とやま呉西圏域共創ビジネス研究所第3期4日目
圏域の地域課題とビジネスチャンス①
日時:令和元年10月11日(金)15:00〜18:00
場所:富山大学高岡キャンパスH283演習室
とやま呉西圏域共創ビジネス研究所の4日目が開講。和歌山県田辺市から講師を招き,「たなべ未来創造塾」の取り組みと地域課題解決のまちづくりへの取組や同修了塾生が実現させたプロジェクト内容について聴講し,ビジネス手法での地域課題解決やコミュニティビジネスの事例検証をおこなった。
講義
圏域の地域課題とビジネスチャンス① たなべ未来創造塾の取組
講師:和歌山県田辺市企画部たなべ営業室 鍋屋安則氏
地域課題の解決や地域資源活用をビジネスの手法で考える人材の育成とビジネスモデルの創出を目的に,田辺市と富山大学が共催する「たなべ未来創造塾」の取組みについて説明し,地域課題をビジネスで解決している修了塾生たちの活躍事例を紹介。ローカルイノベーターたちが地域を救う地域を変えていっている様子を伝えた。
- ▽ 前半講義
- 和歌山県田辺市の立地と概要紹介
- 田辺市の地域資源「熊野古道」「梅」「柑橘」について
- 人口減少スピードが全国平均より早い
- 内需依存した経済構造のため人口減の影響大
- 生き残りのため平成26年「たなべ営業室」創設,価値創造プロジェクト始動,富山大学と連携
- 持続可能な地域づくりのため,地域で「稼ぐ」プレーヤーが必要
- 産官学金が一体となった運営体制を取る「たなべ未来創造塾」を創設
- たなべ未来創造塾の概要とカリキュラム等の紹介
- 地方で生き残るには異業種が繋がることが大切
- 地域課題と企業課題」をビジネスで解決し,地域と企業がWinWinの関係性を構築することがポイント
- ○ 修了塾生の事例紹介
- 空家リノベーションでゲストハウス+シェアハウス+カフェバーを併設運営するtheCUEの事例
- 若手農家が鳥獣被害対策から狩猟•解体•調理まで取組むチームHINATAの事例
グループA
人口減少・空家・観光客・鳥獣被害等の地域課題,解決ポイントに異業種交流の力を考えた。商品より自分を売ること,自分が中心でなくても集めたメンバーからアイディアが生まれてくるチームの力を感じた。すべての問題解決で大きなことからでなく、幾つかの小さな問題から解決していくことが大切。事例での本業との両立はどうなのか?商売として成り立っているのか?将来的に移住した方がどうなるのかが気になる。
鍋屋講師:
しっかりした事業計画を持って進めており,地域の農業もチームでシェアして取り組み時間を効率的に作っている。様々な事が組み合わせで取り組まれており着実に成長している。
グループB
農産物加工品販売から鳥獣害対策となり,それが地域課題解決となり,さらに新しいビジネスへ広がっている。周りの人がつながり,移住者が増え満足度が高まっているのは注目。人のつながりの大切さを感じた。
- ▽ 後半講義
- 修了塾生の事例紹介
- 東京から移住して,カフェ・瓶詰食品工房・パン屋を開業した事例
- 田辺を好きになるパン屋を開業した事例
- 修了塾生が繋がって作り上げた新名物「ジビエバーガー」の事例
- 虫食い材(あかね材)に光を当てた「BokuMoku」プロジェクトの事例
(デザイナー・家具屋・森林ベンチャー・自動車屋・表具屋など様々な人が関わりビジネスへ結び付けている)
- 空き家空き地管理サービスの事例
- 熊野米とコラボしたお酒醸造販売の事例
- 未利用食材活用で安心安全の養鶏事例
- 社内に地域コミュニティの場所をつくることで売上を上げている工務店の事例
- 子育て賃貸住宅から定住へとつなげる事例
- 農作物生産者の思いを料理で伝える「よるマルシェ」の事例
- 空きテナントを小さな拠点として人を集める鮮魚の取組事例
- 地域課題はピンチでなく,チャンスである
- 地域課題を解決することが新しい仕事を生み出す
- 第2期地方創生は人材育成
- 地域課題を解決する取組はメディアが取り上げてくれる「産官学金」+「言」
- 塾生たちは様々につながっていっている
- 地域に根付くスモールビジネスを数多く創出していくことで足腰の強い地域になっていく
- ▽ 後半討議② 〈テーマ〉
- 講義で紹介された事例から興味があった事例,気になった事例のポイントを整理
- 着目した地域課題は何か?企業課題はどこにあったか?課題解決に至ったポイントは?
各研究生は個人ワークシートに記入しながら事例ポイントを整理。前半討議と同様2グループに分かれて各研究生の興味ある事例や気になった事例についてポイントを発表し,研究生間で意見や感想を交歓させるグループディスカッションがおこなわれた。討議後,研究生各自が一人1〜2分で発表をおこなった。発表では各研究生が,自身の課題に近い事例や地域課題に近い事例などを選び,課題解決の手法や取り組み等から興味を抱いた点や参考にしたい点と感想等を発表した。