日時 | :平成30年7月14日(土)14:00〜17:00 |
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会場 | :田辺市役所 3階第一会議室 |
地域課題の解決や地域資源の活用をビジネスの視点で考える「たなべ未来創造塾第三期がスタートした。塾生11名は、来年2月までの約8か月間、様々な講義を通じて、自らがビジネスプランを考え、修了式において発表する。
主催である富山大学地域連携推進機構と田辺市、連携・協力機関である金融機関や後援となる商工関係団体の産学官金が一体となりCSVの醸成、ローカーイノベーターの創出を目指す。
田辺市たなべ営業室 主任 鍋屋安則 |
本格的な講義に入る前のオリエンテーションとして、「たなべ未来創造塾」の概要や考え方について説明することで共有化を図った。
まず、2004年をピークに急速な人口減少を迎えている中で、かつての大量生産大量消費の時代ではなくなってきているということを前提に置いた上で、どのようなモノが求められているか、どこにビジネスチャンスがあるのかを探ることが重要であると説明した。
また、塾生には「何をすれば自社が生き残れるか」「自社の強み、自身の特技は何か」「自社のある地域のことを知る」ということを常に意識して、講義やディスカッションに臨んでほしいと話し、2月の修了式までの日程を示した。
塾生それぞれが企業情報や事業内容を説明するとともに、企業の課題として、「業界はどうなっているか」「取り組んできたことは何か」「このままでは自社の将来はどうなるか」について発表し、互いの課題や悩みを共有した。
講師: | 富山大学地域連携戦略室長 金岡省吾 教授 |
金岡教授の自己紹介も兼ね、民間シンクタンク時代のプロジェクト事例などを話題にしながら、「どんな傑作な報告書を作っても、第三者が作ったプロジェクトは動かない。実践者自らが考えることが重要である。」と痛感し、その後、民間シンクタンクから富山大学へと活躍の場を変えた。大学での活動は、産学官金がそれぞれの役割を果たし、企業や市民が自ら考えることにより、新たなビジネスを創出するシステムを構築することであり、魚津三太郎塾やとやま呉西圏域共創ビジネス研究所といった富山大学での取組み事例を紹介した。
魚津三太郎塾では、「水循環」という地域資源の活用を大きなテーマとして、1〜6期まで計52名もの塾生を輩出するとともに、提案事業の実行率が50%を超えるという大きな実績を挙げている。
一方、とやま呉西圏域共創ビジネス研究所では、「人口減少」、「少子高齢化」といった地域課題の解決に向けたビジネスが多く生まれている。
こうした中、田辺市では魚津のような地域資源活用型、呉西圏域のような地域課題解決型どちらにもビジネスの可能性があることを説明した。
また、それぞれの具体的な事例を紹介しながら、コミュニティ形成が顧客との信頼関係の構築につながり、結果として企業の利益に結びついていることを話した。
人口減少が進む中、企業は地域とどう結び付きながら、共通価値を見出し、ビジネスにしていけるかが、これからの時代を生き抜くには重要で、地方創生の流れの中で全国の企業がこうしたCSV(共通価値の創造)に注目しているのである。