利用できる。1回目は、解析の基本となる物理式について講義する。 |
10 |
振動・波動のシミュレーション2 (佐藤) |
解析手法にfinite difference time domain (FDTD) 法を使う。従ってFDTD 法の基礎について講義する。前回講義した物理式をどのように近似して解析するかを具体的に説明する。コンピュータに実行させる際の言語は、FORTRAN を使う。大規模な計算の場合は、FORTRAN が一般的に使われる。この講義では、FORTRAN の基本的な規則と簡単な命令について講義する。よく知られているC 言語とそう大きな違いはなく、計算に特化されているのですぐに覚えることができると思う。 |
11 |
[実習] (佐藤) |
以降2回、実際にプログラミングを行う。また、その解析結果から、アニメーションを作る実習を行う。今回は、音波に焦点を当てて実習を行う。1・2次元の計算モデルを設定し、入力信号の入れ方、境界条件の設定法、吸収境界(音波が跳ね返ってこない境界)の設定法、音波の伝播の様子などを、具体的な実習を通して学ぶ。 |
12 |
[実習] (佐藤) |
最後は、固体に衝撃を与えたときの振動の様子を解析する。前回の音波の解析と同様に、計算モデルを設定し、プログラミングを行う。音波と弾性波は、その基本物理式が異なるので、境界条件の設定法や、吸収境界の設定法に違いがある。解析結果からアニメーションを作製し、弾性波の挙動を観察する。また、FDTD 法による、固体のモード解析の方法について説明する予定である。 |
13 |
スーパーコンピュータ技術1 (西) |
最近、スーパーコンピュータ並みの高速計算の出来るコンピュータが安価に手に入るようになった。この後2回にわたって、高速計算機の現状について概観する。1回目は、並列計算、GPU(graphics processing unit) による高速計算について解説する。 |
14 |
スーパーコンピュータ技術2 (西) |
インターネットなどの広域のネットワーク上にあるコンピュータ資源を結びつけ、ひとつの複合したコンピュータシステムとしてサービスを提供する仕組みをグリッド・コンピューティングと呼ぶ。最近グリッド・コンピューティングのHPC への応用が試みられている。この講義では、グリッド・コンピューティング技術について解説する。 |
15 |
最近のシミュレーション技術 (西) |
シミュレーション技術は、日々進化している。解析できる分野が大きく広がっている。この講義では、最近のシミュレーション技術を概観する。 |
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