日時 | :平成31年2月9日(土)14:30~17:30 |
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会場 | :田辺市文化交流センター たなべる2階大会議室 |
たなべ未来創造塾<第3期>修了式は、真砂田辺市長、鈴木富山大学理事・副学長、講師陣、田辺市関係者、富山大学関係者、近畿財務局和歌山財務事務所、金融機関、後援機関、神島高校、魚津市関係者、高岡市関係者など約90名が参加し、塾生11名による最終プレゼンテーションとポスターセッション、修了証の授与、座談会が行われ、約8か月にわたり開催されたたなべ未来創造塾<第3期>の全カリキュラムが終了した。
たなべ未来創造塾を創設した際には、すぐに成果の出るものではないと思っていたが、今、内外から大きな反響を呼んでいる。学びの機会を提供することはできても、実践は皆さんでないとできないこと。
地域の皆さんが、次々と新しい挑戦をしていることを大変うれしく思っている。
また、修了生だけでなく、高校生や大学生、都市圏住民などとの連携にも広がっている。国では働き方改革を掲げているが、皆さんの取組はまさに新しい働き方ともいえると思う。
これからビジネスプランを発表していただくが、実践するというところまでが目的。是非新たなチャレンジをしてほしい。
今回は、魚津三太郎塾からも出席している。お互い刺激しあいながら取り組んでほしい。
イノベーションは人がつながることで生まれる。塾生同士はもちろんのこと、修了生やそのほかの人ともつながることが重要だと思う。
たなべ未来創造塾は、全国から注目されている。皆さんが新たな挑戦をすることで他の地域の良い事例になってもらいたい。
今日は皆さんの素晴らしいビジネスプランの発表を期待している。
和歌山財務事務所では、平成29年度からたなべ未来創造塾を支援している。田辺で始まったこの取組みは全国的に注目を集めている。今、地方創生の専門家の方に重要なことは何かと聞くと、必ず「産官学金」の連携であると返ってくる。
たなべ未来創造塾ではまさにこうした連携がうまくいっている成功例だと思う。
しかし、たなべ未来創造塾の成功の一番の秘訣は塾生の皆さん。熱意を持った若い事業者がたくさんこの地域にいることが大きな要因だと思っている。
たなべ未来創造塾創設のきっかけとなった「価値創造プロジェクト」における戦略ビジョン・戦略プランの取組から開講までの経緯を紹介し、地域課題の解決や地域資源の活用をボランティアではなく、CSV、ビジネスの視点で考えていくという目的を踏まえ、大きなプロジェクトよりも地域に根差した小さなビジネスを数多く創出することで、それらがつながり大きな力となっていくことが大切であると説明するとともに、これまで講義を通じて学んできたポイントを解説し、これから発表するビジネスプランはあくまでもコンセプト・ストーリーであり、収支計画等の詳細について、金融機関や商工会議所、商工会の支援をお願いした。
塾生が作り上げたビジネスプランについて、1人3分の時間内で事業内容の要点、概要などを発表、ポスターセッションへと続く一言アピールを行った。
11名の塾生がビジネスプランを1枚にまとめたポスターの前に立ち、来場者の方々に向けて個別にプレゼンテーションするポスターセッションが行われた。
塾生は、来場者からの質問に個別に答えるとともに、アドバイスにも耳を傾け、ビジネスプランに対しての反応や手ごたえを感じていた。
プラン名 | 発表者 |
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サイクリングでツナガル人の輪 -サイクリストが集う街へ- |
アルティエ株式会社 濱口 純 |
釣り人が集う酒場「なじみ」 -魚の持ち込み・買い取りサービス- |
酒味道楽なじみ 稲垣 幸生 |
Premium Ice GORON -地域の可能性を外へ発信・生産者と消費者を「つなぐ」- |
(株)モリカワ 森川 真帆 |
子育てママ応援コミュニティ -子育てママに寄り添うauショップ- |
auショップ田辺新庄 関根 真誉 |
食で育むコミュニティ -レストランが地域にできること- |
ベーカリーレストランKOKAGE 林 拓郎 |
Mom LABORATORY -「田辺で育てたい」を探求するプロジェクト- |
ayato sound create/親子リトミック教室リトスタnico 高橋あいか |
