日時 | :平成30年7月28日(土)14:00〜16:30 |
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会場 | :田辺市文化交流センター たなべる 2階 大会議室 |
田辺市と富山大学地域連携推進機構の共同主催により、地域課題の解決や地域資源の活用をビジネスの手法で考える人材の育成とビジネスモデルの創出を目指した「たなべ未来創造塾」第三期の開講式が行われ、平成31年2月までの約8か月にわたる取組が本格的にスタートした。
たなべ未来創造塾長・田辺市長 真砂充敏 |
中心市街地において大型事業が連続し、今一度、田辺市の拠点、紀南の拠点を創ろうという思いが強くある。しかし、大事なのはハード事業に呼応するソフト事業。こうした機会をビジネスチャンスと捉えて新しいことにチャレンジしようという機運がなければまちづくりにつながらない。
たなべ未来創造塾を創設したのもこうしたことが背景の一つとしてある。
人材育成には時間がかかるということは当初から考えていたが、1期生、2期生が既に様々な事業を展開して、まわりの皆さんもその刺激を受け、早くも効果が表れており、大変うれしく思っている。
3期生の皆さんは、2月まで多くのことを学び、修了式では素晴らしいプレゼンとなることを楽しみにしている。またそのプランを現実のビジネスにつなげていただきたい。
富山大学長 遠藤俊郎 |
富山大学では、金岡教授が中心となりCSVの視点からの地域づくりを進めてきたことが評価され始めている。 金岡教授は人と人とのつながりをどう作るか、人材をどう育成するかということに関してすごい情熱を持って取り組んでくれたと思っている。
市長は、人材育成には時間がかかると思っていたと話したが、たなべ未来創造塾が2期という短い期間の中で、いろんなことが形になっているのは、塾生の皆さんの情熱が大きいからだと思う。サポートはしっかりとしていくが、やはり実践するのは皆さん。この機会に一生懸命考えてほしい。
近畿財務局和歌山財務事務所長 花田一夫 |
財務省の総合出先機関として地方創生や地域経済の活性化につながる様々な取組を進めているが、たなべ未来創造塾の取組は私どもとまさに同じ方向であることを感じ、平成29年度よりお手伝いをさせていただいている。たなべ未来創造塾は市長の強い思いにより創設され、また金岡教授のご指導のもと、24名が修了され、地域活性化のために新たなビジネスを起こされた方が多くいらっしゃると伺っている。
3期生の皆さんには、半年間のカリキュラムを通じて、塾生同士の関わりを大事にしていただきたい。今後の財産になると思う。
私どもとしては、田辺市に芽生えた新しい芽を本格的、持続的なものとするために何ができるかということを一緒に考えていきたい。
富山大学地域連携戦略室長 金岡省吾 教授 |
富山大学では「魚津三太郎塾」や「たかおか共創ビジネス研究所」などを通じて、ビジネスリーダーの育成や新たなビジネス創出に取り組む中で、地域活性化の中核拠点としての役割を果たしてきた。
人口増加の時代では、全国総合開発計画に代表されるように行政主導の大規模開発が数多く行われてきたが、人口減少の時代に入り、国では国土形成計画といった考え方にシフトし、持続可能な地域づくりに向け、地域の「稼ぐ力」が大きく求められており、ボランティア的な要素が強いCSRから地域課題をビジネスに結び付けるCSV、民間主導の地域に根差したローカルイノベーションが注目されるようになってきている。
こうした中で、「魚津三太郎塾」や「たかおか共創ビジネス研究所」「たなべ未来創造塾」から多くのローカルイノベーションが創出され、その結果、富山大学がCOC+(知の拠点大学による地方創生推進事業)の中間評価においてS評価、イノベーションネットアワード2018で優秀賞を受賞するなど、全国から注目されつつある。
田辺市たなべ営業室 鍋屋安則 |
全国平均より早いスピードで人口減少が進み、内需に依存した経済構造を有する田辺市にとって、「交流人口の増加」「地域経済の活性化」に向けた取組が必要で、そのために富山大学地域連携推進機構と「人材育成の連携に関する覚書」を締結し、「たなべ未来創造塾」を具体化してきた。
平成28年度の創設後、これまで2期24名もの修了生を輩出し、そのうち70%以上が実際に行動を起こしていることを説明するとともに、修了生による具体的なビジネス事例を紹介した。
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遠藤学長: |
だからできること、田辺に住んでいる皆さんだからこそできることを考えていただきたい。そのためには、田辺について知り、自分自身を磨き、連携をとることで新しいものが生まれると思う。是非新しいことにチャレンジしていただきたい。
真砂市長: |
結果が出るまで5〜10年かかると思っていた。ビジネスプランを作るところまではできても、実際にビジネスにしていくことは難しいだろうと思っていた。それがわずか2年でこれだけ実践しているのは考えていた以上の成果。塾生同士だけではなく塾生以外との連携の事例も生まれてきている。
話題提供 | 田辺市たなべ営業室 鍋屋安則 |
オリエンテーションで紹介した修了生によるビジネス事例のほかにも多くの実践事例が生まれていることを紹介し、地域に根差した小さなビジネスがそれぞれつながり、大きな力となりつつあることを説明した。
塾生が各自1分以内で自己紹介を行い、企業情報や事業内容、参加の動機、抱負などを話した。
パネリスト | 真砂充敏(たなべ未来創造塾長 田辺市長) |
鈴木基史(富山大学理事・副学長) | |
会場の皆さま | |
コーディネーター | 金岡省吾(富山大学地域連携戦略室長) |
塾生が各自1分以内で自己紹介を行い、企業情報や事業内容、参加の動機、抱負などを話した。
真砂市長: |
人口減少が進む中、市役所としてもこれまでのルーティンワークだけの仕事で良いのか、一歩でも半歩でも踏み出して新しいまちづくりにチャレンジしていく必要があるのではないかという思いから、たなべ営業室を創設した。様々な人が連携しながら地域力を取り戻そうという時代になっており、こうしたときに10年先、50年先を見据えながらその拠点づくりをどうしていこうかということを考えている。
鈴木理事: |
都会にあるものを持ってくるのではなく、ここでしかないものを作り出す。そうすればそれを求めて向こうからやってくる。という考え方に変わってきている。先輩たちの活動を参考にしながら一生懸命考えていれば必ずブレイクポイントが出てくる。1期生、2期生も現状に満足することなく、新たに挑戦してほしい。
富山大学理事・副学長 鈴木基史 |
大学はこれまで、研究で成果を出し、学生にフィードバックするということが求められていた。しかし、地方創生の流れの中で、地域に関わる人材をいかに作るかということが新たに求められている。こうした人材が大学で学生に講義をし、学生はそれを聞いて地域について学ぶというサイクルができつつある。
夢を現実に動かすためには、多くのことを学び、自分で一生懸命考えなければならない。2月までの間、1期生や2期生ともいろんな話をしながら頑張ってほしい。