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講義内容(シラバス)2013

機械材料工学特論T(基礎)

授業科目名

機械材料工学特論T

科目
コーディネータ
所属・役職・氏名

富山大学大学院理工学研究部(工学系)
教授 小熊規泰、教授 平澤良男、教授 砂田 聡

区分

スーパーエンジニア養成コース

授業種別

大学院修士課程実践教育
特別講義科目

対象所属

理工学教育部

開講日程

5月−7月 土曜日1、2限
(9:00 〜 12:15)

対象学年

社会人技術者、大学院生

単位数

連絡先(研究室、電話番号、電子メール等)

小熊規泰(TEL076-445-6776)、
oguma@eng.u-toyama.ac.jp

オフィスアワー(自由質問時間)

 

授業のねらいとカリキュラム上の位置付け

金属を中心とした材料の結晶構造および物性の基礎知識を学び、モノづくりのための様々な加工方法・製造方法の原理とその仕上がり状態への影響について理解を深める。

達成目標

・金属材料の組織、物性の基礎が理解できる
・金属材料の加工法、製造法が理解できる
・環境に対する材料の信頼性向上手法の理解を深める

講師の紹介

第1回

平澤 良男氏

(富山大学大学院理工学研究部(工学)教授)

環境負荷低減のためのエネルギー利用の基礎研究、潜熱蓄熱の研究、複合材料の熱物性に関する研究に従事

第2回

平澤 良男氏

(同上)

第3回

才川 清二氏

(富山大学大学院理工学研究部(工学)准教授)

素形材の材料研究が専門。民間企業(鋳造メーカー)でのアルミニウムおよびマグネシウム合金に関する25年間の研究開発を経て、昨年より現職に着任。主に軽金属材料の凝固組織制御等による高機能・高強度化等を研究中

第4回

草開 清志氏

(富山大学地域連携推進機構産学連携部門 准教授)

金属材料学、超高温材料学(Ni 基超合金、Nb 基合金、W-Mo 基合金等)、高温酸化・高温腐食工学、高温融体物性学

第5回

池野 進氏

(富山大学名誉教授、現 北陸職業能力開発大学校校長)

非鉄金属材料のミクロ組織に基づく材料の構造解析と機能評価、新規材料の開発に関する研究に従事

第6回

高辻 則夫氏

(富山大学大学院理工学研究部(工学)教授)

アルミニウム合金およびマグネシウム合金の熱間押出し加工、精密せん断加工

第7回

會田 哲夫氏

(富山大学大学院理工学研究部(工学)准教授)

マグネシウム合金の固化成形、結晶組織構造の微細化およびナノ結晶構造の作製に関する研究に従事

第8回

増山 圭一氏

(富山高等専門学校 機械システム工学科 准教授)

粉末冶金(メカニカルアロイング、粉末材料の高圧ねじり(HPT)加工による固化成形)

第9回

山田 茂氏

(富山大学大学院理工学研究部(工学)准教授)

各種合金の被削性評価、機械加工用工具の設計

第10回

柴柳 敏哉氏

(富山大学大学院理工学研究部(工学)教授)

溶接冶金学、摩擦攪拌接合

第11回

園部 勝氏

((株)不二越 開発本部 事業化推進部チーフ)

第12回

砂田 聡氏

(富山大学大学院理工学研究部(工学)教授)

電気化学を用いた腐食メカニズムの解明

第13回

佐伯 淳氏

(富山大学大学院理工学研究部(工学)教授)

薄膜材料や機能性セラミックスの製造プロセスの開発と解析を中心とした材料工学、X線結晶解析学の教育研究

第14回

松田 健二氏

(富山大学大学院理工学研究部(工学)教授)

電子顕微鏡を用いた組織観察に基づく材料の構造解析と機能評価、新規材料の開発に関する研究に従事

第15回

小熊 規泰氏

(富山大学大学院理工学研究部(工学)教授)

金属疲労、トライボロジー、機械部品の健全性評価に関する研究に従事

キーワード

材料、加工、製造、評価

履修上の注意

 

教科書・参考書等

授業で配布する資料

成績評価の方法

出席とレポート

関連科目

 

備考

 

機械材料工学特論T(基礎):授業計画(講義内容、開催予定日、講師)

主題と位置付け
(開催日時、担当)

学習方法と内容

伝熱
(5/18 9:00 〜 10:30)

(平澤)

熱エネルギーの移動現象は一見して複雑であるが、熱伝導、対流伝熱、ふく射伝熱、相変化伝熱などの伝熱現象が複合的に生じた結果である。これらの熱エネルギー移動形態について基礎から解説し、実際の現象に結びつける能力を会得することを目的とする。

断熱材料と断熱技術
(5/18 10:45 〜 12:15)

(平澤)

