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講義内容(シラバス)2013

機械・部品工具産業特論

授業科目名

機械・部品工具産業特論

科目
コーディネータ
所属・役職・氏名

(株)不二越 開発本部 開発企画部長 吉野一郎
立山マシン(株) 技術担当取締役 能島信行
コマツNTC(株) 標準開発部 部長 長谷川靖夫

区分

スーパーエンジニア養成コース

授業種別

大学院修士課程実践教育
特別講義科目

対象所属

理工学教育部

開講日程

7月−9月 土曜日3、4限
(13:00 〜 16:15)

対象学年

社会人技術者、大学院生

単位数

連絡先(研究室、電話番号、電子メール等)

産学連携部門(TEL076-445-6943)、
supereng@ctg.u-toyama.ac.jp

オフィスアワー(自由質問時間)

 

授業のねらいとカリキュラム上の位置付け

・産業の発展経緯と確立された固有の技術に対する理解を深めること
・専門分野の深い知識・能力に加え、他の技術分野の知識を深めること
・技術全体を見渡し、複眼的視点から技術の価値を見出す能力の習得

達成目標

富山県の主要な機械・部品工具産業における企業技術者(キャリアエンジニア総勢11 名)が講師となり、技術開発の事例を述べることにより、確立されたコアテクノロジーとそれに基づく産業の発展経緯をより深く理解する。地域に於ける人材育成が産業基盤を支えることの重要性について自ら認識し、意欲的で見識豊かな次世代の産業技術者として育成する。

講師の紹介

第1回

熊野 和夫氏

((財)北陸経済研究所 産業調査グループ主任研究員)

神田 信一氏

((財)北陸経済研究所 地域開発調査部グリーンイノベション創出支援事業担当)

第2回

堀 功氏

((株)不二越 工具事業部長 執行役員)

第3回

(同上)

第4回

森川 均氏

(田中精密工業(株) 執行役員 施設管理部 部長)

第5回
第6回

村井 史郎氏

(コマツNTC(株) 標準開発部 部長)

第7回
第8回

中谷 正雄氏

((株)スギノマシン 新規開発部 技術顧問)

第9回
第10回

野口 康博氏

(YKK(株) 工機技術本部 製造技術開発部 プロジェクトエンジニア)

第11回
第12回

吉田 潤二氏

(日本高周波鋼業(株) 富山製造所 技術部 担当部長(名古屋駐在))

第13回

岩井 学氏

(富山県立大学 工学部知能デザイン工学科 講師)

第14回

植松哲太郎氏

(富山県立大学 名誉教授)

第15回

杉野 高広氏

(コマツNTC(株) 常務執行役員)

キーワード

工具、旋削、研削、切削、システム、画像処理、工作機械、高圧水切削、熱処理、硬質加工材、超硬合金、ウォータージェット、マシニングセンター、レーザー加工機、放電加工

履修上の注意

 

教科書・参考書等

 

成績評価の方法

出席回数、レポート(各講師毎に異なる)

関連科目

 

備考

*工場見学の開催日時は別途連絡

機械・部品工具産業特論:授業計画(講義内容、開講予定日、講師)

主題と位置付け
(開催日時、担当)

学習方法と内容

機械工具産業の歴史的変遷とその発展経緯について
(7/13 13:00 〜 14:30)

(熊野・神田)

富山県の機械工具産業の歴史的変遷と、どのように発展してきたのかを統計的なデータに基づき説明するとともに、モノづくりの原点としての重要性と産業の発展性について述べる。


・機械工具の発達と最新の工具開発T
(7/13 14:45 〜 16:15)
・機械工具の発達と最新の工具開発U
(7/20 13:00 〜 14:30)

(堀)

工具技術の全貌を紹介した後、穴あけ、フライス、ねじ切り、歯切、ブローチ等の工具の具体的な使用方法と特徴を事例や映像を駆使して述べ、それぞれの工具について技術開発の秘話や工具に関する新規材料、表面処理、熱処理などの概要と今後の展望について述べる。

研削加工の概要と研削加工開発事例
(7/20 14:45 〜 16:15)

(森川)

