とやま呉西圏域共創ビジネス研究所の8日目が開講。富山呉西圏域の地域課題と地方創生への行政ビジョンや戦略について高岡市担当者から説明を受け,課題解決へ向けた政策や方向性を各研究生の事業プランのヒントとした。また,各研究生の個別プロジェクト立案に向けた1行コンセプトをまとめる演習もおこなわれ,各自が抱える課題の明確化がなされた。
富山県西部6市では「とやま呉西圏都市圏ビジョン」を策定し人口や社会経済維持のために広域連携してスケールメリットを活かした取組をしている。共通課題である人口問題について県域内や富山市を含めたエリアでの人口の社会動向を説明し,連携して首都圏で移住定住の取組をおこなっていると紹介。
人口対策を踏まえた総合戦略の策定について各市の取組状況を示し,高岡市の「未来高岡」総合戦略の内容を説明。総合戦略は「人口ビジョン」と「高岡市まち・ひと・しごと創生総合戦略」から構成され高岡市の地方創生の在り方,道筋を示すものであると話し,高岡市の人口の現状について,人口数の自然増減・社会増減の推移,年齢別人口と高齢化率の推移,人口ピラミッドの推移,出生数・合計特殊出生率の推移を示し解説。さらに人口の社会移動について,年齢階級別純移動数,転入出の理由,県内大学の県内定着率の推移,外国人転入出状況についてデータを示しながら高岡市の現況を詳しく説明した。
高岡市の人口ビジョンについて,合計特殊出生率の目標数値を示し社会動向の改善をおこない将来人口数として2060年に12万5000人を確保するとし,人口ビジョンに沿った将来推計と高齢化率の予測を説明した。
2020年度から5年間の第2期「未来高岡」総合戦略(仮称)の方向性は「市民創造都市高岡」ならではの「まち・ひと・しごとの創生」で若者や女性が夢や希望,いきがいを持っていきいきと暮らすことができる,活力ある地域を形成すること,仕事をつくること,人をつくることであると話し,「地域コミュニティの維持強化」「広域連携の一層の強化」「地域資源の最大活用及び新たな価値の創出」「IoT,AIをはじめとした次世代技術の積極活用」「SDGsの推進」を持続可能な行財政運営を推進するために必要な横断的視点として捉え,戦略への反映させた内容について紹介した。さらに現行戦略の取組への現状と課題を紹介し,次期戦略の体系への組み入れ予定内容の詳細についての現状を説明した。
講義内容についての個人ワークをおこない,高岡市の現状と課題は何だったのか,何のためにどのような対策を講じようとしているのかをワークシートへ書き込み作業をおこなった。作業後に講義内容についての質疑応答の時間が設けられ,高岡市の人口動態での人口増減年の社会背景についてや全国の地方と高岡との比較,子育て支援の24時間サポートや学校教育などについての政策などの質疑に応えた。
個人ワークとして各研究生が現時点で考えている事業構想の方向性や企業・地域の課題などを演習シートを活用してまとめる作業をおこなった。その後,今回参加した6名の研究生が2グループに分かれて各々の考えについてを討議してブラッシュアップがおこなわれた。ディスカッションを通じて整理された自社の課題・地域の課題を踏まえた事業プランの方向性を各研究生が発表して全体での共有が図られた。