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講義内容(シラバス)2013

医薬製剤産業特論

授業科目名

医薬製剤産業特論

科目
コーディネータ
所属・役職・氏名

陽進堂(株) 社長付開発担当 坂本恵司
ダイト(株) 研究開発本部開発推進室長 高橋久雄
日医工(株) 監査役 熊田重勝
富山県医薬品総合研究センター 所長 正川康明

区分

スーパーエンジニア養成コース

授業種別

大学院修士課程実践教育
特別講義科目

対象所属

理工学教育部

開講日程

11月−1月 土曜日3、4限
(13:00 〜 16:15)

対象学年

社会人技術者、大学院生

単位数

連絡先(研究室、電話番号、電子メール等)

産学連携部門(TEL076-445-6943)、
supereng@ctg.u-toyama.ac.jp

オフィスアワー(自由質問時間)

 

授業のねらいとカリキュラム上の位置付け

・産業の発展経緯と確立された固有の技術に対する理解を深めること
・専門分野の深い知識・能力に加え、他の技術分野の知識を深めること
・技術全体を見渡し、複眼的視点から技術の価値を見出す能力の習得

達成目標

医薬品産業を構成する要素技術全般についての理解を深める。原薬開発から最終医薬品に至る各工程の諸業務をモノづくり技術と捕らえ、医薬品製造に関わる技術全般に対する理解を深める。特に多様な製剤技術が重要であり、確立されたコアテクノロジーとそれに基づく各社の取り組み事例を述べることにより、意欲的で、見識豊かな次世代の産業技術者の育成を目指す。

講師の紹介

第1回

紀平 哲也氏

((独)医薬品医療機器総合機構 ワクチン等審査部 審査役)

第2回

才木 良則氏

(東亜薬品(株) 執行役員 研究開発本部 副本部長 開発企画推進部長)

第3回

高橋 充博氏

(アステラス製薬(株) 技術本部 バイオリードプロジェクト QMP/QAリーダー)

第4回

林 一也氏

(富山化学工業(株) 薬理研究部 第二グループ グループマネージャー)

第5回

坂本 恵司氏

((株)陽進堂 社長付研究開発担当)

第6回

堀内 環氏

(リードケミカル(株) 医薬研究部 課長)

第7回

正川 康明氏

((公社)富山県薬剤師会 専務理事(事務局長) 兼 富山県医薬品総合研究センター所長)

第8回

石黒 幸男氏

(テイカ製薬(株) 常務取締役 営業本部長)

第9回

高橋 久雄氏

(ダイト(株) 研究開発本部 副本部長 兼 開発推進室長)

第10回

川筋 邦夫氏

((株)広貫堂 製剤開発部 部長)

第11回

金井 達夫氏

(日医工(株) 執行役員 開発・企画本部 製剤開発部長)

第12回

金井 達夫氏

(日医工(株) 執行役員 開発・企画本部 製剤開発部長)

第13回

稲田 裕彦氏

(救急薬品工業(株) 代表取締役社長)

第14回

原 哲氏

(富士製薬工業(株) 執行役員 富山工場 信頼性保証部 部長)

水谷 豊氏

(富士製薬工業(株) 富山工場 第三製造グループ マネージャー)

第15回

小貫 峰男氏

(日東メデック(株) 執行役員 研究開発本部 部長)

第16回

埜村 益夫氏

(ダイト(株) 執行役員 経営企画室長)

キーワード

製剤、GMP、GQP、GVP、原薬、中間体、錠剤、原価計算、バリデーション、顆粒、粉剤、錠剤、丸剤、処方、製剤装置、薬物の吸収、薬物送達、外用製剤、口腔内速崩壊錠、増粘剤、徐放性、経皮吸収、ジェネリック、配置薬、グリーンケミストリー

履修上の注意

 

教科書・参考書等

 

成績評価の方法

出席回数、レポート(各講師毎に異なる)

関連科目

 

備考

*工場見学の開催日時は別途連絡

医薬製剤産業特論:授業計画(講義内容、開催予定日、講師)

主題と位置付け
(開催日時、担当)

学習方法と内容

富山県に於ける製薬産業の発展と将来性
(11/9 14:00 〜 15:30)

(紀平)

国内外製薬産業の産業構造及び社会的・経済的状況を概観し、製薬産業における政策的課題と将来像について理解を深める。その上で、本県の製薬産業発展の歴史的経緯 、現在おかれた経営環境と将来性、異業種連携の可能性について概説する。

・薬剤学概論
―最適な薬物治療を目指してー
(11/9 15:45 〜 17:15)

(才木)

医薬品は錠剤、注射剤、座剤、軟膏剤などに製剤加工されて人体に投与される。投与された医薬品の有効成分は体内に吸収され、分布し、標的部位に到達してその薬効を現すが、医薬品の投与経路と有効成分の体内での動態などについて述べる。また、弊社で開発した品目について例示紹介する。

薬事戦略を考慮した医薬品の製造
(11/16 13:00 〜 14:30)

(高橋(充))

薬事法を知らないと医薬品の製造はできないが、薬事法は無味乾燥で勉強しにくい。そこで、興味をもってもらうため、製薬会社のビジネスモデル・業界動向とその薬事戦略の概要を説明する。次に、製造に関する日本、欧州、米国、PIC/S,ICHの薬事の基礎を解説する。さらに、最近の品質や査察に関するホットトピックスに対し、各社の活動に生かすヒントを提供する。

創薬研究(特に探索研究について)
(11/16 14:45 〜 16:15)

(林)

