配属を希望される方
本研究室では、素粒子実験、宇宙物理学に関連するトピックに興味を持つ学生、研究者を受け入れています。具体的な内容を知りたい方は、研究室の教員 までご連絡ください。
4年次の卒業研究
▲ 洋書購読 (通年2単位)

英語のテキストを複数の学生で読んでいこうと思っています。候補のテキストは以下になります。
- D. Perkins 「Particle Astrophysics (2nd edition)」
本研究室の研究トピックである素粒子実験、宇宙観測、天体現象がもっともよくまとまっているテキスト(右の写真)を利用して洋書購読を実施する予定です。現状、このテキストと同じような内容を1冊でカバーするテキストが他にありません。洋書購読では最初のページから最後のページまでを読むことを予定しています。各学生に順番に5-10ページほどを割り当て、スライドを作成してもらい、皆さんの前で発表してもらいます。
学生の興味によっては以下の2-4番のテキストを選択するかもしれません。もし候補の他に読んでみたいテキストがありましたら相談してください。特に、外部の大学院への進学 (リンク1、リンク2、リンク3) を検討している学生は事前に相談していただければ、対応できる可能性があります。
- A. Bettini 「Introduction to Elementary Particle Physics (2nd edition)」
- D. Perkins 「Introduction to High Energy Physics (4th edition)」
- B.R. Martin, G. Shaw 「Particle Physics (4th edition) 」
なお、4番のテキストは日本語訳が出版されているので洋書購読では選択できないことがわかりました。参考文献として残しておきます。
▲ 物理学卒業研究 (通年12単位)
卒業研究 (卒業論文) に関しては次のように考えています。
- 学生1名で1つのプロジェクトに取り組み、卒業研究を完成させる。
- 配属された学生から2-3名程度のグループを組織して、1つのプロジェクトとします。学生個々人は研究の一部を分担し、グループで協力して卒業研究を完成させる。
配属学生の総数、学生本人の希望 (卒業後の進路)、研究室の予算状況によって柔軟に対応します。なお、研究室配属のタイミング(4年生進学時の4月頃)では、Super-KamiokandeやHyper-Kamiokandeなどの大型実験に共同研究者として参加することはできません。 大型実験への参加は、学生保険や研究予算の条件などから、大学院進学が条件となります。学部卒業とともに就職を予定される方は、希望通りの研究を実施できるか事前に問い合わせてください。 一方で、富山大学の大学院に進学する学生は、大学院進学が決まったタイミングから大型実験に共同研究者として参加することも可能です。その場合は、卒業研究として、以下の修士課程の項目に記載されている物理解析や検出器開発を担当することも可能です。
卒業研究に関しては、上記の洋書購読とは別に、定期的に時間を確保して実施します。実験装置や計算機を用いて、素粒子実験の基礎を習得してもらいます。宇宙線観測や放射線計測を通して、検出器の稼働原理、測定技術、物理解析の手法(プログラミングを含む)、誤差解析を学んでもらいます。
4年生の卒業論文までに、実際の検出器の組み立て、測定データの取得と物理解析を経験してもらいます。研究を進める中で、必要に応じて過去の科学論文や、次のようなテキスト(の関連した章や節)を勉強してもらうことになると思います。なお、下記のテキストは参考書として紹介していて、卒業研究の時期に全てのページを読むことは要求しません (それは無理)。
- W.R. Leo 「Techniques for Nuclear and Particle Physics Experiments: A How-to Approach」
- G.F. Knoll 「Radiation Detection and Measurement (4th edition)」
- L. Lyons 「Statistics for nuclear and particle physicists」
- G. Cowan 「STATISTICAL DATA ANALYSIS」
- P.B. Bevington, D.K. Robinson 「Data Reduction and Error Analysis (3rd edition)」
テキストを読む座学よりかは、実験装置の組み立て、データ取得、データ解析などに時間を費やすことになります。
修士課程
富山大学大学院 理工学研究科 理工学専攻 物理学・応用物理学プログラムの 修士課程 入試案内 を確認してください。
