たかおか共創ビジネス研究所第3期
高岡市/富山大学

事業レポートReport

たかおか共創ビジネス研究所 6日目第11・12限

2016年9月2日
基礎講義 地域課題解決型事業立案演習 地域課題とビジネスチャンス②
内容:地方創生・連携中枢
日時:平成28年9月2日(金)15:00〜18:00
会場:富山大学高岡キャンパス2階大会議室

たかおか共創ビジネス研究所の6日目が開講。高岡市の行政担当者から高岡の現状や地域課題,描かれる将来像など情報提供を受け,高岡の地域課題を理解し,情報の共有化を図り,地域課題解決からビジネスチャンスを探るとともに真に地域に密着した経営戦略としての新しいコンセプトを模索した。

たかおか共創ビジネス研究所 6日目第11・12限 基礎講義

第11限

講義
地域課題とビジネスチャンス②
 地方創生の取組・連携中枢都市圏形成の取組
講師 :高岡市経営企画部都市経営課 主幹 日名田尚明氏

高岡市の地方創生の取組について説明。地方創生(まち・ひと・しごと創生)とは平成26年5月に日本創生会議が発表した2040年には全国の約半数の自治体で20〜39歳の女性人口が5割以上減少し全国の約半数の自治体が消滅のおそれがあるとする提言から,国民一人一人が夢や希望を持ち,潤いのある豊かな生活を安心して営むことができる地域社会の形成と地域社会を担う個性豊かで多様な人材の確保,地域における魅力ある多様な就業の機会の創出を図り,各地域がそれぞれの特徴を活かした自律的で持続的な社会を創出することを目的としたまち・ひと・しごと創生法が制定。これを受け高岡市の地方創生のあり方,道筋を示す「未来高岡」総合戦略を制定したと説明。

市の人口の現状を分析し,人口減少の要因を探り,その克服へ向けて目指すべき将来展望を示した「人口ビジョン」について,高岡市の年齢別人口ピラミッドや人口動態の推移などのグラフから解説した。

また,「高岡市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の概要について,文化創造都市高岡ならではの「ものづくり」を基盤とする魅力的な「しごと」が呼び込む多様な「ひと」と「ひと」が創造性を発揮し新たな「しごと」を生み出すことの好循環をつくり,その好循環を支える「まち」に文化の力で活力を呼び起こすための取組と説明。「魅力的なしごとに挑戦できるまちをつくる」「多様なひとが住みたいと感じるまちをつくる」「安心して子どもを産み育てられるまちをつくる」「快適に暮らせ,創造的に活動できるまちをつくる」という4つの基本目標と具体的な数値目標を示し,伝統工芸産業再興や創業チャレンジ,観光発信や若者定着,子育てなどの部署を超え連携して取り組むプロジェクトについて紹介した。

また,地域において相当の規模と中核性を備える圏域において市町村が連携し,コンパクト化とネットワーク化により人口減少・少子高齢化社会においても一定の圏域人口を有し活力ある社会経済を維持するための拠点を形成する連携中枢都市圏の取組について説明。富山県西部6市で構成するとやま呉西圏域のこれまでの経緯を紹介し,ビジョン概要について圏域が直面する課題,人口の現状や将来展望,基本方針について説明。目指す「環日本海の中核拠点」の実現へ向けて,圏内の「人」「強み」「つながり」の活用・充実を大きな柱とした9つの基本方針に基づき,圏域各市の機能分担を図りながら,産業,観光,地域交通,医療・福祉等の各分野における連携施策に取り組むと説明。

市民創造都市に向け,「ものづくり」「歴史まちづくり」「ひとづくり」での高岡市のこれまでの取組と成果を紹介し,平成29年から38年の新たな総合計画の基本構想に盛り込む,まちの将来像,高岡市の強みについて,課題やまちづくりの手法などについて解説,人口が減少していく中どうやっていくのかを行政だけでなく皆さんと一緒に考えていきたいと話した。

第12限

座談会/ディスカッション
 講義の感想 講師への質問

本日の講義についての質疑応答と講師・研究員間でのディスカッションがおこなわれた。

高岡市の人口増減の要因や自治体間の社会動態について,コミュニティの維持の為の拠点づくりや地域包括ケアについて,人口減少時代の行政の変化やものづくり以外の産業について,地域毎での認識相違についてなど,地方創生の流れと連携中枢の取組みの中で,高岡市は人口が減っていった時にどうなるか考え,地域課題は何かを出し合って共有化した。

金岡教授は「人口減少で社会や地域がどうなるか,自分の企業がどうなるのかを必ず考えて欲しい」と研究員へ課題をだした。