新薬探索研究の概略について述べた後、これまでの自社における創薬研究について事例を挙げて紹介する。

原薬製造
(11/23 13:00 〜 14:30)

(坂本)

医薬品の薬効成分である原薬は低分子薬と生物医薬に大別される。各々の原薬製造に至るプロセス開発から工業化までの流れについて、その求められる事柄やポイントを概説する。また、原薬製造に必要とされるグリーンケミストリーに関して、酵素法による工業化事例を挙げる。

外用製剤と開発事例
(11/23 14:45 〜 16:15)

(堀内)

生体バリアーである皮膚を通して薬を吸収させるという経皮吸収剤の発想の原点、その開発初期の基本戦略と有効性を証明するために実施した実験例を踏まえ、経皮吸収剤という医薬品の新しいジャンルを切り開いていったエピソードについて紹介する。

天然物と医薬品産業
(11/30 13:00 〜 14:30)

(正川)

微生物や植物、鉱物などの天然物素材は、それ自身が、或いはそれらを起源とする物質が医薬品の主薬として、また、添加剤として多用されている。これらの物が、医薬品として用いられて行く過程を紹介し、医薬品産業に与えた影響について述べるとともに、未来の可能性について考えてみる。また、これらの物が、医薬品として製品になるまでのコストについて考察する。

医薬品事業の収益性と生産管理
(11/30 14:45 〜 16:15)

(石黒)

医薬品の原価計算における新薬メーカー、後発品メーカー、受託メーカー、配置薬メーカー等の価格体系の基本的な違いを述べる。また、原材料費、労務費、経費、減価償却費、運賃等についてのシュミレーションを行い、事業の収益性について検討する。生産管理については具体的事例を示し、その留意点について概説する。

高薬理活性物質製造施設(原薬並びに製剤)のリスクアセスメント並びに製造施設の適確性評価
(12/7 13:00 〜 14:30)

(高橋(久))

抗がん剤,ホルモン剤などの高薬理活性物質を取り扱う場合,GMPの基本である交叉汚染(クロス・コンタミネーション)対策と環境安全対策に必須な作業員への健康被害の影響を防止(コンテインメント)対策の2つの観点からリスクアセスメントを行うことが必要である。そこで,製造施設を設計する段階でどのような手法でリスクアセスメントを行えばいいのか、またこれらの製造施設あるいは装置をどのように設計し検証を実施すればいいのか実例を用いて紹介する。

10

配置薬と最近の製剤及び製剤技術
(12/7 14:45 〜 16:15)

(川筋)

日本の伝統文化の一つである配置薬は古くから人々に親しまれてきたが、最近の医療事情やOTC 医薬品の市場背景から配置薬に求められる性能や機能及び特徴が変化してきている。今回は配置薬の歴史や製剤技術の発展を会社紹介も含めて話をしたい。

11

医薬品添加剤と経口投与製剤の処方設計
(12/14 13:00 〜 14:30)

(金井)

ジェネリック医薬品の開発手順を解説し、ジェネリック医薬品の理解を深めるとともに製剤化技術の重要性を述べる。また、経口投与製剤に用いられる添加剤の種類と特徴について概説した後、経口製剤の処方設計について述べる。更に放出制御(徐放性)、溶解性改善、保存安定性確保など、添加剤の選定による高品質を付与した様々な製剤処方設計について述べる。

12

ジェネリック医薬品の製剤差別化
(12/14 14:45 〜 16:15)

(金井)

ジェネリック医薬品は先発製剤との生物学的同等性を求められるが、患者様、医療従事者の方々が使用しやすい剤形、包装設計などが工夫する点もあり、それが受入れられればジェネリック医薬品としての価値向上につながる。製剤工夫された、いわゆる差別化製剤の実例を紹介する。

13

新剤形開発とライフサイクルマネージメント
−剤形アドヒアランスを目指して−
(12/21 13:00 〜 14:30)

(稲田)

医薬品新規有効成分の開発の成功率が近年急激に低下している中にあって、新薬メーカーは新規有効成分(特に固形製剤)の承認がなされる前にすでに別剤形での開発が開始されることが多い。これはPLCM(プロダクトライフサイクルマネージメント)が新薬メーカーの標準となってきたのと同時に患者にやさしく、使いやすい製剤開発が医療現場から強く求められているためである。この講義では固形剤を中心に剤形コンプライアンス・アドヒアランスを目指した医薬品メーカーの剤形戦略と製剤技術について紹介する。

14

注射剤に求められる品質について
(12/21 14:45 〜 16:15)

(原・水谷)

注射剤に求められる品質について、特に「無菌操作法と最終滅菌法」の視点から、弊社新製剤棟建設のコンセプトを交え解説する。

15

眼科用剤の種類と製造管理
(1/11 13:00 〜 14:30)

(小貫)

眼科用剤の用途と種類、販売ルートに付いて企業概要を交え紹介する。また、無菌製剤における製造管理に付いて事例紹介する。

16

医薬品産業の動向と方向性
(1/11 14:45 〜 16:15)

(埜村)

富山県の医薬品生産高は今後大幅な増加が期待できる。そのインフラの整備とモノづくりとしての製剤技術の重要性について述べる。

これまでの[医薬品製剤の実際(実習)](見学)コース
  21年度:東亞薬品(株)富山工場、富山化学(株)、ダイト(株)、(株)広貫堂 滑川工場
  22年度:日東メデック(株)、リードケミカル(株)、日医工(株)滑川工場
  23年度:アステラス富山(株)、金岡邸、テイカ製薬(株)、(株)広貫堂 呉羽工場
  24年度:(株)陽進堂、阪神化成工業(株)、富士化学工業(株)