修士課程以降は、「1人の研究者」として研究プロジェクトに参加してもらいます。国内外の研究者と英語での議論、研究を行う機会が増えます。また、研究で得られた成果を国内外の研究会、国際会議で報告することになります。最終的に、修士論文までに得られた成果を学術論文としてまとめることが期待されます。
なお、後述のように研究活動の1つとして外部研究機関への出張が必須となります。修了に必要な単位は修士課程1年次に取得していただくことになると思います。
▲ 国際共同実験グループへの参加
国際共同実験グループの一員として加わってもらい、国内外の外部研究機関の数名の研究者と共同研究を進めてもらいます。また、各実験でのシフト業務 (見張り) なども担当します。 普段は富山大学で研究を進めてもらいますが、年に数回、1週間から3ヶ月ほど、まとまった期間を確保して外部研究機関 (海外の研究機関の場合も有ります) に出張をしてもらい、現地の研究者と協力して研究を進めてもらいます。
Super-Kamiokande実験、Hyper-Kamiokande実験 に参加する場合には、富山大学から電車とバスで1時間程度の岐阜県飛騨市の 神岡宇宙素粒子研究施設 で共同研究をしてもらうことになります。
T2K実験/T2HK実験 に参加する場合には、茨城県東海村のJ-PARCで共同研究をしてもらうことになります。
学生の出張頻度の目安は次のページを見てください。 [出張記録]
▲ 小規模な研究グループへの参加
学生本人の状況や研究への興味関心の適正から、上記の国際共同実験グループには参加せずに、小規模な研究(少人数組織)に参加してもらう場合もあります。富山大学の実験室での検出器開発や数値計算シミュレーション開発がこれに該当します。 この場合も、外部研究機関の共同研究者と打ち合わせのために、外部研究機関へ1週間から3ヶ月の出張をしてもらうことがあります。
なお、意欲的な学生には(大変ですが)、上記の大型実験グループに参加しながら、小規模な研究を並行して進めてもらう事も可能です。
博士課程
▲ 研究
修士課程と同様に、「1人の研究者」として研究プロジェクトに参加してもらいます。博士課程に進学する場合、書類上の指導教員は富山大学の教員になりますが、実質的な指導教員 (メンター) は別の研究機関の研究者になることもあります。
国際共同実験グループでは、物理解析グループの中心的な役割が期待されます。豊富な観測データから物理量の測定、新しい物理の探索などを行ってもらいます。
小規模な研究では、ユニークな着想をもったシミュレーション開発、ユニークな検出原理に関する実証試験を目的とした検出器開発などに取り組んでいただきます。規模にかかわらず、学術的な成果を得られるように研究を進めてもらいます。
▲ 経済的支援
すべてを網羅しているわけではないので、適宜更新します。
日本学術振興会の 特別研究員-DC1/DC2 に採択されれば支援が受けられます。
富山大学では以下の 博士課程学生支援プロジェクト が整備されています。
ポスドク
日本学術振興会の 特別研究員-PD を受け入れることができます。興味がある方は研究内容のページを確認の上ご相談ください。
また、事前に富山大学の以下のページを確認すると良いと思います。
科研費の取得状況によっては、ポスドクを雇える可能性もあります。ご相談ください。
(番外編) 学部 1, 2, 3年生
▲ 一般向けの書籍
学部1年生から3年生までは、本研究室の研究内容を先取り勉強しようとすると、敷居が高いと思います。学生だけで教科書を勉強すると消化不良になる可能性があると思います。
以下に、いくつかの一般の読者向けに執筆された書籍を列挙します。量子力学や相対論に関して十分な学習ができていない学生は、最初の段階としては、以下の書籍などを読んでみることをお勧めします。
▲ 参考となる教科書
それでも教科書で勉強したい人は、次に列挙する学部生向けの教科書を参考にすると良いと思います。なお、大学の通常の講義を勉強した上で取り組んでください。
(注意) 以下に紹介されている教科書に書かれているすべての内容を研究しているわけではありません。記載事項を全て読むのではなく、自分の興味のある部分だけ読めばよいと思います。文章や数式で疑問や質問があれば、具体的なページや式番号を記載した上で 研究室の教員 に連絡していただければ対応できるかと思います。なお、本研究室の研究内容と対応する該当箇所がわからないようでしたら、事前に相談して頂ければ対応できると思います。
▲ 参考となる動画
近い分野の研究範囲を知りたい人は、以下の動画 (youtube) を見てください。いくつかの研究テーマは本研究室で、実際に研究することが可能です。