富山大学 材料機能工学科 学習・教育目標

基礎学力

A. 数学、自然科学などの学問分野において、材料工学の専門科目の授業を理解できる程度の基礎学力を身につける。とくに力学を理解するための基礎物理、反応や相変態に関する熱力学を理解するための微分積分の基礎、波動関数を理解するための線形代数の基礎等を広く修得する。

対応する授業科目:微分積分、線形代数、力学・波動、物理化学、無機化学など

【具体的な達成目標】
物理学においては運動方程式をたてて解くことができる。
● 微分積分では、一変数関数の微分と積分が計算できる。
● 線形代数では2行2列以上の行列式の計算ができる。

等の能力を身につける。

B. 材料工学の専門科目を理解するための基礎学力を修得する。

B1 金属、半導体、絶縁体の本質を、バンド構造および結晶構造から知ることで、材料の機能と物性を理解する。材料の状態が温度と化学組成の違いで変化することを状態図から知る。

対応する授業科目: 結晶構造解析学、材料機能工学、相変態序説、固体物性工学序論など

【具体的な達成目標】
● 一次井戸型ポテンシャルのシュレディンガー方程式の固有値問題を解くことができる。
● 金属、半導体、絶縁体の区別をバンド構造から説明できる。
● FCC、BCC、HCPの基本構造や代表的な化合物結晶の構造を説明できる。
● 半導体や絶縁体における電気伝導の原理を説明できる。
● 全率固溶、共晶などの2元系状態図を説明できる。

B2 金属材料の生まれから、鋳造凝固に至る製造プロセスの理論と方法や腐食に至る一連の過程の知識を身につける。

対応する授業科目:循環資源材料工学、材料プロセス工学、粉体工学、移動現象論など

【具体的な達成目標】
● 鉱石から金属への還元反応を説明できる。
● 熱的分析法の応用等により温度変化に伴う化学反応、相変態を説明できる。
● 全面腐食あるは応用腐食割れなどの腐食形態を説明できる。
● 材料製造プロセスの基本的な熱と物質の移動速度式を説明できる。
● 材料生産に必要な粉粒体の基本的特性の評価法を説明できる。

B3 鉄鋼材料や非鉄金属材料をはじめとする材料の性質や加工・再結晶による材料の設計と機能、評価について理解する。

対応する授業科目: 素形材工学、材料力学、材料強度学、組織制御工学、材料工学序論、など

【具体的な達成目標】
● 平衡・非平衡凝固における組織の違いや鋳造組織の制御法を説明できる。
● 刃状転位、らせん転位の特徴と挙動について説明できる。
● 加工による組織の変化が機械的性質を支配することを説明できる。
● 熱処理により加工組織から再結晶が生ずることを説明できる。
● 固体表面のガス吸着の原理やセンサーの基礎を説明できる。
● 鉄鋼材料の状態図を説明できる。

B4 講義、演習などで修得してきた材料工学に関する基礎的知識を生かし、実験の実行とデータ解析能力の基礎的事項を身につける。

対応する授業科目: 材料機能工学実験I〜IV、工場実習、卒業論文など

【具体的な達成目標】
● 実験装置の原理を説明できる。
● 測定したデータの意味を説明できる。
● データを解析することで材料の諸特性を説明できる。
● レポートの作成方法を修得する。

応用力とそのスキル

C. 材料工学技術の早い進歩により、専門の奥行きが日々深くなる。例えば、測定装置の進歩により、測定対象が原子にまで至る。また、材料にフラーレンあるいは導電性プラスチックの新機能材料が生まれ、順次対象が広がる。工学では、各種の材料に対し、とくに社会的要求を理解し、それを考慮して研究開発を行うことが必要である。ここでは、先ずそのための最新資料を収集してまとめる能力を養う。

対応する授業科目: 材料機能工学輪読、先端材料工学など

【具体的な達成目標】
● 必要とする事柄に対して、それに最適な最新学術雑誌や文献の収集ができる。
● 関連の専門書籍等を探すことができ、さらにそれらの中から必要な部分を理解することができる。
● 内容を把握してその発表を行い、質疑に応答できる。