省エネルギー対策あるいは熱エネルギー有効利用のためには、高性能の断熱材の利用が非常に効果的である。しかし、断熱材内部の伝熱機構や熱移動現象は種々の物理現象を伴うため、非常に複雑である。伝熱の基礎事項を理解した上で、実際の断熱材内部の物理現象と伝熱機構との関わりを理解するとともに、伝熱現象の推測方法など実践的な知識の応用力を身につけることを目的とする。

鋳造・凝固
(5/25 9:00 〜 10:30)

(才川)

鋳造とは、溶融させた金属を型に流し込み凝固させることにより目的とする部品形状を得る方法であり、塑性加工ならびに粉末冶金法などと共に金属部品の主な製造法の一つとされる。ここでは、実用鋳造法の種類と特徴について知り、次いで各種金属& 合金の凝固挙動とこれらの実部品特性への影響について講義する。

鉄鋼材料
(5/25 10:45 〜 12:15)

(草開)

鉄鋼材料は極軟材から高強度材、低温材から高温材、構造材から機能性材料まで様々な分野で広範囲に利用されている。これは鉄の持つ潜在的な性質に加え、短所を補う様々な技術の開発によるところが大きい。本講義では用途別に鋼材の特徴を示すと共に、近年話題の最先端分野で利用されている鋼材の開発技術についても紹介する。

非鉄金属
(6/1 9:00 〜 10:30)

(池野)

金属の定義の難しさを考える。膨大な非鉄材料の内、基幹となる元素を選択して一般的特徴を述べる。さらに、特徴ある材料を選択し、特異な現象を解説する。

金属材料の変形と塑性
(6/1 10:45 〜 12:15)

(高辻)

圧延や鍛造など様々な塑性加工において、材料の変形解析や加工機械の能力設定に際して必要となる塑性力学の基礎を解説し、アルミニウム合金の押出し加工などの実際の塑性加工の具体例を挙げながら、その加工技術の特徴と位置付けを重点的に講義する。

成型加工のための金型技術
(6/8 9:00 〜 10:30)

(会田)

成型加工のための金型材料の特徴について解説するとともに、金型形状の必要特性を説明しながら形状設計について講義する。また、鋳込み・押出し・射出成型のための成型技術の特徴と最新動向についても講義する。

焼結
(6/8 10:45 〜 12:15)

(増山)

粉末材料は、使用目的が化粧品や食品等一部の機能性材料を除いて所望の形状に圧縮・成形して用いられる。本講義では、超微粒子をはじめとする粉末の製造技術、粉末の混合、造粒および充填方法、固化成形(圧縮成形、射出成形)の為の成形技術、成形した粉末の原子の拡散現象を利用した焼結理論と方法、ならびに焼結により固化成形した焼結体の評価方法について講義を行う。

切削・研磨
(6/15 9:00 〜 10:30)

(山田)

二次元切削を例にして、切りくずの生成機構と各種の用語を解説するとともに、被削性を評価する切削抵抗、仕上げ面粗さ、工具寿命、切りくずの処理性について説明する。また、研磨加工に関する基礎知識として砥粒、研磨剤や研磨布などについて解説し、各種工具材料・砥石材料の特徴とその摩耗機構について解説する。

10

接合
(6/15 10:45 〜 12:15)

(柴柳)

溶接・接合技術の基礎学理(主として溶接冶金学)を説明し、アルミニウムの先端接合法である摩擦攪拌接合(FSW)の原理ならびに適用例について詳述する。

11

表面処理
(6/22 9:00 〜 10:30)

(園部)

代表的な表面処理の方法とその特長を説明し、工具の例を中心に物理蒸着法の適用例を説明する。さらに新分野への技術展開の事例と最近の表面処理に対するニーズを紹介する。

12

腐食・防食
(6/22 10:45 〜 12:15)

(砂田)

材料の耐食性を評価する方法として最近の電気化学的方法を解説する。分極曲線が示す各パラメーターの意味および特徴を解説し、各種方法で作製された材料の具体的な事例を紹介する。

13

材料の結晶構造
(6/29 9:00 〜 10:30)

(佐伯)

材料工学の基礎である金属結晶の基本的構造や性質、表記法、対称関係について講義する。また、応用として結晶の不完全性や化合物における結晶の基本構造や物質の構造変化(相転移、多形)の例についても説明する。

14

平衡状態図と相変態・熱処理
(6/29 10:45 〜 12:15)

(松田)

アルミニウム合金を中心に、金属材料の熱処理に伴う固相―固相変態について、マクロ、ミクロそしてナノの観点でその指導原理と硬さや引張強度等、機械的性質との関係について述べる。

15

機械材料系品質管理
(7/6 10:45 〜 12:15)

(小熊)

モノづくりにおける品質管理について、その考え方と問題解決手順を解説し、定量的評価手法としての統計解析について講義する。また、実験計画法を例に挙げて分散分析による実験効率と信頼性の評価手法を講義する。