一般的な研削加工のモデルについて述べた後、研削加工の開発事例として外球部の多数個同時加工、内径2ヶ同時加工、外・内径同時加工方法を紹介する。


・自動車の量産加工設備の変遷と開発事例
・精密マシニングセンター及びワイヤーソーの紹介
(7/27 13:00 〜 16:15)

(村井)

・自動車生産ラインを取り上げ、加工機械装置の開発経緯を紹介する。またエンジンの変化や環境調和への対応など、今後新たに求められつつある設備への課題について述べる。
・マシニングセンターやレーザー加工機における高速化、高精度化の経緯を紹介し、新しい素材や工程の革新など、今後の新たなニーズに対する対応について述べる。


・ウォータージェットによる加工の原理と特徴
・ウォータージェット切断装置とその応用例 (8/3 13:00 〜 16:15)

(中谷)

・超高圧水を小径ノズルから噴射してワークを切断する加工法について開発経緯と確立された本法の昇圧原理、構成機器の構造、特徴などを説明する。
・本法による加工では5 軸制御により複雑形状の加工可能となり、機械加工では切断が困難な材料の加工にも応用範囲が広がっている。本法の高精度化と高効率化のための工夫について概説する。


10

・FAシステム構築の考え方T
―制御機器の活用とコンピューターシステム―
・FAシステム構築の考え方U
―制御情報管理と画像処理応用検査―
(8/10 13:00 〜 16:15)

(野口)

・機械・制御・情報の融合による新規なFAシステムを開発した経緯について述べる。特に制御機器とコンピューター、画像処理応用検査を活用して部品加工全体を管理するFAネットワークシステムを作り上げる考え方について述べる。
・前章に関して、専用制御機器開発・工場内搬送システム・POP システム等の事例について 生産設備自社開発に対する考え方・開発経緯を述べる。

11
12

・機械・部品・工具の材料特性と熱処理
・機械・部品・工具のトラブル事例
(8/24 13:00 〜 16:15)

(吉田)

・工具の表面処理や熱処理を施すことにより、工具の信頼性や寿命を高めることが不可欠である。本講座では鉄鋼材料の概論と熱処理の基本理論及びその標準条件について述べ、材料の特性を改善する熱処理方法とそのトラブル事例(海外)について概説する。
・近年、機械部品や工具などの使用環境が厳しくなっており、トラブルが多く発生し、生産する上での大きな問題となっている。この損傷トラブルは、使用している材質などの変更だけではトラブルの解消ができない。これらの対策には、特殊熱処理および部品や工具などの加工方法なども含めて総合的に検討することが重要である。本講座では、トラブル事例や損傷形態などから、その原因と対策事例などを説明する。

13

硬質材の加工技術概要
(8/31 13:00 〜 14:30)

(岩井)

機械工具産業の発展は、硬質材の継続的開発とそれを工具に応用する技術開発によるところが大きい。主たる工具材であるハイス、超硬合金、cBN、ダイヤモンドなどの研削技術の変遷と実際の現場で起きている問題事例を取り上げ、硬質材の加工技術の現状と今後の展望について述べる。

14

セラミックの研削技術の開発
(8/31 14:45 〜 16:15)

(植松)

代表的難加工材であるセラミックを高能率に研削するため、加工機械、加工工具だけではなく、超音波振動や放電加工技術を補助的に利用する研削加工技術の開発・提案を行ってきた。その事例や課題と鉄鋼部品材料の加工への展開について述べる。

15

工作機械業界を取り巻く環境と求められるエンジニアについて
(9/7 13:00 〜 14:30)

(杉野)

・工作機械業界の取り巻く環境を統計的なデータを交えながら説明し、
(1)工作機械を製造する時に必要な技術
(2)企業において必要とされる能力
等を説明するなかでこれからの期待されるエンジニアはどうあるべきかを紹介する。

これまでの[切削作業の実際(実習)](見学)コース
  21 年度:YKK (株)、(株)スギノマシン 早月工場、(株)不二越
  22 年度:日本高周波鋼業(株)、コマツNTC (株)、田中精密工業(株)
  23 年度:(株)不二越、コマツキャスティック(株)、キタムラ機械(株)
  24 年度:YKK(株)、三晶技研(株)、(株)不二越滑川事業所、(株)石金精機