小さな拠点「はつやま横丁」 -空きテナントを活用した人が集まる拠点づくり- |
はつやま鮮魚店 初山 徹 |
ぷらっとホーム -50代からの生活習慣病予防の為の運動とコミュニケーションの場- |
デイサービスきたえるーむ 尾﨑 務 |
梅でつなぐ未来のコミュニティー -次世代の梅農家の在り方を築く- |
小向農園 小向 秀樹 |
鰻と梅の仲直りプロジェクト -梅産地だからこそできる、一歩踏み込んだコラボレーション- |
太田商店 太田 有哉 |
職人の架け橋 -かっこいい職人を目指して- |
紀乃国工芸社 山中 崇嗣 |
たなべ未来創造塾長の真砂市長から塾生一人ひとりに修了証が授与された。
座談会に先立ち、話題提供として、鍋屋主任から修了生のその後の取組を紹介するとともに、修了生とコラボして生まれた「木の国わかやまプロジェクト」が高校生ビジネスプラングランプリで全国ベスト20に選ばれたことを説明した後、神島高校生徒からビジネスプランの発表があった。
座談会では、「田辺の未来を創る力とは」をテーマに、まず11名の塾生からたなべ未来創造塾に参加した感想や今後の抱負が述べられ、その後、真砂市長、鈴木理事・副学長、花田所長から講評を頂くとともに、連携機関や協力機関、後援機関、ご来場の皆さまからコメントを頂き、修了式を終えた。
40歳半ばになり、これから自分の商売をどうするかという中で、いい機会と刺激をもらえた。
今回は商品開発までできたが、2弾、3弾と面白いことをするうなぎ屋を目指したい。
塾でいろんな業種の方と話ができ、新しいヒントがたくさん得られた。今回、3期生同士でコラボさせてもらい、自分たちがやっていることにつなげられて良かった。
自分の仕事、地域のことを見直すきっかけになった。プランだけで終わらないようにしっかりと行動したい。
塾を通して多くの人と知り合いになれたので良かった。皆さん、「はつやま横丁」に遊びにきてください。
もともと人付き合いが得意ではなく、人前で話をすることも苦手だったので、プレゼン演習がはじまり苦しかったが、皆さんに支えてもらい、かけがえのない貴重な時間を過ごすことができた。今日をゴールではなく、スタートにしたい。
これまで本を読んで勉強はしていたが、講義を通じてプランを立てるにあたってのプロセスを学ぶことができた。
また、どんどんいろんなことをやろうという意欲がわいてきた。
自分の悩みや企業の悩みを合わせることで解決できると勉強できた。今後も田辺市でこのような環境を作っていただければありがたい。
3期生と出会って前向きな意見を聞くことができ、自分も前向きに考えることができた。これからも地域にある素晴らしいものを発掘して新しい価値に変えていきたい。
みんなのいろんな意見を聞くことができ、自分の考え方が柔軟になった。第二、第三のサービスも考えている。
いろんな方と出会うことができた。入塾したときは自分に何ができるのだろうかと不安だったが、皆さんの支えの中で見出すことできた。これからも皆さんと協力していきたい。
皆さん、それぞれ素晴らしいビジネスプランを発表していただいた。塾生が11名いて、プランが被らないんだなと感じた。目的は同じでも、それぞれのやり方がこれだけあるということ。
また、目的は同じということは、連携が可能だと思うので、この「つながり」を是非大切にしていただきたい。
「つながり」は、英語では「win-win」という言葉があるが、日本語では「苦楽を共にする」という良い言葉がある。苦しいときにこそ助け合ってほしい。
講義で手法を教えることはできるが、実際に行動するのは皆さん。田辺は本当によく動いていて、多くのことに気付き始めている。
同期生だけでなく、期を超えたつながりも生まれてきていて、このつながりをもっと大きくしていってほしい。また、他の地域にも刺激を与えてほしい。
県内30市町村の首長と話をさせていただいた際に、課題は何かと聞くと、返ってくる答えは、一つは住民の安心安全、もう一つは人口減少。皆さんのプレゼンを聞いて、まさに人口減少という地域課題の解決につながると感じた。
金融機関の情勢について、バブル崩壊後は不良債権処理が大きな課題であったが、今は、企業の本業を支援することが重要な責務となっている。
皆さんの一番身近なコンサルタントの役割を果たそうとしているので、今後、悩みごとがあれば是非、金融機関に相談に行ってほしい。
これからもたなべ未来創造塾を応援していきたい。