D. 社会人・職業人として十分な知識と技能を修得する。

D1 社会事例に対して技術者として自主的な思考ができる倫理を身につけるために、最低限の素養として、安全管理や環境管理等の基礎的知識を身につける。

対応する授業科目: 工学倫理、社会人への心構えなど

【具体的な達成目標】
● 技術が社会に及ぼす影響を具体的に事例を挙げて説明できる。
● 企業がもつべき倫理を具体的に事例を挙げて説明できる。
● 企業における個人がもつ知的財産権の範囲を説明できる。
● 労働災害の事例等を知り、安全管理や環境管理から対策を立てることができる。

D2 人文科学を通し人間個人の素養を身につけて技術を見直し、社会科学によって社会的共同生活から技術を見直す等の一般教養的観点から技術を位置づける能力を養う。また、材料デザイン学概論や工学概論等から材料工学を多面的に解釈できる能力を身につける。

対応する授業科目: 教養教育科目、総合科目、材料デザイン学概論、工学概論など

【具体的な達成目標】
● 感性を芸術等で、人生観を倫理・哲学等で、あるいは世界観を歴史を通し養うことにより、新たな目で科学技術を観ることができる。
● 社会的規範を経済、法律、政治等から学び、科学技術の在り方を考える能力を養う。
● 日常的な生活ツールやシステムに潜む問題の発見力、問題解決提案力、問題解決のための異分野調整能力及び提案表現力を身につける。

D3 技術者・研究者として情報収集のために英語の技術資料が読め、一般企業人として国際的な交流のために自己紹介ができる程度の英語を主とした語学を修得する。

対応する授業科目: 英語コミュニケーション、教養教育(英語)など

【具体的な達成目標】
● 英字新聞等を読める語学力
● 初歩的英語によるディスカッションやプレゼンテーション
● 材料に関する最先端の論文が読解できる能力

  等の能力を身につける。

D4 インターネットを利用して情報を集め、企業人として企画書や報告書を作成するための情報処理能力を養う

対応する授業科目: 材料工学情報処理、材料工学プログラミング及び演習、教養教育(情報処理)

【具体的な達成目標】
● Wordや一太郎などに代表される文書作成ソフト
● Excelに代表される表計算ソフト
● E-mail、インターネット等の情報閲覧

以上の3項目をコンピュータを用いて行える能力を養う。

創造性
E.もの作りと創造性ならびにプレゼンテーション能力を身につける。

E1 研究能力または問題解決能力を養うため、課題を設定しそれを遂行するための実行計画をたて、実行する能力。自ら実行することの意義を理解するために、自分にあった課題を選択し、その遂行計画を立てる。

対応する授業科目: 自由演習、総合的開発学、創造工学特別実習、卒業論文

【具体的な達成目標】
● 課題やテーマの社会的意義を理解し、そのテーマの背景を把握できる。
● 自由な発想の元に、個人もしくはグループでテーマを設定し、解決するために参考書ならびに情報等を集めて実験を行い、結果をまとめて発表できる。

E2 自ら選択した課題の遂行過程を理解し、定期的な経過報告会で発表を行うと同時に、自ら問題を提起して教官と討論することを通じて、課題を自主的・継続的に遂行する能力を養う。

対応する授業科目: 卒業論文

【具体的な達成目標】
● 卒業論文中間発表会で、卒業論文テーマに対する実験の途中経過を定期的に報告し、指導教官と討論の上、自主的に実験を遂行する。

E3 継続してきた研究の結果をまとめて日本語での記述を行い、課題に関する調査結果を口頭発表を通してプレゼンテーションできる能力を養う。

対応する授業科目: 材料機能工学プレゼンテーション、卒業論文

【具体的な達成目標】
● 卒業論文の発表準備(発表概要の執筆、PowerPointもしくはOHPによる発表資料の作成)、発表練習、発表会での公聴を通して、一連の発表作業ができる。
● 4年生1年間という期間内で、卒業論文のテーマ設定と卒業論文の執筆を完了する。